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カテゴリ:時事問題
平城宮跡の地下埋蔵文化財が危険に晒されている 工事中止の署名活動で、平城宮跡を守ろう!
平城宮跡は1998年(平成10年)12月に「古都奈良の文化財」として東大寺などと共にユネスコの「世界文化遺産」として登録されました。
この頃の平城宮跡は、ユネスコの「「世界文化遺産」に登録される直前に復元された「朱雀門」があるだけの広大な草原でした。
何故、この草原が「世界文化遺産」に登録されたのか?
それは、この草原の地下に眠っている「埋蔵物」が人類共通の「文化遺産」であると世界に認定されたからです。つまり「埋蔵文化遺産」として平城宮跡が世界文化遺産に登録されたのです。
では、平城宮跡の「埋蔵文化財」とは何か?
それは、以下の写真のような「木簡」です。
「木簡」は短冊状の細長い木の板に墨で文字を書いたものです。日本初の歴史書と云われる「古事記」は奈良時代初期(712年)に編纂されましたが、これは「紙」に記された歴史書であったに違いありません(原本は存在していません)、しかし、奈良時代には紙は貴重品であった為、当時の役所の間で取り交わされた比較的短い文書は、殆ど木簡を使って行われたようです。紙による文書が殆ど全て失われてしまった奈良時代の歴史を知るには、木簡の研究が不可欠なのです。
「木簡」が注目されたのは、1961年(昭和36年)の平城宮跡で、40点もの木簡が大量出土されてからです。その後、現在のイトーヨーカ堂奈良店のある場所から出土した「長屋王家木簡」、二条大路木簡計11万点、平城京東南隅から13000点など、平城宮跡からは大量の木簡が出土しています。
日本で出土した木簡の殆どは、「水に浸かった土の中」から出土しています。 この事実は、適度に雨水が浸透した土壌が、奇跡的に1300年に渡って土壌に埋もれていた「木簡」を守ったと結論出来るのです、。
この事実から、 平城宮跡をコンクリートで固めてしまえば、雨水が地下に浸透しなくなり、土の中に眠る木簡(埋蔵文化財)を損ねてしまう恐れがあり、これはユネスコの世界文化遺産に認定された根拠の重大な改変であり、2009年の「ドレスデン/エルベ渓谷」に次いで、2番目の世界文化遺産の取り消しになる公算が充分にあるということになります.
冒頭の大極殿の前の広場の写真をご覧下さい。 ここの地面は、一面に砂利に覆われていて、草一本生えていません。砂利を少し掘ると、すぐに固い岩盤が現われます.この「岩盤」は、どうやら2010年の「奈良遷都1300年」に際し、イベント開催のためにコンクリートで固められてしまった「岩盤」のようです.
この「岩盤」に雨水が浸透しない事は、施工者の国交省もよく判っていたのでしょう、この広場には5本の「排水溝」が設置されているのです!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/35965
上記サイトは、10月16日に東京の参議院議員会館で行われた「平城宮跡埋め立て問題、国交省、文化庁との質疑応答と記者会見」の動画です。 (動画で向って右側の女性が、「平城宮跡を守る会」の代表の作家/寮美千子さん、一番右の白いスーツの男性が、奈良県選出の参議院議員の中村哲治氏(民主党→国民の生活が第一)です)
上記動画は、1時間27分と長いので、国交省、文化庁の役人の答弁は、「これが官僚の答弁の典型」と云える木で鼻を括ったような誤魔化しの答弁だと思いましたが、時間の無い方は、動画の1時間7分40秒あたりから始まる「記者会見」を観て頂きたいと思います.
以下、この記者会見での寮美千子さんの談話の印象的な部分を文字に起して見ます.
「(役人との質疑応答の感想)同じ日本語を話しているのに、言葉が通じない、心が通じない怪物のような存在だと感じた」
「(平城宮跡の草地は)雑草という考え方は、貧しい認識です。「種の多様性」は「豊さ」です.街の中にこれだけ豊な野原がある県庁所在地は奈良市以外にはありません.公園化されて芝生になっていたりしますが、芝生は同じ緑でも、生物多様性の観点から見れば、全く違うものです。自然の草原のままの「今」をないがしろにすることは、時代に逆行していると思います」
「歴史は勿論大切ですが、歴史と自然を両方満たすような新しいアイディアが今の時代には必要だと思います。自然を生かしつつ、かつ、歴史を堪能出来るような公園作りが大切だと思います。 何故、そういう発想に1ミリもならないのか?ということがとても不思議でした.」
「世界遺産に登録された時に、今回の整備計画は提出されています。しかし、整備計画の内容は提出されていません。平城宮跡がセメント舗装されることは、この整備計画には触れられていませんが、この整備計画込みで世界遺産に登録された.のです。 国交省、文化庁も「全く問題はない」と言っていますが、本当に問題がないのかという懸念があります。 奈良市が平城宮跡に作った大駐車場は、ユネスコから撤去勧告を受けているし、そこに更に新たな舗装面を作ることで、果たして本当にユネスコは黙認するのだろうか?ユネスコに公認される自信があるのなら、整備計画をきちんと報告すればいい.そうすれば、市民の心配も無くなるが、それをしないで大きな現状変更をするのでは、ユネスコが黙っていないだろう、きちんとユネスコに報告するべきだと思っています」
「裁判に訴えることも考えていますが、裁判は船に例えれば「帆」のようなもので、世論という風を受けて裁判の趨勢は動きます。今、世論の風が大きく吹いていることを肌で感じるので、裁判に訴えることは一縷の望みがあると思っています」
「11月11日(日)に工事現場を人の輪で囲む計画をしていますが、このような運動をするのは初めてのことなので、うまく出来るかは未定ですが、1000人も集まれば、この企画は実現可能だと思います.」
平城宮跡の工事現場を1000人の人の輪で囲む、 素晴らしいアイディアだと思います! その時にはリュウちゃんも老体に鞭打って平城宮跡に馳せ参じたいと思っています、 10月23日に「平城宮跡を守る会」の事務局に電話して確認しましたところ、既に1万筆の署名が集まったようです. しかし、署名集めはこれからも継続するということでした.
これからもどんどん下記の住所に署名を送りましょう!
(署名送付先) 〒630-8315 奈良市中辻町1-1-103 ならまち通信社「平城宮跡を守る会」
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