番外編 広島に見た育成の問題点
『欠点しか見ない首脳陣』 『育成の広島』、かつてはこう呼ばれていた時代もありましたが、現在そんな輝きはとっくに消え失せ、逆に育成力不足で悩んでいます。育成力不足という言葉は若手投手が広島投手陣を支えているだけに意外に思われるかもしれませんが、今広島の中枢を担う若手投手は皆1巡目指名された投手であり、言ってしまえば他球団でも育てられた投手であり、本当に育成して戦力へと導くことができた投手はいません。そんな中、本日中村恭平が二軍へ降格しましたが、個人的にはこの二軍降格こそが広島が長年育成力不足に悩む根底のものではないかと思います。 確かに5回で6与四球というのは問題なのは誰が見ても明白でしょう。しかし、私たちは中村恭平のどこに魅力を感じて獲得したいと思い、指名しましたか?まず荒れ球で変化球に課題がある超素材型と言われながらも左腕で153キロを計測する速球に魅力を感じ、これからのノビシロに期待して獲ったのではないのですか?そこを考えた上で昨日の投球はどうでしたか?スピードは146キロを記録し、課題だった変化球もカーブやフォークなど縦の変化を身に付け、そのフォークで李大浩を空振り三振に打ち取り、そして持ち味のゴロを打たせる投球を見せて5回を3失点にまとめた充分評価できる投球だったと思います。そもそも制球力が課題なのは指名した当時から承知のはず、そもそも首脳陣もそれを承知で起用しているはずです。なのに何故良いところを見ず元々の課題である悪いところばかりを見てしまうのでしょうか。逆に日本ハムの吉川は中村恭平と同じタイプで燻っていましたが、栗山監督から「四球は出しても良いから思い切り腕を振れ」「自分の納得するボールを投げろ」と言われ、それが制球力改善に繋がったとのことですが、個人的には技術的成長があったのだろうと思いますが今の中村恭平に必要な指導はこれでしょう私も昨日の投稿に『制球など今は気にしなくて良い』と書かせてもらいましたが。 結局悪いところばかりを矯正しようとするその姿勢こそが結果的に斉藤や篠田のように何の変哲もない投手へとなってしまう理由であり、素材型投手が育たない大きな理由でしょう。持ち味を殺して制球力がそこそこ良くなっても余計に打たれるだけで魅力もなくなり、それこそが本末転倒だということに何故気づかないのでしょうか?しかも何度も何度も何度も何度も同じ失敗を繰り返しているのにです。もし日本ハムの吉川が広島に在籍していたとしたら、広島は吉川を大成させることができたでしょうか?間違いなく無理だったでしょう。やはり広島には育成できる土壌がないと言わざるを得ず、やはりある程度まとまった投手を指名していく方が良さそうですね。 しかし、あれだけ昨年球速が落ちて迷走しいていた中村恭平がここまで成長を見せたのは正直驚きです。なので、また一軍に戻ってくることを期待しています。【送料無料】セイバーメトリクス・リポート(2) [ 岡田友輔 ]価格:2,520円(税込、送料込)