人の一生は重荷を背負うて遠き道を行くがごとし...(--)
雌伏の時を堪えて戦国の乱世を勝ち抜き、徳川300年の永き平和の礎を築いた将軍の格言として知られています。私が若いころから望んだ生き方は、それほど無理してまで苦労せず、あわよくば努力せずの一攫千金が理想であり、数十歩下がって仕方なくでも、無理な借金はせず稼いだ金で遊び、可愛い女性との恋愛も楽しみ、老後破たんに陥ることなく淡々と人生が終了できればそれで充分と言う、自堕落的な人生観を抱いていました。しかし人生はままならず、少しだけは理想に近づけた思いもありますが、苦労せずには程遠く、私なりに自分の人生観に向かって行くためには大いに苦労しました。今の年になってみて思うと、タイトルの徳川家康の格言の一部ですが、しみじみと情けなくも理解できる気がします。全く平穏に無難な人生を送れる人もいるとは思いますが、通常は人生にはいろいろな意味で節目があり、重大な決断を下さなければならない時が訪れます。私は多少なりとも自業自得の波乱多き人生だったために、この人生の分かれ道となる決断すべき節目が幾度となく訪れました。私も68歳になり、体力も衰えてきていますし、あと何年健康年齢でいけるかは運次第です。しかし、食べていくだけなら何とかなりますが、私の性格上それでは死んだも同然で、仕事をせずに日常生活と趣味をたしなむ程の蓄えはありませんから、何とか収入源を維持していかなければなりません。そう考えた時、タイトルの格言が我が身につまされる思いで、若いころ嫌いだった、この徳川家康の格言の重さ、今の私にぴったり当てはまり、しみじみと理解できた気がしています。