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リュウちゃんの懐メロ人生

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2009年10月21日
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大正3年に発表された歌曲に「ふるさとの」という歌があります。歌詞は以下の通り(詞:三木露風)

ふるさとの 小野の木立に
笛の音(ね)の うるむ月夜や
少女子(おとめご)は あつき心に
そをば聞き 涙ながしき
十年(ととせ)経ぬ 同じ心に
君泣くや 母となりても

この歌、舟木一夫さんの「夕笛」(詞:西条八十、曲:船村徹)の原型になった曲ですね、念の為、「夕笛」の歌詞も全部以下に挙げます。

ふるさとの 青い月夜に 流れくる笛の音(ね)きいて
君泣けば 私も泣いた 初恋のゆめのふるさと
おさげ髪 きみは十三 春くれば 乙女椿を
きみ摘んで うかべた小川 おもいでは 花のよこがお
ふるさとへ いつの日かえる 屋敷町 ふるいあの町
月の夜を ながれる笛に きみ泣くや 妻となりても
ああ花も恋もかえらず ながれゆく きみの夕笛

今回の本題は、オリジナルの「ふるさとの」のメロディです。

この歌の最初のメロディは、以下のようです。
ミー↑ミードシードラミー、↑ミドーシラードーシドラー
ふー るーさとーーーのー おのーのこだーちーにー

ここで、↑は、1オクターブ上にあがるという事、この歌の冒頭の旋律で、低い「ミ」音から、いきなり1オクターブ高い「ミ」音に上がる、
いろいろと調べてみますと、歌謡曲の創成期の歌には、この「ふるさとの」のように、低い「ミ」音から、いきなり1オクターブ高い「ミ」音に上がるメロディを持った歌が多いという事に、リュウちゃん、気が付きました。
「ミ」から「↑ミ」へ上がるメロディの歌、リュウちゃん、このような歌を「ミミ(耳)の歌」と勝手に命名致しました。

以下は「耳の歌」を巡るお話です。

「ふるさとの」の次の「耳の歌」は、大正7年に発表された「宵待草」です。この曲(作曲:多忠亮・おおの ただすけ)と詞(作詞:竹久夢二)の冒頭は以下のようです。

ミー↑ミードーシーラーファーミミレドしドレミー
まー てーどーくーらーせーどこーーぬひーーとーをー

この歌は、最初の4つの音が「ふるさとの」と同じ、詞の内容も、やるせない恋の歌で、「ふるさとの」と共通した詩想を感じます。念の為、1番の歌詞を以下に挙げておきます。

待てど暮らせど 来ぬ人を
宵待草の やるせなさ
今宵は月も 出ぬそうな

この歌は、夢二の死後、映画「宵待草」の主題歌として、高峰三枝子が吹き込みました。元々は歌謡曲というより、歌曲というべき曲ですが、高峰さんの吹き込みにより、立派な歌謡曲となりました。

「宵待草」の次に来る「耳の歌」は、歌謡曲の創成期(1)で書きました佐藤千夜子さんの「愛して頂戴」です。歌詞は以前のブログで挙げましたので、ここでは冒頭のメロディ(作曲:中山晋平)と歌詞(詞:西条八十)を挙げます。

ミー↑ミードーシーラーファーミーラーシラファーミラシー
ひーとーめーみーたーとーきー  すーきになったのよー

何と、最初7つの音が「宵待草」と同じです。作曲者の中山晋平さんは、当然、「ふるさとの」や、「宵待草」を知っていた筈です。これが現代ならば、当然、盗作騒ぎになりますよね、しかし、何しろ歌謡曲創生の時代、この辺はおおらかだったのかも知れません。(以前のブログでは、この曲のタイトルを「愛して頂戴ね」と書きましたが、「愛して頂戴」が正しいようです)

「ふるさとの」、「宵待草」、「愛して頂戴」の3曲の「耳の歌」を皮切りに、歌謡曲の創成期から黄金期にかけて、多くの「耳の歌」が生まれました。
リュウちゃんが気付いた「耳の歌」を、以下に挙げて見ます。

● 三百六十五夜(詞:西条八十、曲:古賀政男、歌唱:霧島昇・松原操)
ミーミ↑ミーミドードシラーシーラシファラーレミファミー
みーどりーの かーみーーにー おおくーれげーがー

● 月よりの使者(詞:佐伯孝夫、曲:佐々木俊一、歌唱:竹山逸郎・藤原亮子)
ミーミ↑ミーミドシラシラードミファラーファミドーミー
しーらかーば ゆーれーるーこーーげーんーーーにー

● 水色のワルツ(詞:藤浦 洸、曲:高木東六、歌唱:二葉あき子)
ミー↑ミーミーレーファーミーシレドラーミー↑ミーミーラーミーファー
 きーみーにー あーうー うーれしさのーむーねーにーふーかーくー

