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カテゴリ:音楽・歌謡曲・懐メロ
今日は、リュウちゃんです。
今回は、「少年ケニヤ」に関して、最初のブログで書いたものの、少し気に掛かっていた疑問点を「番外編」として書きます。 その疑問点とは、 果たしてリュウちゃんは、本当に就学前に「少年ケニヤ」を読んでいたのか? という点です。 そうだとすれば、リュウちゃんは、小学校に上がる前に、少なくとも、ひらがな、片仮名は読めていた事になります。 現在と違って、当時の田舎では、よほどお金持ちか教育熱心な家の子弟しか就学前に文字を学ぶなんて事はありませんでした。現にリュウちゃんも、就学前は面子、ビー玉、鬼ごっこなどの遊びに忙しく、学習塾へ行くなんて事は、夢にも考えられない生活を送っていました。 小学校一年生の国語に教科書の最初のページは、「ひろしさん、しろ、ゆたかさん、てるこさん」であった事をまるで昨日の出来事のように鮮明に記憶している事から考えますと、これが文字を習う初めての事だったのかも知れません。 しかし、この頃には「少年ケニヤ」に熱中していた、本当に小学一年生だったのかな?もう少し後だったのでは? リュウちゃんが「少年ケニヤ」を初めて読んだのは、忘れもしない、近所の少し年上の従兄が持っていたサンケイ児童文庫の第3巻です。表紙絵が、カバが大口を開けてワタルに迫る、ワタルは、マサイの長槍で応戦するという図。 「少年ケニヤ」が産業経済新聞で連載が始まったのが、昭和26年10月、リュウちゃん5歳と4ケ月、連載は、多分、丸三年、1200回近くに及んだ筈です。 連載に少し遅れて、サンケイ児童文庫の刊行が始まった筈です。 という事は、第3巻が刊行されたのは、多分昭和27年、リュウちゃん、幼稚園に通っていた頃(就学は、翌昭和28年の4月なのです) 段々判ってきました。リュウちゃんが従兄の家で初めて「少年ケニヤ」第3巻を手にしたのは、幼稚園に通っていた頃の事だったのです。 多分、この本を手にするまでは、リュウちゃんは文章をまともには読めなかった筈です。この本の挿絵が余りに素晴らしかったので、何とか工夫して、スラスラと読めるようになったのだと思います。 平仮名はもとより、片仮名(ワタル、ケート、ゼガ、センゲ、ワカギなど、登場人物は全て片仮名表記、漢字も全てルビは振られていましたが、かなり量が多く、小学校六年間で学ぶ量は優にあったと思います。 あっ、判ったぞ!、リュウちゃんが学校での勉強が嫌いだったにもかかわらず、国語の成績が良かったのは、「少年ケニヤ」のお陰だったのだ!「少年ケニヤ」が国語の教科書代わりだったのだ! 「少年ケニヤ」第3巻を従兄の家で読んだあと、暫く途絶えていましたが、次に従兄の家で読んだのが第7巻だったのです。第3巻の物語から、えらく物語りが進んでいるな、第4巻の怪獣が出てくるところを読みたいな、などと考えていましたが、従兄の家で読んだのは、この2冊のみ、矢も立ても堪らず、父に「ケニヤ買ってよー、買ってよー!」と強引におねだりしましたところ、第11巻から新刊が発売される度に、しぶしぶ買ってくれるようになりました。 「ケニヤ」の後に発売された「少年タイガー」は、全巻(11巻)買ってもらったのです。 「少年ケニヤ」の物語自体の疑問、 当時のケニヤ地方では、いろいろな部族が互いと交わることが無く、孤立した原始生活を送っているという設定にもかかわらず、言葉が共通なのは何故なのかな? →まあ、この問題を持ち出すと、物語自体が成り立たなくなりますので、リュウちゃんのような賢明な読者は、この点には目をつむるのです。 ワタルやケートの服装は、数年間に渡り、全く同じ、ワタルの上半身は、シャツの切れっぱしが僅かに残っているだけ、幼児期から少年期で、相当成長している筈なのに、また、ワラルの髪の毛は、いつも同じ長さ、床屋には行かない、 髪を切るハサミもありそうもない、にもかかわらず、いつも同じ長さなのです。 