小澤征爾さんの心温まるエピソード満載@4月29日の「村上RADIO」
シンガポールでは聴く事が出来なかったFM東京の「村上RADIO」、念願叶ってやっと聴く事が出来ました。昨日のタイトルは「【特別編】~小澤征爾さんの遺した音楽を追って~」で15時から1時間50分という長さに流石に途中でクラシック音楽を聴くのに飽きてしまうのではと思いましたが、あっという間に村上RADIOは終了でした。 曲の合間に村上春樹さんが語る心温まる小澤征爾さんのエピソードと選曲が絶妙で、特にクラシック音楽界の重鎮と呼ばれる人達と小澤征爾さんの素のまんまの交流、ルールを全く知らないアメリカンフットボールの試合に誘われた村上春樹さんに小澤征爾さんがいかに上手にスタジアムでルールを説明したかとか、ある日たまたま路上で小澤征爾さんがバイクに乗った人達と熱心に話し込んでいるのを見かけ後で「何を話していたの?」と聞くと「あまりに素敵なバイクだったので値段とかどこで買えるのかを聞いたいたんだよ」との答えに初対面の人でも誰でも話しかける人だったというエピソードには生前テレビのインタビューで見た気さくな言葉で話す人懐っこい小澤征爾さんを思い出しほっこりした気持ちになりました。 村上春樹さんが選曲した(小澤征爾さん指揮)曲は初めて聴く曲も多かったのですが、祭日の昼下がりに聴くと一層良い曲のように感じました。そして一番興味を惹かれたのは「ヤナーチェック作曲 シンフォニエッタ1,2楽章」でこの楽曲は村上春樹著「1Q84」の中で登場し小澤征爾さんから「お陰でCDがたくさん売れたよ~」と喜んで貰えたというエピソードも。 15年前に読んだ3冊の本の一体どこに書かれていたんだろうと手元にある「1Q84 Book1.2.3.」を見てみると・・Book1.の最初の行にありました。 「タクシーのラジオは、FM放送のクラシック番組を流していた。曲はヤナーチェックのシンフォニエッタ。渋滞に巻き込まれたタクシーの中で聴くのにうってつけの音楽とは言えないはずだ・・」で始まり「ヤナーチェックのシンフォニエッタの冒頭部分を耳にして、これはヤナーチェックのシンフォニエッタだと言い当てられる人が、世間にいったいどれくらいいるだろう。おそらくとても少ないとほとんどいないの中間ぐらいではあるまいか。しかし青豆(2人の主人公のうちの1人)にはなぜかそれができた」 さらにヤナーチェックの説明とこの曲を作曲した1926年という年について話が繋がって行きます。初めて聞いたシンフォニエッタの印象は「何だか暗~い曲だなぁ」でしたが、Youtubeでいくつか動画があるようなのでじっくり聴きながらまずはBook 1の第1章「みかけにだまされないように」を再読してみようと思います。 因みに「1Q84」のもう一人の主人公「天吾」が小澤征爾さん指揮のヤナーチェックのシンフォニエッタのLPを所有しているという設定だそうです。