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広島カープ考察

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2024.11.12
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カテゴリ:広島東洋カープ


『佐藤柳之介』

 それでは広島がドラフトで指名した選手を見ていきたいと思います。
今回はドラフト2巡目で指名した富士大学の佐藤投手、球持ちやキレが良いと評判の最速148キロの直球にスライダー、カットボール、カーブ、スプリット、チェンジアップの多彩な球種が持ち味の先発型の左腕投手です。
正直なところ、昨年のドラフトで左腕投手を2・3巡目指名した事に加え、白武スカウトの「今年は野手ドラフト」というコメント(まんまと騙されました^^;)もあり、完全にノーマークの投手でした。
なので広島が2巡目指名した際には正直驚かされました。

 まず​ドラフトレポート​様や​一球速報​様のサイトから掲載されているデータを見ていきますと、本格的な登板は21年春からとなっていますが、その後は故障もあったのか、しばらく登板が遠ざかっていました。
しかしながら23年秋から再び本格的に登板すると、以降は主戦投手として投げ続けています。
どのシーズンでも防御率1点台を記録しており、今秋は0.52と圧倒的な投球を見せました。
それでは奪三振率から見ていきますと、復帰したばかりの23年秋以外は投球開封以上の奪三振数を記録しており、通算でも奪三振率9.88と高い水準を誇ります。
そして一球速報様に掲載されている打球割合を見ていきますと、ゴロ%は31.6%とそこまで高くはなく、逆に内野フライ%が13.4%と外野フライ%よりも高いなど差し込んでいる事を窺わせ、現にデータを見る限りだと被弾も殆どしていないようです。
続いて与四死球率ですが、24年春こそ3.57と大学生基準にしては悪いものの、21年春や23年秋は3.00、2.95で推移しており、今秋は2.10と一番良い数字となりました。
高い奪三振率にまずまずの与四死球率という事ですが、通算K/BBは4.16と高いですが、本格的に投げた4シーズンのみに限定した場合は3.16となっています。
ただ今秋のK/BBは4.875となっており、最後に上昇曲線を描いてのプロ入りとなっているのは昨年の赤塚とは対照的に良い形で入団できたのではないかな?と思います。

 それでは投球フォームですが(​youtube​)(​youtube​)、センター方向からの映像は昨年の物で、バックネット裏からの映像は直近の映像(今秋)となります。
どちらもセットポジションから右足を引き上げると同時に右腕も動き始め、右腕を少し上に掲げる動作が入り、上から振り下ろす投げ方をしていますね。
巷では阪神の伊藤将司に似ているとの評判ですが、個人的にはどちらかというと初動は菊池雄星(​youtbe​)に近く、若干背中を反りながらテイクバックをして投げ下ろすので途中からは森下(​youtube​)になるという印象でしょうか(森下は左腕を上に掲げる動作はしませんが)。

 次に昨年と今年で比較して見ますと、昨年の投球フォームは踏み出す歩幅が広すぎて投げ終わった直後の上体が沈み込み過ぎて左足の引き上がり方も不自然な形になっていますが、今年はこの部分が完全に改善されて無理のない歩幅で踏み込めていて左足も綺麗な引き上がり方をしており、踏み出した右足を軸にして左足が本塁まで回ってきています。
ただ踏み込んだ右足の爪先が浮いて踵で踏ん張ってしまっており、完全に前足に重心を移しきれてはいないようで(この辺りは上に掲げる仕草のある投手にありがちでしょうか)、1球高めに大きく外れた球がありました(その1球は投げ終わった後のバランスも悪いでしょうか)。
後はグラブをもう少し右胸付近に抱えた方が良いのではないかな?と思います。
しかし、これらはあくまでも細かい部分で致命傷という程の物でもなく、特に破綻のある投球フォームというわけでもないのではないでしょうか。

 投げ方を見ると、想像ですがキレのある直球と恐らくカーブやチェンジアップ、スプリットなど縦の変化球を武器にしていくタイプなのかな?と感じます。
個人的には今永のようなタイプの投手で、左腕が充実しつつあるものの広島の投手陣にはこういったタイプの先発左腕候補と言えば黒原ぐらい?で、どうも黒原は今後もリリーフとしての起用が見込まれるだけに、佐藤を指名できたのは大きいかもしれませんね。
個人的に黒原には先発として期待していたのですが、確かに力投派なのでリリーフでとなるのも理解できますが、佐藤は投球フォームを見ている印象だと先発タイプかな?と感じます。
個人的にはひょっとすると佐藤こそが次世代のエース投手となり得るのかも?しれませんね。
同じタイプの今永が横浜のエースとなったのですから十二分にあり得ると思います。

 即戦力としてはプロ入りした場合だと通算で見ると制球面に不安を覗かせる部分があり、現に仙台大学との神宮行き切符を賭けた試合では5回で4四球を出しており、その一面を覗かせています。
しかしながら去年よりも歩幅を改善させており、縦の変化球を武器とする上に奪三振率も高いので案外即戦力としても活躍できそうな印象を受けます。
後は細かい部分を黒田アドバイザーから指導を受けて更なる成長に期待したいなと思います。
個人的には現時点でも先発ローテーションに入れてもある程度やっていけそうな印象を受けます(今季前半のボールならば佐藤と非常に相性が良いかも^^;)。

選手評価:B※左(最終学年で花開き、左腕枠にも合致)






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最終更新日  2024.11.12 00:37:07
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