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リュウちゃんの懐メロ人生

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2013年02月06日
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カテゴリ:外国映画(洋画)

 

これは実話か?寓話なのか?

奇想天外なアイディアで放つ美しき海洋ファンタジー

honposter.jpg

「ライフ・オブ・パイ」予告編

http://www.youtube.com/watch?v=ez2PIXi30zY

 

映画「ライフ・オブ・パイ~虎と漂流した227日」につきましては、早くから劇場で予告編が放映されていて、本編を観る前に何度も予告編を観ました。

 

~ん、これは虎と少年が仲良くなる話なんだろうか?

 

リュウちゃん、昔から、こういった話が大好きでした。その原点は、幼年時代に熱中した山川惣治の絵物語でした。「少年王者」、「少年ケニヤ」、「少年タイガー」、「少年エース」、、、

 

中でも、「虎に育てられた少年の話」という設定の「少年タイガー」は、小学校の時にリアルタイムで全11巻を読みました(下記は、第1巻の表紙絵です)

tiger01.jpg

 

「少年タイガー」のストーリーにつきましては、下記サイトに詳しく語られていますので、興味を持たれた方はご参照して下さい。

http://www.jttk.zaq.ne.jp/minawa/taiga-f-1-1.htm

 

「動物に育てられた人間」の話は、古くはローマ神話に出てきます「ローマ建国の王」といわれるロームルスとレムスの双子の兄弟の話、双子は狼に育てられたという伝説があります。

 

比較的新しい話では、1930年、インドで発見された狼に育てられた狼少女、「アマラとカマラ」のの話が有名です(この話の詳細は下記サイトでお読み下さい)

http://members.jcom.home.ne.jp/invader/works/works_7_j.html

 

イギリスの作家・ラドヤード・キップリングは、189495年に「ジャングルブック」という15の物語から成り立っている短編小説集を発表しました。この内、8編は狼に育てられた少年モーグリの話、この物語では、モーグリの宿敵は虎の「シア・カーン」、保護者は黒豹のバギーラ、山川惣治の「少年王者」の宿敵・「ライオンL」と、保護者の「黒豹ケルク」を連想させられます(山川惣治の絵物語は、明らかに「ジャングルブック」の影響が大きいと思われます)

 

「ジャングルブック」は、何度か映画化されました。1967年公開のディズニー・アニメが有名ですが、以下に1942年に製作された実写版を貼り付けます)

http://www.youtube.com/watch?v=EO1gLAoEZRA

 

「ジャングルブック」は、アメリカの作家・エドガー・ライス・バローズの「ターザン」シリーズ」に大いに影響を与えていると考えられます。ターザン・シリーズの第1作「類猿人ターザン」が発表されたのは1912年、ジャングルブック」が発売されてから18年後でした。尚、バローズが「類猿人ターザン」と同年に発表した処女作「火星の月の下で」(「火星シリーズ第1作」)は昨年「ジョン・カーター」という3D映画として公開されました。

 

「ジョン・カーター」予告編」

http://www.youtube.com/watch?v=n1AMVbr2UBY

 

 

う~ん、冒頭から大脱線してしまいました。以上は「ライフ・オブ・パイ」の予告編ということで、ご勘弁頂きたいと思います。

 

1月251日の朝日新聞の夕刊の、ノンフィクション作家・沢木耕太郎のコラム「銀の街から」で、「ライフ・オブ・パイ」を取り上げていました。そのコラムの冒頭に、以下のような文章がありました。

 

「インドの少年が、船の難破によって、ひとり救命ボートで漂流する。ところが、そこに、船で輸送中だった獰猛なベンガルトラが乗り込んで来てしまう。そんな虎と227日間も漂流するなどということが可能なのか。いや、その前に、そんな途方もない物語を観客に信じ込ませることができるものなのだろうか?」

 

リュウちゃんも沢木さんと同じ興味でこの映画を観ました。

 

「少年タイガー」や「ジャングルブック」のような神話的な話ならともかく、現実的な物語として、どんな展開になるのか? この話は実話なのか? どのように撮影したのか? 3D効果はどうなのか?

 

「ライフ・オブ・パイ」は、カナダの小説家・ヤン・マーテル2001年に発表したファンタジー小説「パイの物語」の映画化です。

 

小説「パイの物語」でも同様のようですが、映画「ライフ・オブ:パイ」でも、物語は、漂流から生還し、大人になった少年パイの後日譚として、パイがカナダ人の小説家のインタビューに答えて話すという形で物語が進行します。

 

パイが話す物語の、「生い立ち」の部分で、リュウちゃんが面白いと思い、虎と漂流するクライマックスの伏線になっていると思ったエピソードは以下の2点です。

(1)   パイの一家は動物園を経営していて、両親も彼を実学的なことを学ばせようとするが、少年パイはそのような形而下的なことには一向に関心がない。関心があるのは形而上的な宗教、それも、元からのヒンドゥー教のみならず、イスラム教、キリスト教などにも等しく親愛の念を抱く。

 

まるで、「インド独立の父」、マハトマ・ガンジーのような人間だ!

 

そして、彼は厳格な菜食主義者なのです。

 

(2)   本名が同級生から揶揄されるのを嫌って、中学校に上がった時、同級生の前で黒板に円周率(π:パイ)を1000桁位、延々と書き連ねる。以来、彼の綽名は「パイ」となる。

 

πは、「3,1415926535897932384626,,,,,,,と、どこまでも無限に続く循環しない小数で、「無理数」です。無理数であるばかりでなく、代数方程式の「根」にならない「超越数」なのです。

殆どの「実数」は超越数で、例えば0~1の間にも、無限個の超越数が周密に存在するのですが、それにも拘わらず、具体的に発見された超越数は、円周率πなど、ごく僅かなものに過ぎません。

 

つまり、「超越数」は、宗教と同じように、無限であり神秘的で、一般の人間にとっては、形而上的なものと考えられる存在なのです。

 

以上のような思想を持っているパイが、難破した船から救命ボートに投げ出されて、後から船に乗り込んできた虎と、如何にして227日も漂流出来たのか?

 

これは、次回に書いて見ようと思います。

 

(話題の映画「ライフ・オブ・パイ~虎と漂流した227日」を観る(2)に続く)

 






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最終更新日  2013年02月06日 06時11分28秒
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