星の国ライフ シンガポール「National Gallery(国立美術館)」は一押しの「観光スポット」
2015年に旧裁判所と旧市庁舎を改装して開館した「ナショナルギャラリー」には およそ8000点ほどの東南アジアのアート作品を常設展で展示しています。またコロナ禍前は「フランス印象派展」や「草間彌生展」など大きな展覧会も開催されていました。 シンガポールの美術館のメリットはまず特定の祭日などに「オープンハウス」と言って無料開放され、また常設展に関してはシンガポール人とPR(永住権)保持者には常時無料で開放されています。「絵画にもっと親しんで欲しい」という政府の計らいですが、私にとって嬉しいのはどんな展覧会の時も日本の美術館のように混雑しているということがありません。 昨年8月にコロナ禍の中8月中が無料開放となり2日間じっくり絵画&美術館鑑賞となり、その中で一番印象に残った絵です。 「Rama, Sita and Laksamana in the Foreset(森の中のラーマ、シーターとラクサマナ」 インドネシア人画家「Anak Agung Gede Meregeg(1912-2000)」作で題材を紀元前4~5世紀に編纂された「古代インド大長編叙事詩(ヒンズー教の聖典)ラーマーヤナ」から取っています。 ラーマ王子が誘拐された妻シーターを奪還すべく大軍を率いてラークシャサの王「ラーヴァナ」に挑んだというお話です。 絵の上部にいる3人がラーマ王子、手を引かれる妻シーター、奪還の手助けをしたラーマ王子の弟ラクサマナ、そして下部に戦いの疲れを癒している兵士達の姿があります。 絵の左上に描かれている太陽の中に女性が描かれていたり、青色の樹々の葉をオレンジ色で縁取りしていたり、動物たちの自然を享受する姿が美しく描かれていたりなかなか幻想的な一枚です。 そして説明には「ヒンズー叙事詩ラーマーヤナに登場する人物と2つの世界を一枚の絵の中に描き、様々な芸術的アプローチが統合された絵です。線の強調、平坦さと相反する濃さ、自然を享受する古典的なバリ島の絵の要素を多分に含んでいます。」とあります。確かにバリ島はイスラム教ではなくヒンズー教徒の多い地域でした。 そしてナショナルギャラリーを観光スポットとして推すのはレストランやバーなどの施設が充実していることです。特に花火等のイベントが開催されるときは館内の6階にある絶景バー「Smoke&Mirrors」やラウンジ「Aura」からベイサンズの前に上がる花火をお酒を飲みながら楽しむこともできます。 ラウンジ「Aura」の屋外席 フレンチレストラン「Otto」の入り口 今年「アジアのベストレストラン50」の1位に輝いたフレンチレストラン「Otto」は予約が取りずらいお店という評判になっています。一度入ってみたいとお店の様子を見に行くとカーテンで中が見えないようになっていました。いつか試してみたいお店です。絵画鑑賞の後にフレンチ、そしてまた絵画鑑賞の後の夜景と極上の一日が過ごせそうです。