、また、マサイの大酋長ゼガは、老人ながら、いつも無精髭の無い、スッキリとした顔立ち、まるで、最近の映画「グラン・トリノ」のクリント・イーストウッドのよう、クリント・イーストウッドと違って、未開のアフリカでの放浪生活で、どうやって髭の処理をしていたのか? また、同じく放浪生活をしているワタルの父、村上大介は、愛用のライフル銃の弾をどこで調達していたのか? →これも、上記の言葉の問題と同じく、賢明な読者は深く追求しないのです。 以上のように、リュウちゃんが幼児期に読んだ「少年ケニヤ」は、第3巻、第7巻、第11~13卷(13卷で完結)、それと、もう少し後で手に入れた第1巻及び第5巻の計7冊だったのですが、30代の頃、サンケイ児童文庫の復刻版(全11巻)が発売されましたので、これを全巻購入、ここに至り、やっと憧れていた「少年ケニヤ」のミッシング・リングが繋がり、晴れて名実共に「ケニヤ」ファンの一員に名を連ねる事が出来たという訳です。 改めて全巻を読んで、気付いた事、 ほぼ同時代の作家、小松崎茂や手塚治虫などが、未来志向のロボットや戦艦など、メカを描き、当時の少年達に夢を与えたのとは反対に、山川 惣治は、この頃から急速に失われ始めた大自然の美しさ、動物達の肉体的躍動感など、過去指向の手法で少年達に夢を与えたのです。田舎育ちのリュウちゃんも、この「過去指向」によりハマったという訳です。 リュウちゃんの場合、この「過去指向」が、音楽的にも波及し、「懐メロ」指向に向かったのです。 また、多分この頃、研究が進み始めたジュラ期・白亜紀の恐竜が描きたかった。 リュウちゃんの知る限り、彼の絵物語で恐竜を見たのは、「少年王者」のプロントザウルスが最初ですが、このプロントザウルス、なんと肉食で凶暴なのです。 「少年ケニヤ」では、恐竜指向全開、肉食恐竜の王。ティラノザウルス大活躍、 「少年タイガー」でも、最終の第11巻で、ティラノザウルスを始め、陸・海・空の恐竜オン・パレード、この指向が昂じたのか、その後の「少年恐竜」では、全編恐竜だらけという作品になっていました。 スティーブン・スピルバークの映画「ジュラシック・パーク」を観ましたが、リュウちゃんのような山川 惣治の大ファンから見れば、「やっぱり山川さんの恐竜のほうが迫力があるな!」、でした。 スピルバーグさんは、「少年ケニヤ」を読んでいたのではないか?という点を2つ挙げます。 一つは、「少年ケニヤ」、旧サンケイ児童文庫第8巻冒頭、ワタルたちがマサヤ絶壁から逃れるべく、吊橋を渡る、吊橋が焼け落ち、その焼け落ちた吊橋のロープの端に掴まり、かろうじて脱出に成功する場面、 この場面、「インディー・ジョーンズ」の2作目、「魔宮の伝説」のラストのクライマックス・シーンと同じ、 もう一つは、「少年ケニヤ」第11巻後半、草原が火事になり、大量の動物が逃げまどう。それに巻き込まれない為に、草原にある大きな倒木の影に身を隠し、難を逃れる、この場面、「ジュラシック・パーク1」に同じようなシーンがありました。 スピルバーグと山川 惣治の関連を指摘したのは、これが初めての筈、リュウちゃん、少しこの発見にワクワクなのです。 そんな事有り得ない?という声も聞こえて来そうですが、 ハリウッドの巨匠達は、我々が想像している以上に、徹底的に考証するのです。 少し以前、ビックリしたのは、クエンティン・タランティーノの「キル・ビル1」、クライマックスのユマ・サーマン大立ち回りの後に、何と、梶芽衣子の「修羅の花」が流れる!この歌、懐メロ大好きなリュウちゃんの秘曲! それまで、ほとんど忘れられていた歌をアメリカ映画の監督が使う、ハリウッドの考証はここまで徹底しているのです。スピルバーグが「少年ケニヤ」を読んでいても、ちっとも不思議ではないのです。 あっ、このブログのテーマは「懐メロ」でしたね、 「少年ケニヤ」ではワタルはたて笛を持っていて、食事の後などに、スコットランド民謡(だったか?)の「故郷の空」を吹くのです。 大蛇ダーナのかま首にまたがり、たて笛で「故郷の空」を吹きながら、ケニヤの鬱蒼としたジャングルの上を悠然と滑って行くワタルの姿が、今も瞼の奥に焼きついているリュウちゃんなのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年06月22日 09時55分54秒
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