● 白鳥の歌(詞:若山牧水、曲:古関裕而、歌唱:藤山一郎)
ミ-↑ミーファレミー↓ミミドーミシラシー
 しーらー とりはー  かなしーからずやー

● 天草の雨は(詞:藤浦 洸、曲:古関裕而、歌唱:藤山一郎)
ミ↑ミードシラーシラファーラシラミー
あーまーくさのーあめはーさびしやー

● 津軽のふるさと(詞・曲:米山正夫、歌唱:美空ひばり)
ミミ↑ミードシラドシラミーミミドーレドーシドラー
 りんごー  のーふるさとはーきたぐーにのーはーてー

あと、冒頭ではありませんが、第2節と最終節の二箇所が「耳の歌」になってる曲があります。リュウちゃんの大好きな奈良光枝さんの曲です。

●雨の夜汽車(詞:西条八十、曲:古賀政男、歌唱:奈良光枝)
(第2節)ミミミ↑ミーレドーシレドシ ラファミレー♯レミードーシラー
     なぜにみーに しーーーーむ なみだーーーーーを さーそうー
(最終節)ドラドミー↑ミードーシラー
     たびーをー- ゆーくー

あと、リュウちゃんが高校時代に合唱で歌った曲を1曲挙げます。リュウちゃんの青春時代の甘い思い出がいっぱい詰まっている曲です。佐藤春夫の詞は、谷崎潤一郎の夫人、千代子との恋愛に関連するもののようです。

●秋の女(おみな)よ(詞:佐藤春夫、曲:大中恩)
ミー↑ミードラーミーファレミーミラドシー
なーきーぬれーてー あきのーおみなよー

ここまで挙げました「耳の歌」の特徴といいますと、何といいましてもクラシックの歌曲のような楷書体の格調があることだと思います。曲の冒頭で、いきなり1オクターブ音を上げることは、歌手にとってもかなりな負担で、相当な声量と歌唱の基本がしっかりしていないと、歌にならない可能性があります。
ましてや、歌謡曲の創成期のマイクロフォンの性能は、現代と比べて貧弱であった為、このような音の跳躍は、歌手にとっても、かなり大変だった筈ですよね、このあたりからも、創成期の歌手の殆どが音大卒である必要性があったのではないかと想像されます。

以下は、比較的最近の「耳の歌」です。

●君は心の妻だから(詞:なかにし礼、曲:鶴岡雅義、歌唱:鶴岡雅義と東京ロマンチカ)
ミー↑ミーミファーミドシラー↑ラーラファミドーシーラーミー
あーいーしなーがらーもー  さーだめに  まーーけーてー

ヴォーカルの三條正人さんの歌唱は甘く、端正ですね。

●津軽の花(詞:麻こよみ、曲:岡千秋、歌唱:原田悠里)
ミーミーミミ↑ミミミファミドシラー
ふーゆーのさむさにたえてこそー

原田悠里さんは最近の演歌歌手には珍しく、鹿児島大学教育音楽科卒、本来はクラシックの歌手なのです。

●夢芝居(詞・曲:小椋佳、歌唱:梅沢富美男)
ミファーミー↑ミーレミーレードーシドシーラー
こいーのー かーらくーりーゆーめしーばーいー

実はリュウちゃん、最近(でもないか?)の男性歌手の中では、小椋佳さんがベスト・シンガーなのです。この歌は梅沢富美男の為に作られた曲ですが、小椋さん本人がカヴァーした録音が実に素晴らしい!リュウちゃん、実は、ひばりちゃんの、「愛燦々」も小椋さんの歌唱のほうがずっと素晴らしい!と思っています。

さて「耳の歌」の大トリです。

●雪(詞・曲・歌唱:中島みゆき)
ミー↑ミーミレドドシラドーシファーミー↑レーレドシシラ♯ソラーミドー
ゆーきー きがつけばいつーしかー なーぜーこんなよるにふーるのー

中島みゆきさん、現在、リュウちゃん最愛のシンガー・ソングライター、全て自分の作詞・作曲・歌唱の曲が、現在、美空ひばりちゃんの全オリジナル曲517曲を超えようとしている、正に、質・量共に、明治以来、日本が生んだ最大・最高の音楽家です。リュウちゃんがカラオケで歌った歌の数も、ひばりちゃんの歌の数を超えようとしているのです。

「雪」は、昭和56年に発表した彼女の9枚目のアルバム「臨月」に入っている曲です。シングル曲ではありませんので、あまり馴染みのない方も多いかと思いますが、美しいピアノ・ソロのイントロから、一度聴いたら、忘れられない深い印象を心に残す曲です。詞は、みゆきさんの父上の死に関連する内容のようで、その実体験の裏付けが、この曲にリアリティを与えているようです。

大正3年(1914年)の「ふるさとの」から出発したリュウちゃんの「耳の歌」の旅は、それから67年を経た中島みゆきさんの「雪」で、旅程を終了させて頂きます。

尚、リュウちゃん流ドレミ譜は、リュウちゃんの頭の中にあるメロディを譜にしたもので、オリジナルの楽譜と少し違っている可能性があります。若し間違いがありましたら、コメント欄でご指摘下さい。
宜しくお願い致します。





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最終更新日  2009年10月21日 21時42分56秒
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