2019年 広島選手詳細 23
『坂倉将吾』 今回は坂倉捕手について見ていきたいと思います。今季は外野手にも挑戦し、少々優先的に起用された感はありますが、結果を残すまでには至らず、打率.230、1本塁打でOPSは.610とかなり物足りない成績となりました。外野でも少々不安定な動きが多く、正直なところ外野手としては厳しいでしょう。 まず長打力ですが、IsoPは.115とパンチ力があるという範疇の数字です。ちなみに二軍でもそれほど本塁打数は伸びておらず、個人的にはそれほど長打力を売りにする打者にはならないのかなと感じます。続いてミート力ですが、61打数19三振で3.21とかなり低めで、二軍でも110打数20三振で5.50と2年連続で同じような数字であり、ミート力はかなり物足りない印象を受けます。選球眼は3四球/19三振で.160とこちらも惨憺たる数字ですが、二軍では15四球/20三振で.750と昨季に比べて持ち直すことに成功しています。個人的にはまだまだ一軍の投手のレベルについていけていなかったのではないかなと思います。ただ打撃のポテンシャル部分を見る限りでは思った程の魅力はないかもしれません。 それではbatted ballですが、18GB:11FB:8LD:4IFFB:1HRとなっており、GB/FBは0.75となっており、FB%の高さが目立つ結果となっています。打球別打率はGB打率が.222、FB打率が.133(.188)、LD打率が.875となっており、FB打率よりもGB打率の方が高い結果となっており、GB打率から内野安打の数を減らしても.176とFB打率とさほど変わらず、完全に一軍の投手のボールに力負けの印象を抱かせます。FB%の高さを活かしてもう少しパワーをつけてみるのも面白いかもしれませんが、個人的には既に体が出来上がっていそうに見えるのが気にはなり、もしそうならば打球別打率を見る限りは鋭いライナー性の打球を打つことに主眼を置いた方が良い打者ということになります。最後に打球方向別打率ですが、基本的にはレフト~センター方向への打球が多く、ライト方向への打球は24%程ですが、この選手も例に漏れずライト方向への打率が.571、1本塁打と最も高く、レフト方向への打率はたったの2安打のみとお話になりません。ちなみに二軍では試合数を考えると多く盗塁をしており、この部分を一軍でも見せることができるのかでも変わってきそうです。 二軍での成績を加味しても特別スラッガーとしての期待を抱かせるとか常に打率3割以上を期待できるとかそういった凄みはあまり感じず、1年目に目覚ましい活躍を見せた坂倉ですが、個人的には少々伸び悩んでしまった感があります。まだ今季で3年目ですから結論を出すのは早いものの、現時点での判断だと捕手以外のポジションで積極的に使っていきたいと感じさせるほどの潜在能力は感じないのが本音です。今季長打力を大きく伸ばした磯村とは違い、あくまでも「捕手にしては打撃が良い」という選手であり、やはり捕手をしなければレギュラーを掴むのは難しいのではないでしょうか。ただGB/FBの高さは魅力的であり、一か八か思い切りパワーをつけてみても面白いかも?しれませんね。野球太郎 No.033