東日本巨大地震で被災された皆様、謹んでお見舞い申し上げます。
3月11日に発生した東日本巨大地震から早くも一週間は経過しようとしています。3月17日付け朝日新聞の朝刊によりますと、この大震災の死者は、5167人以上、行方不明者16414人以上、避難者40万人強、まだこの数は大きく動く可能性があります。
また、福島第一原子力発電所の事故で、原発の場所から半径20キロの区域の住民に避難指示が出て、ここからの避難者は10万人近くに上っています。
この原発事故は日を追うにつれて危機が高まり、最悪の大事故になる懸念は予断を許さない状況です。
目下のところ、行方不明者の捜索と共に、避難者のケアが急務となっていますが、ライフラインがズタズタに切断されている中での救援活動は困難を極めています。
水、食料、、衣類、寝具、トイレ、燃料などの生活必需品が決定的に不足しています。それらの生活必需品を搬入しようとする動きも各地で始まっていますが、避難者の数が圧倒的に多いのと、道路の寸断などで、充分な援助活動が出来ず、避難者は引き続き困難な生活を余儀なくされています。
避難生活が長期化するにつれて、衛生面でも危機的な状況が迫りつつあります。
水不足で、顔も洗えない、洗濯も出来ない、風呂にも入れない。トイレも流せない、赤ちゃんに飲ませる粉ミルクも沸騰したお湯に溶かせない、、、
3月16日、群馬県沼田市に住む娘からリュウちゃんに長いメールが届きました。
娘は前回のブログで少し紹介しましたが、4歳と1歳の女の子の母親です。以下にそのメールの全文をほぼそのまま紹介させて頂きます。
こちらは停電区域から除外されているので
今の所生活に不便はありません。
ただ、ガソリンスタンドが閉店や限定しての販売により
ガソリンを調達できずにいます。
無駄に動かず、じっと騒動が過ぎるのを待つのみ。
こちらのスーパーでもカップ麺や水の買占めが起こっており、
とても情けない思いです。沼田は停電しないのに。
さて、ブログ読みました。
原発もどうなるか分からないし不安が募りますが
今の所は個人個人が冷静な行動を取る必要があるかと思っています。
で、TVを見ると避難所で「母乳が出なくなった」『ミルクが足りない」という声があります。
となると、救援物資としてミルクを!となりがちなんだけど
ミルクというのは清潔な水に、それを沸かす燃料、清潔な器具が必要です。
特にお湯は、『煮沸してから70度以上』のお湯が必要です。
粉ミルクは殺菌されていません。牛乳は殺菌されているけど、
粉乳は殺菌する技術はないので、感染症を起こす菌を死滅させる必要があります。
ミルク育児というのは、世界中でも日本のような先進国などの
ごく一部の恵まれた環境でしか適さない方法なのです。
避難所のように清潔を保てる水も燃料も器具も足りない場合、
最悪の場合は赤ちゃんの健康被害につながります。
ショックやストレスで一時的に母乳が足りなくなることはあっても
すぐに足りるようになるので、適切な情報で安心させてあげることが大切です。
そこで、ブログに以下の情報をUPしてくれないかな??
下記は母乳育児を続けるための呼びかけ文です。
内容を改変しない限り、転載・転送は自由となっています。
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★★★地震や水害にあった母乳育児中のお母さんへ★★★
○母乳育児中のお母さんは母乳育児を続けましょう
このような状況で母乳育児を続けることはとても重要です。母乳育児は赤ちゃんの命を救います。母乳育児は完全無欠の栄養を赤ちゃんに与えます。さらに、母乳の中の感染防御因子が、非常事態で流行する可能性のある下痢や呼吸器感染から赤ちゃんを守ります。一方、安全な水や、お湯を沸かす燃料のない場所での人工乳の使用は、栄養不良、疾病、乳児死亡のリスクを高めます。母乳育児を続けることで、お母さんも子どもも慰められ、心の支えが得られます。
○ストレスで母乳が干上がることはありません!
極度のストレスや恐怖で一時的に母乳の出が悪くなることはあっても、それは一過性のものです。母乳育児をすると、お母さんも子どもも落ち着き、実際に緊張が和らぐようなホルモンがつくられるという医学的根拠が証明されつつあります。一時的に出が悪くなっても、赤ちゃんが欲しがるたびに欲しがるだけあげているとまた母乳は出てくるようになります。
○栄養状態のよくないお母さんの母乳にも、完全な栄養が含まれています!
母乳の栄養はいつでも完全です。お母さんが深刻な栄養失調にかかったときのみ、母乳の量が減ります。とはいえ、災害時は授乳中のお母さんが十分な栄養をとれるよう、人工乳の配給よりも、お母さんのための食べ物や飲み物を優先的に確保するようにしましょう。お母さん自身が少しでも体を休めてリラックスし、きちんと食べて十分な水分を取るように気をつければ、母乳の出をよくすることができます。
○下痢の赤ちゃんでも母乳は続けられます!
母乳の中には免疫が含まれています。母乳で育てられていて、極度に下痢をしている赤ちゃんで、脱水症状がある場合は、医療を受ける必要があります。その場合も、母乳育児はやめたり減らしたりするべきではありません。非常事態では水が汚染されることが多く、哺乳びんやおしゃぶりも汚染されていることが多いので、注意が必要です。母乳だけで育っている赤ちゃんにおしゃぶりは必要ありません。
○一度は母乳育児をあきらめた人も、必ず再開できます!
母乳復帰の方法を用いれば、お母さんが母乳育児を再開することは可能です。母乳復帰をすれば、非常事態において、生命を救う栄養と免疫面での恩恵が得られます。これまで混合で、人工乳をたくさん飲ませていたお母さんも、授乳の回数を増やし、赤ちゃんに何度も吸ってもらうようにすれば、母乳の量を増やすことができます。
○母乳が足りないのではないかと思ったら、便や尿を確認しましょう
月満ちて生まれた健康な赤ちゃんは、生後3,4日ころから1日に6-8回の尿をします(紙おむつなら5-6枚)。生後6-8週間くらいまでは、1日に3-5回の便がでます。欲しがるだけ欲しがるたびに乳房を含ませましょう。新生児は1日8ー12回飲むのが平均ですが、もっと飲む赤ちゃんもいます。赤ちゃんが欲しがるたびに授乳できていて、赤ちゃんの肌の色つやがよく手足をよく動かしていて、 いつものように便や尿が出ていれば大丈夫です。
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2004年10月30日作成:
■■災害時の母と子の育児支援 共同特別委員会■■
★日本ラクテーション・コンサルタント協会 (JALC)
★ラ・レーチェ・リーグ(LLL)日本
★母乳育児支援ネットワーク日本(BSNJapan)
●なお、日本ラクテーション・コンサルタント協会とラ・レーチェ・リーグ日本では、被災された方のために無料で母乳育児相談に乗っています。
■■問い合わせ■■
(援助者向き):info@jalc-net.jp (日本ラクテーション・コンサルタント協会)
(被災されたお母さん専用):hisai_support@llljapan.org (ラ・レーチェ・リーグ日本)
シューベルト「アヴェ・マリア」
(歌唱)バーバラ・ボニー(ソプラノ)
被災された皆様、元気を出して下さい!