ジグゾー・パズルの断片のような膨大な原発事故情報、
それをを組み合わせ炙り出される日本の未来は?
3月11日の巨大地震発生から約一ヶ月が経過しました。412日現在の死亡者数1万3千130人、行方不明者数1万3千718人(朝日新聞、4月12日朝刊)、
但し、未だに町ぐるみ津波に流されたところの被害は殆んど全容が判らず、実際の行方不明者数はまだまだ増えると考えられています。
(1) 最大余震はまだ来ていない?
3月11日の巨大地震以後、大きな余震が頻発しています。現在のところ、最大余震は4月7日に宮城県沖で発生したマグニチュード7,4の地震ですが、11日にも福島県浜通りを震源とするM7,0の余震が発生しました。果して4月7日の余震は最大余震だったのでしょうか?
参考の為に、2004年12月に発生し、津波と併せて数十万人の犠牲者を出したスマトラ沖大地震(M9,3)の巨大余震を以下に列挙します。
★ 2005年3月、M8,6(2004年の巨大地震から約250キロ離れた震源地で発生、余震ではないとする説もあります)
★ 2007年9月、M8,5
★ 2010年4月、M7,8
★ 2010年10月、M7,7
私達素人にとりましては、マグニチュード9,0といわれても、それがどれ位のエネルギーなのかピンと来ないので、ここでTNT火薬の換算したものをまとめておきます。
マグニチュード5,5=TNT2600トン=広島原爆のエネルギー。マグニチュード7,5=TNT260万トン=広島原爆の1000倍、マグニチュード8,0=TNT1500万トン、マグニチュード8,5=TNT8400万トン、マグニチュード9,0=TNT4億8000万トン=広島原爆の18万5千倍)
スマトラ沖大地震の巨大余震から類推しますと、相当高い確率で今後マグニチュード8以上の巨大余震が発生する可能性があるものと考えられます。
(2)原発大事故の行方
この巨大地震からの復興に大きな影を落としているのが福島第1原発の大事故です。
政府は原発大事故発生直後の3月12日に原発から半径20キロ以内の自治体に避難指示を発令、対象となる自治体は2市5町2村、対象住民は十数万人、
更に4月11日、政府は原発から20キロ圏外の飯舘村など5市町村を新たに計画避難区域に指定しました。
(3) 経済産業省:東電のズブズブの深い関係
経済産業省資源エネルギー庁が3月末に発行した広報誌季刊「Enelogy(エネロジー)」) で「“信頼の上”に高齢化を迎える原子力発電」との見出しで、第1原発の立地町である福島県大熊町の住民も参加した座談会の記事を、4ページにわたって掲載。「町民の多くは、原子力がなくなってしまっては働く場もなくなるので困る」などという住民の発言が紹介されているそうです。
資源エネルギー庁原子力発電立地対策・広報室の担当者は「震災後、会議を開いて中身を検討したが、一般の住民には届かないので問題ないと判断した」としているようですが、このコメントにこそ、国や東電の国民軽視の体質が如実に表れていると思います。
日本共産党の 塩川鉄也衆院議員の調べによれば、東電副社長が原発推進官庁である経済産業省(旧通商産業省)幹部の 「天下り」指定席になっているそうです。
最近では今年1月に資源エネルギー庁長官だった石田徹氏が東京電力の顧問に天下っています。
国家と東電はズブズブの関係で、国民の「原子力がなければ、経済的に豊かな生活が出来ない」という弱みに付け込んで、原発の本当の危険性に目をつぶり、やりたい放題をやってきたのですね、
(4)レベル7からレベル8へ!
4月12日、政府は東京電力の福島第1原子力発電所の事故で、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、国際的な基準に基づく事故の評価を、最悪の「レベル7」に引き上げることを決めました。「レベル7」は、旧ソビエトで25年前の1986年に起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価です。
しかし、チェルノブイリでは、炉心が大爆発を起して、そこにあった放射線物質が全て地上に四散した結果の「レベル7」、福島第1原発は、まだ炉心の大爆発を起していない中での「レベル7」、今後、万一にもチェルノブイリのような大爆発が起きれば、「深刻な事故」である「レベル7」では止まらず、この国際原子力事象評価尺度(INES)でも想定されていない「レベル8」つまり「破滅的な大事故」(これ、リュウちゃんの造語です)になる可能性も、万一ではなく、かなり高い確率で残されているといわざるを得ません。
(5)原発の廃炉には100年かかる?
英国の科学専門誌「ネイチャー」の4月11日付け電子版では、米スリーマイル島原発事故を経験した専門家の意見を掲載しています。それによれば「「福島第1原発の廃炉や敷地の除染などには、数十年から100年かかる可能性がある」
4月13日、菅首相は、松本健一内閣官房参与と首相官邸で会い、放射能漏れ事故を起こした福島第1原発周辺の避難区域について 、「そこに当面住めないだろう。10年住めないのか、 20年住めないのか、ということになってくる」との認識を示し、後でその認識を否定したようですが、上記「ネイチャー」誌の記事を重ね合わせますと、この認識は本音だったと思われます。
20年どころか、100年住めない可能性もあるのかも知れません。
福島第1原発の6万トンもの高濃度汚染水は本当に流出防止が出来るのか?
流出防止が出来たとしても、その最終処理はどうするのか?
新聞やテレビで日々報道されている膨大な情報をジグゾーパズルのように組み合わせますと、透かし出される日本の未来は限りなく悲観的にならざるを得ません、
次回は「最悪の事態」について、リュウちゃんの考えるところを書いてみたいと思っています。
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これまでの原発事故の推移、政府・東電の対応を見ていますと、やはり平井憲夫氏の告発文「原発がどんなものか知ってほしい」は、この事態を予知していたように思われます。改めましてこの告発文が日本人の常識となるべく、これから暫くはリュウちゃんのブログにURLを貼り付け続けます。
http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html#page1
尚、3月17日の拙ブログ「東日本巨大地震(2)~群馬の娘からの災害時の母と子の育児支援についてのメール」には、多数の熱い賛同のコメントを頂き感謝しています。皆様、どうも有難う御座いました。
先日、娘のボランティア活動に関しまして、ユニセフより以下の声明文が出ましたので、ここにURLを貼り付けます。引き続き被災者の皆様は苦難の日々が続きます。この難局をどうか無事に乗り切って頂きたいと切望するばかりです。
http://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_0406.htm
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4月10日に撮影した「法隆寺の桜」です。
「さくらさくら」
(歌唱)ひばり児童合唱団
http://youtu.be/o5Dc849c368
「桜ららら」
(歌)中島みゆき
http://youtu.be/t4ktfH2df3s
「さくら」
(歌)森山直太郎
http://youtu.be/nH1991y1LtU