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リュウちゃんの懐メロ人生

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2013年05月29日
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カテゴリ:クラシック音楽

 

シューベルト歌曲集「冬の旅」全曲紹介(2)

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第6曲「溢れる涙」

(大意)

若者の目から、とめどなく涙が溢れて雪の上に落ちる、その冷たい雪片がまるで渇っしたように若者の熱い嘆きと共に吸い込んでしまう。青草が芽吹いて暖かい風が吹いたら、柔らかい雪も溶けて流れ、涙は雪と共に小川に流れ込み、あの町に辿り着く。そこには僕の恋人の家がある。

(対訳)

http://www.damo-net.com/uebersetzung/schubert/d911/06.htm

(演奏)

http://www.youtube.com/watch?v=oQSsge_j5Bw

(コメント)

終始一貫したゆっくりとした一定のリズムで歌われる美しい歌、そのせいか、昔から日本でも「菩提樹」に次ぐ人気がある曲で、昔の「NHKのど自慢」の歌曲の部の定番曲の一つだった。「菩提樹」のやすらぎの余韻が消えて再び沈鬱なイメージを漂わせるが、旋律は極めて美しい曲である。

 

第7曲「流れの上で」

(大意)

あれほど楽しげにざわめいていた小川が、今は硬く凍っている。僕は彼女の名前と思い出の日付を先の尖った石で刻み込んだ。そして、その文字と数字の周りを途切れ途切れの輪で囲った。

僕の心よ、この小川の中に自分の姿を認めているのか、そして心の想いも激しく高まってくるのだろうか。

(対訳)

http://www.damo-net.com/uebersetzung/schubert/d911/07.htm

(演奏)

http://www.youtube.com/watch?v=Hce9NJDe9oY

(コメント)

川の表面は凍っていても下の流れは凍らない。若者は不安定な氷の上に立っている。いつか氷は溶け、猛烈なたぎりが湧きあがるかも知れない。

伴奏は不気味な葬送のように始まり、表情の起伏が激しく、劇的に転調する。

(リュウちゃんが学生時代にこの歌曲集を聴いた時には、この曲はLP盤の1面の最後に収録されていました。なので主観的には、この曲が第1部の最後の曲のように今でも感じています)

 

 

第8曲「かえりみ」

(大意)

氷と雪の上を逃げてきたのに、両足は燃えるように熱い。石につまじきながら走る僕の上にカラスが雪玉や雹を投げてきた。

僕は過去を思い出す。窓辺で歌っていたナイチンゲール、花咲いた菩提樹、明るい小川、そしてmあぁ、彼女の燃えるような瞳!

過去を思い出すと、戻って彼女の家の前に静かに立ちたいと思う。

(対訳)

http://www.damo-net.com/uebersetzung/schubert/d911/08.htm

(演奏)

http://www.youtube.com/watch?v=g_ufLw9Uo1o

(コメント)

前奏は追い立てるような和音の連打と、立ち止まって後を振り返ることを表すオクターブのトレモロ音形の部分が交錯する。3部形式の初めと終りはト単調で急き立てられるように激しく動き、中間部はト長調でやさしく幸せだった昔を偲んでいる。

 

第9曲「鬼火」

(大意)

僕は鬼火に誘われ、深い谷間に入った。出口が判らなくても構わない。迷うことには慣れている。人生の喜びも悲しみもすべて鬼火の仕業だ。

谷間の干上がった川床を下る。流れは皆。海に注ぎ、悲しみは墓場へと続く。

(対訳)

http://www.damo-net.com/uebersetzung/schubert/d911/09.htm

(演奏)

http://www.youtube.com/watch?v=Gc__MiRgQg8

(コメント)

冒頭の歌い出しから、すぐ1オクターブ下降する旋律は、現実の世界から冥界へ降りて行く若者の姿を見事に描いている(リュウちゃんはベートーヴェンの第9交響曲の第1楽章の冒頭の下降する旋律を彷彿しました)

この歌を境に、さすらう若者の心は、より虚無的になる。うねるように大きく上下する旋律が、若者の虚無感を見事に表出していて余すところがない。「冬の旅」の象徴のような深い名曲である。

 

10曲「休息」

(大意)

これまで歩み続けてきたが、初めて疲れていることに気がついた。炭焼き小屋を視つけ、仮の宿とする。手足の傷が燃えるように痛い。あれほど奔放で大胆だった心も。静けさの中で初めて毒虫が疼くのを感じる。

(対訳)

http://www.damo-net.com/uebersetzung/schubert/d911/10.htm

(演奏)

http://www.youtube.com/watch?v=qd5K4HKiqEM

(コメント)

ゆるやかな2/4拍子で、声部とピアノが支え合うように歩んでいく。初めて「旅の疲れ」が表現された歌である。声部の旋律は淡々としているが実に美しい。

 

 

11曲「春の夢」

(大意)

僕は色とりどりの花、鳥の囀る緑野を夢に見た。美しい娘と恋の日々を夢に見た。だが鶏の声に目覚めると、そこは冷たく暗い現実の世界、屋根ではカラスが叫んでいた。何時窓ガラスの木の葉が緑になるのか、何時この胸に恋人を抱けるのだろうか。

(対訳)

http://www.damo-net.com/uebersetzung/schubert/d911/11.htm

(演奏)

http://www.youtube.com/watch?v=drnUUSWZWZQ

(コメント)

「冬の旅」全24曲中、「菩提樹」に次いでポピュラーな名曲、冒頭の夢を見る旋律は比類なく美しい。しかし、鶏の鳴き声で現実の世界に引き戻される。夢見た世界と現実の世界の音楽表現の対比が実に見事、冒頭の旋律は「菩提樹」のところで紹介したジルヒャーの「ローレライ」と似た趣きがある。

(以下、「シューベルト歌曲集「冬の旅」全曲紹介(3)に続きます)

 

 

 






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最終更新日  2013年06月02日 05時30分58秒
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