Takashima Ohisa Applying Lipstick @ シンガポール国立博物館
2016年に「シンガポール国立博物館」で展示されたインカ帝国などの「世界の秘蔵品展」で1枚だけ日本の浮世絵がありました。「Takashima Ohisa Applying Lipstick(紅をさす髙島屋おひさ)」 当時は今ほど浮世絵に興味がなく、誰が描いたのかも気にせずでしたが改めて絵の下にある説明板を拡大してよく見ると「Katsukawa Shuncho」とあり検索して江戸時代に役者絵を描いていた絵師「勝川春潮」である事が分かりました。ネットの説明では生没不詳とありますが、この絵の下の説明では1770-1790年?と記載があり、若くしてこの世を去っているようです。喜多川歌麿「寛政の3美人」 ネットからの画像 この浮世絵を見た数年後にNHKの「浮世絵EDO-LIFE」で「おひさ」を含む「寛政の3美人」の解説を見てから徐々に浮世絵に関心を持つようになりました。 下記は解説の内容です。『中央に描かれているのが吉原の芸者「富本豊雛」右が「難波屋おきた」左が「高島屋おひさ」です。吉原の芸者は今でいうアイドルなのでその右と左に素人の女性が並んで描かれていること自体が凄い ことです。素人と言っても2人は当時「水茶屋」と言われる「素人の売春」を行っていたところの娘さんで、芸者と違って庶民が会いに行きたいと思えば会いに行けました』 『芸者の「富本豊雛」はぱっちりした目、筋の通った鼻など理想的な顔立ちで、「難波屋おきた」は鷲鼻や切れ上がった目からクールな女性に、一方で彼女達と比べて「高嶋屋おひさ」は小動物のような黒目がちの目、豊かな眉、丸みを帯びた鼻の形、おちょぼ口とキュートな女性に描かれています』 『規制が厳しくなり女性の名前を絵の中に書けなくなっても着物やうちわ、かんざしに家紋を描き誰なのか分かるようにしていました。因みに「三つ柏」は「高島屋おひさ」、「桐」は「難波屋おきた」です』 たった5分ほどの解説を聞くだけで「浮世絵」の知識や世界が広がった気になり、最近この放送がないのが残念です。