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リュウちゃんの懐メロ人生

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2011年02月02日
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カテゴリ:日本映画(邦画)

「AIIWAYS~三丁目の夕日」から6年、
堀北真希、「白夜行」で花開く

byakuyakou04.jpg
(堀北真希)


先週の日曜日に、今話題の映画「白夜行」を観て来ました。
以下は予告編です。



リュウちゃん、現在は糖尿病性網膜症の為、長編小説は全く読めないのですが、発症する前は、日本のミステリー小説を中心に、年間500冊くらいの本を読んでいました。

ミステリー小説は少年時代から大好きで、日本の作品も江戸川乱歩から始まり、小栗虫太郎、高木彬光、横溝正史、松本清張、森村誠一などを乱読していましたが、昭和63年、宝島社から年末に発売され始めた「このミステリーがすごい」の影響を受け、読むミステリーの幅もぐっと拡がったのです。

平成元年から、網膜症発症で本が読めなくなった平成15年頃までに、愛読した作家名を以下に挙げて見ます。

島田荘司、宮部みゆき、連城三紀彦、岡嶋二人(井上夢人)、小池真理子、北村薫、高村薫、恩田陸、加納朋子、真保裕一、桐野夏生、篠田節子、乙一、諸田玲子、光原百合、貫井徳郎、、、そして

東野圭吾

東野圭吾の小説を初めて読みましたのは、多分平成11年の「秘密」からです。この小説は、広末涼子主演で映画化されましたので、御存知の方も多いと思います。

「白夜行」は「秘密」の翌年、平成11年にハードカバーが出版された直後に読み、ほとほと感嘆致しました。

この小説は、これまで読んだ日本のミステリーの中で、最高傑作だ!

ドストエフスキーの「罪と罰」、マーガレット・ミッチェルの「風と共に去りぬ」、水上勉の「飢餓海峡」、松本清張の「砂の器」が渾然一体となって大河のように流れ込んだような作品だ!


集英社から刊行された単行本は512ページ(文庫本は864ページ)という大長編にして大河ミステリー、おおまかな構成は以下の3部になります。

第1部・大河の源流)大阪、近鉄布施駅付近の廃墟で質屋の主人が殺される。様々な人物が交錯するが、結局、事件は迷宮入り、この事件を担当した笹垣刑事(映画では船越英一郎)は、事件の本部解散後も、ずっとこの事件を追及していく。

(第2部・大河の二つの支流)この物語の二人の主人公・桐原亮司(映画は高良 健吾)と西本雪穂(美少女!・堀北真希)の成長していく様子が全く別個に、交錯することなく描かれる。

(第3部・二つの支流が合流)第1部と第2部は最初は全く別々の話のように見えたが、第3部では怒涛の如く合流、驚異の結末を迎える。

小説では、第1部と第2部の関連が、物語の真ん中あたりまで五里霧中、しかし、それ以後、徐々に霧が晴れてゆき、異様な構想力に惹きつけられて、物語の後半からは息つく間もない面白さの中で最後にこの物語の全貌が明らかになるのですが、最後の最後でまた大ドンデン返し、読了後の脱力感の中で、人間の業の深さについて改めて考えさせられました。

今回の映画は、以上の小説の構成を、ほぼそのまま映画化、小説を読んでいない方にとりましては、(第2部)の部分がやや判り難いのではないかと思われましたが、約2時間半の映画で、あの大河ミステリー小説をよく映像化出来たものだと感嘆致しました。小説もそうですが、全体に観客を突き放すような乾いた語り口の作品で、涙脆いリュウちゃんも、この映画では泣かないだどうと思って観ていましたが、最後のシーン近くで、不覚にも涙ボロボロになってしまいました。

リュウちゃんは大体、映画は女優さんを観るのが大きな楽しみなので、今回は堀北真希を楽しみにしていました。堀北真希は、平成17年公開の映画「AIIWAYS~三丁目の夕日」で、青森から集団就職で上京した元気な女の子「六ちゃん」の演技で、いっぺんにファンになりました。この時は「真希ちゃん」というべき存在でしたが。今回の「白夜行」では、ものの見事に大変身、影のある美少女役を好演していました。

「堀北真希ちゃん」から、「堀北真希様」への変身

、リュウちゃん、これからの「真希様」から目が離せないのであります。

例によりまして、関連する音楽をUPしました。


「夜想曲」歌)珠妃
映画「白夜行」のエンディングに流れる主題歌です。



エルガー「愛の挨拶」(ヴァイオリン)千住真理子
映画の中で、雪穂の義妹がヴァイオリンで奏でる曲です。


「二隻(にそう)の舟」(歌)中島みゆき


この歌はみゆきさんの「夜会1990」で発表され、その後、1992年のアルバム「EAST ASIA」に収録されました。歌詞の一部を以下に挙げます。

おまえとわたしは たとえば二隻の舟
暗い海を渡ってゆく ひとつひとつの舟
互いの姿は波に隔てられても
同じ歌を歌いながらゆく 二隻の舟
  時流を泳ぐ海鳥たちは
  むごい摂理をささやくばかり
  いつかちぎれる絆見たさに
  高く高く高く

敢えなくわたしが 波に砕ける日には
どこかでおまえの舟が かすかにきしむだろう

リュウちゃん、「白夜行」の原作を読んだ時から、若しこの小説が映画化されるのであれば、主題歌は絶対この曲だなと考えていました。
世間の暗闇の荒波を別々に航行して行く二人は、まさに「二隻の舟」。
二人の来し方・行く手に待つのは
「むごい摂理」

でも、あえなく彼が波に砕けた日、彼女の船はピクリとも軋まなかったのです!






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最終更新日  2011年02月02日 08時05分47秒
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