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テーマ:福島第1原発の大事故(67)
カテゴリ:時事問題
2度目の大きな核の被害 核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった。
6月9日、スペイン・カタルーニャ自治州政府は人文科学分野で功績のあった人物に贈られるカタルーニャ賞をノーベル文学賞候補作家の村上春樹氏に授与しました。
村上さんは、この授賞式に於いて、下記URL1~4のように約24分の日本語によるスピーチを行いました。普段メディアに殆んど登場しない村上さんのスピーチは、講演慣れした評論家や学者のそれとは違って、訥々とした語り口のものでしたが、非常な感動を与えるスピーチとなりました。
(カタルーニャ賞受賞スピーチ1/4)
(カタルーニャ賞受賞スピーチ2/4)
(カタルーニャ賞受賞スピーチ3/4)
(カタルーニャ賞受賞スピーチ4/4)
6月10日のテレビのニュース枠や、夕刊各紙で、このスピーチの一部が紹介されていますが、リュウちゃんはもう一度このスピーチの内容を自分の心に落とすために、核心となる部分をスピーチの流れに従い、以下に抄述してみました(このブログをお読み頂く皆様は、是非下記受賞スピーチの全文をお読み頂き、皆様の心の中にこのスピーチを落とし込んで頂きたいと思います)
http://mainichi.jp/enta/art/news/20110611k0000m040017000c.html
(村上春樹のカタルーニャ賞授賞式のスピーチ・リュウちゃん版抄述)
僕が語っているのは、具体的に言えば、福島の原子力発電所のことです。 十万に及ぶ数の人々が、原子力発電所の周辺地域から立ち退きを余儀なくされました。そこに住んでいた人々はもう二度と、その地に戻れないかもしれません。
なぜこのような悲惨な事態がもたらされたのか、その原因はほぼ明らかです。、何百年かに一度あるかないかという大津波のために、大金を投資するのは、営利企業の歓迎するところではなかったからです。
また原子力発電所の安全対策を厳しく管理するべき政府も、原子力政策を推し進めるために、その安全基準のレベルを下げていた節が見受けられます。
その過ちのために、少なくとも十万を超える数の人々が、土地を捨て、生活を変えることを余儀なくされたのです。我々は腹を立てなくてはならない。当然のことです
しかしそれと同時に我々は、そのような歪んだ構造の存在をこれまで許してきた、あるいは黙認してきた我々自身をも、糾弾しなくてはならないでしょう。今回の事態は、我々の倫理や規範に深くかかわる問題であるからです。
ご存じのように、我々日本人は歴史上唯一、核爆弾を投下された経験を持つ国民です。1945年8月、広島と長崎という二つの都市に、米軍の爆撃機によって原子爆弾が投下され、合わせて20万を超す人命が失われました。
広島にある原爆死没者慰霊碑にはこのような言葉が刻まれています。 「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」
核という圧倒的な力の前では、我々は誰しも被害者であり、また加害者でもあるのです。その力の脅威にさらされているという点においては、我々はすべて被害者でありますし、その力を引き出したという点においては、またその力の行使を防げなかったという点においては、我々はすべて加害者でもあります。
福島第一原発の大事故は、日本人が歴史上体験する、二度目の大きな核の被害ですが、今回は誰かに爆弾を落とされたわけではありません。我々日本人自身がそのお膳立てをし、自らの手で過ちを犯し、我々自身の国土を損ない、我々自身の生活を破壊しているのです。
何故そんなことになったのか? 理由は簡単です。 「効率」です。
原子炉は効率が良い発電システムであると、電力会社は主張します。また日本政府は、原子力発電を国策として推し進めるようになりました。電力会社は膨大な金を宣伝費としてばらまき、メディアを買収し、原子力発電はどこまでも安全だという幻想を国民に植え付けてきました。
そうなるともうあと戻りはできません。原子力発電に危惧を抱く人々に対しては「じゃああなたは電気が足りなくてもいいんですね」という脅しのような質問が向けられます。国民の間にも「原発に頼るのも、まあ仕方ないか」という気分が広がります。原発に疑問を呈する人々には、「非現実的な夢想家」というレッテルが貼られていきます。
しかし、効率的であったはずの原子炉は、今や地獄の蓋を開けてしまったかのような、無惨な状態に陥っています。それが現実です。
我々は技術力を結集し、持てる叡智を結集し、社会資本を注ぎ込み、原子力発電に代わる有効なエネルギー開発を、国家レベルで追求すべきだったのです。たとえ世界中が「原子力ほど効率の良いエネルギーはない。それを使わない日本人は馬鹿だ」とあざ笑ったとしても、我々は原爆体験によって植え付けられた、核に対するアレルギーを、妥協することなく持ち続けるべきだった。核を使わないエネルギーの開発を、日本の戦後の歩みの、中心命題に据えるべきだったのです。
我々は夢を見ることを恐れてはなりません。そして我々の足取りを、「効率」や「便宜」という名前を持つ災厄の犬たちに追いつかせてはなりません。我々は力強い足取りで前に進んでいく「非現実的な夢想家」でなくてはならないのです。
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村上春樹は1949年1月京都生まれの作家、兵庫県立神戸高校~早稲田大学第1文学部映画演劇科卒業、在学当時からジャズ喫茶のアルバイト・経営者としてジャズにのめり込む。 1979年「風の歌を聴け」で、「群像」新人文学賞受賞。1987年の「ノルウェイの森」は単行本・文庫本併せて1000万部を越える大ベストセラーになった。 また、1990年以来、彼の作品は世界数十ヶ国で翻訳されている。2006年、オーベル文学賞の登竜門とも言われるフランツ・カフカ賞受賞、俄かにノーベル賞受賞の期待が高まった。 ーーーーー
カタルーニャ民謡[鳥の歌] (チェロ)パブロ・カザルス カタルーニャ出身の大チェリスト、パブロ・カザルスが第2次世界大戦終結の1945年頃から奏き始めた曲、この曲はカザルスの故郷カタルーニャへの思慕と平和への祈りが込められています。
リュウちゃんも[非現実的な夢想家]の端くれなのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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