リュウちゃんの懐メロ人生

政府が進めているエネルギー政策意見聴取会は、

前提がインチキだ！

政府は「2030年にどれだけ原発に依存するかというエネルギー政策」について、「国民の声を聞く意見聴取会（エネルギー政策意見聴取会）」を７月14日から全国11箇所で始めました。

政府は、2030年の原発の割合を、（１）「０％」。（２）「15％」、（３）「20～25％」、の３つの選択肢を作り、この中から18年後の2030年に目指すエネルギー政策を決定するそうです。14日のさいたま市の公聴会には、170人が参加し、（１）案～（３）案に各３人ずつ、計９人がそれぞれ10分づつ意見を述べ、枝野経産相が「エネルギーの選択を皆様の問題として考えて頂きたい」と話したそうです。

この３つの選択肢は、政府の国家戦略室直轄の機関である「エネルギー・環境会議」が今年の６月29日に提示したもので、断じて民間の第３者の意見を汲んだ案ではありません。その事を念頭に置き、３案をやや詳細に見てみますと、

（選択肢１）2030年までに原発依存を「０％」にする。

★    電源→火力65％、水力を含む自然エネルギー35％、

★    温室ガス排出量→-23％

★    電気代（現状を１とすると）→1,4～2,1.

★    GDPへの影響→８～36兆円減少、

★    使用済核燃料の処理→再利用せず地下に埋める。

（選択肢２）2030年までに原発依存を「15％」にする。

★    電源→火力55％、水力を含む自然エネルギー30％、原発15％

★    温室ガス排出量→-23％

★    電気代（現状を１とすると）→1,4～1,8.

★    GDPへの影響→2~30兆円減少、

★    使用済核燃料の処理→再利用または地下に埋める。

（選択肢３）2030年までに原発依存を「20~25％」にする。

★    電源→火力50％、水力を含む自然エネルギー25～30％、原発20～25％

★    温室ガス排出量→-25％

★    電気代（現状を１とすると）→1,2～1,8.

★    GDPへの影響→2~28兆円減少、

★    使用済核燃料の処理→再利用または地下に埋める。

皆様、この３つの選択肢を読んで、何かおかしいとは感じませんか？

そうです。この３つの選択肢の中には、国民の半数近くが願っている「今すぐ原発を止める」という選択肢がスッポリ抜けているのです。

３つの選択肢の中で、比較的ましだと考えられる「選択肢１」について、もう少し検討してみましょう。

先ず、「2030年までに原発依存を「０％」にする」ですが、この選択肢の裏には。

（選択肢１の裏）2030年までは大飯原発のみならず、柏崎・刈羽、伊方を始め、全ての既存原発は稼働させる。

ということが暗黙の了解事項として含まれていると考えられます。

皆様、「選択肢１」と「選択肢１の裏」には何の矛盾もない事を確認してみて下さい。

現在、大飯原発再稼働反対の静かなデモ、所謂、「あじさい革命」運動が首相官邸前を始め、全国各地で盛り上がって来ました。7月16日には、ノーベル賞作家・大江健三郎氏などの呼びかけで集まった「さよなら原発10万人集会」の会場の代々木公園に、何と17万人もの人々が集合しました。また、彼等が中心となって展開した「さよなら原発一千万人署名市民の会」が集めた原発反対の署名の数は、既に800万を超えているそうです（リュウちゃんも署名者の一人です）

反・原発者の一人として、リュウちゃんは声を大にして言います。

エネルギー政策意見聴取会の示した３つの選択肢は、全て原発の長期に渡る運転容認するものであり、インチキな選択肢である。

（以下。まやかしのエネルギー政策意見聴取会（下）に続きます）