ダ・ヴィンチ・コード
観てきましたー◎毎度お馴染み、社長&とよしきくんと三郷で。ネタバレしない程度にさくっと。1.原作読んでないと話が難しいかも2.欧州史におけるキリスト教の役割とか、概念とか、キリスト教の事を知らないと難しい3.モナリザはあんまり関係ないッていうことくらいですかね?宗教論駁になるから、やっぱり敬虔なクリスチャンとか、聖書に書いてあることを信じているような人には向かない映画。前Passionっていうキリストの受難を題材にした映画があったけれど、それ以上に宗教論争になるわな。それに関していうとかなり学術的になってしまうんだけど。興味ない人は読み飛ばして下さって結構ですよ。あくまで1個人として、ヨーロッパ史をかじった人間としての1意見、解釈ですから。おまけにこれ突き詰めたら論文かけちゃうような題材だしね┐(´Д`;)┌キリストは神か?この問いに関する本、戦い、いろいろあったじゃない。ローマカトリックが正しいのか、ローマの腐敗を責めたプロテスタント、ルター派が正しいのかそういうのももういいじゃない。要は自分が何を信じるか。オプス・デイを信仰するのもいいんじゃないの?私はああいうのは受け付けないけれど。告解で罪が消える訳じゃない。身を清めれば罪が消える訳じゃない。人の命を奪えば、それに値するだけの罪がある。人の命を奪って天使とは言えない。だけどね。神と悪魔は表裏一体。戦いで勝利を神に祈るとするでしょう?祈って勝った側にとっては、勝利の神。でも負けた側にとっては、滅亡をもたらした悪魔でしょう?キリスト教は、確かにヨーロッパ世界に根付いた信仰。でも、キリスト教以前に、キリスト教から見た異教、様々な土着信仰があったわけ。それらと融合して、キリスト教はヨーロッパ全土に根付いていった。つまり、最初にキリスト教が合った訳じゃないのよね。その土着信仰の神々とキリスト教が融和して、キリスト教にそぐわないモノは悪魔、demon,devilとして排除されていった。これって言語学的に見ても言えることなのね。たとえばタロットカードのdevilの絵。あれは元になったのはギリシャ神話の牧畜の神のパンと言われてる。陽気で好色な、豊饒をもたらす神。悪魔にされた土着の神の代表格。キリスト教は、中央集権の為の身代わりが必要だったのよ。批判の受け皿っていうか、こんなにキリストは凄かったんです!みたいなPR材としての、悪役。昔話の「泣いた赤鬼」って知ってるかな?人間と仲良くなりたかった赤鬼が、人間と仲良くなるきっかけとして、友達の青鬼が人間を困らせて、それを赤鬼がやっつけて、赤鬼は人間と仲良くなった。だけど、青鬼は友達の元を去っていくっていう話。コレと同じで、自分達がより身近なモノとして、より偉大なモノとして、実社会に根付くためのスケープ・ゴート。それがキリスト教にとっての悪魔であったわけ。善悪の確立。初期のキリスト教会にそれが欠かせなかった。そうじゃなかったら、自分達のやっていることが正しいって証明できないでしょう?十字軍だって、テンプル騎士団だって同じ事。神のお告げがなきゃ、自分達のやってることの善悪が証明できないの。逆に言えば、神のお告げっていうお墨付きがあれば、虐殺だって略奪、陵辱だってなんだって許されたって事。これが宗教戦争の暗い部分よね。神の御旗のもと!ってヤツ。常に教会は、悪魔を必要としていた。常に悪魔は闇、誘惑、欲望、厄災、悪、敵、そういった要素をはらんでいた。神が光なら、対極に位置する闇が必要だから。キリスト教会によって、悪魔とか、魔女とか、そういう貶められた人々。まぁこの映画に関して言えば「娼婦」のマグダラのマリア。私は死海文書とか読んでないし、知っての通り宗教家でも歴史学者でもないから、彼女が娼婦だったのか、イエスの妻だったのかまでは興味ないけれど。そう言う存在の定義が、もしこの話が本当であれば、根底から覆るから。ま、今更歴史は塗り替えられないけどね。マグダラのマリアがイエスの妻であったって、元寇は日本に来ただろうし、イエスとマリアの血脈が受け継がれてたとしても、第2次世界大戦は起きただろうし。まぁ要は結局、自分は何を信じますか?っていう事だよね。キリスト教社会の崩壊なんて興味ないしね。まぁせいぜいドイツのCDUとかCSUが困るくらいなんじゃない?教会はまぁ支持率低下っていうか、信仰者が居なければ宗教なんてあってないモノだしね。宗教で何が変えられる?せいぜい心持ち。その程度の事よ。あくまでも無宗教者の意見だけどもね。あぁ、欧米諸国の人にしてみれば、祝日とかが変わったり無くなったりするのか。うん、ご愁傷様。ま、そんな事おきやしないしね。まぁそういうちょっと学術的な事も考えるような映画でしたよ。フィクションとして捉えられる人には、まぁまぁ面白い映画だと思います。