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カテゴリ:絵の楽しみ方/見方
絵の物語を知る楽しさ。 この中に、依頼者や作者の意図を知ることも含まれます。 この視点だけだと、 絵には一つの正解がある、という見方になります。 もう一つは、絵の背景や物語を気にせずに、 自由に想像する楽しさ。 この見方になると、絵には無数の正解がある、という見方になります。 私は、 両方の楽しさを味わってもらいたいと思っています。 美学の専門用語で言うと、これは、解釈に当たります。 解釈には二通りある、のです。 歴史的には、 絵の物語を知る解釈の仕方が、一般的でした。 宗教画や歴史画などは、 絵を通じて聖書や仏教を学んだり、 歴史的な事実を学んだりするために描かれていたからです。 しかし、絵が伝えているのは、それだけではありません。 時代や民族や作り手の個性も自然に滲み出るものです。 いろんな時代や地域の絵を見比べたら、すぐそのことに気がつきます。 だから、 つくり手の意図を超えて、さまざまに解釈することも、 間違いではないのです。 実際、歴史が積み重なって、同じ時代でもいろんな地域に違いがあるのが わかってきた19世紀になって、 自由な解釈の仕方も認められるようになりました。 そして、21世紀になって、 自由な解釈の重要性が、クローズアップされてきています。 今の時代は、Volatility(不安定) Uncertainty(不確実) Complexity(複雑) Ambiguity(曖昧) VUCAになっているといわれています。 一つの事実に対して、 一つの見方だけ、一つの考え方だけでは、 対応しきれない時代だ、と言われているのです。 実際、 コロナによって、今までの常識の多くが、 新しい常識に置き換えられたり、 私たちは常に、いろんな変化に柔軟に対応していく必要があります。 だから、いろんな解釈を楽しむ絵の見方は、 時代にマッチしている、と言うこともできるでしょう。
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最終更新日
2021年09月14日 07時14分58秒
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