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テーマ:最近観た映画(54)
カテゴリ:日本映画(邦画)
久石譲のテーマ音楽 素敵だ!
これまで3回に渡り、映画「風立ちぬ」でリュウちゃんが印象に残った点を、キーワードに沿って書いて見ました。文字数の制約がありますので、4つのキーワードについてしか書けませんでしたが、まだまだ書きたいことはいあります。 しかし、キーワードに関しては、前回のブログでお終いとして、この「風立ちぬ」の最後のブログでは、映画に使われた音楽について、少しお話してみようと思います。
(1) ドイツ映画「会議は踊る」より、「ただ一度だけ」 http://www.youtube.com/watch?v=r8N7OXCDsh4
映画の中盤、堀越二郎が菜穂子と再会した軽井沢のホテルのロビーで、謎のドイツ人カストルプがピアノを弾き、全員が合唱する歌です。 この歌が挿入された映画「会議は踊る」は、1931年にドイツで製作、日本では1934年(昭和9年)1月に公開されました。 映画の内容は、ナポレオン失脚のあとの1815年に開催された「ウィーン会議」を背景に、ロシア皇帝アレクサンドル1世とウィーンの町娘クリステルの夢のような儚い恋を描いたオペレッタ映画でした。
「ただ一度だけ」は、クリステルに扮したドイツ人女優・リリアン・ハーヴェイによって歌われます。 歌詞の大意は以下です。
ただ一度だけ
この映画公開の2年後に、ヒトラーは首相になり、この映画などは「退廃的な芸術」としてドイツでの上映が禁止されました。主演のリリアン・ハーヴェイもユダヤ人との交遊を理由にゲシュタポから尋問を受け、フランスに亡命しました。この映画のスタッフの多くもドイツから亡命を余儀なくされたようです。 宮崎駿監督は、映画の中で「ただ一度だけ」を歌うドイツ人カストルプに、ナチスに反抗して亡命を余儀なくされたリリアン・ハーヴェイなどの姿を重ね合わせたのだとリュウちゃんは思いました。 (2)「溢れる涙」~シューベルト歌曲集「冬の旅」第6曲 http://www.youtube.com/watch?v=oQSsge_j5Bw
堀越二郎が視察先のドイツの下宿先の隣家から流れてくるこの歌を聞いて、同僚に「冬の旅だね」と語ります。映画で聞えてきた部分は、この歌の「Durstig ein das heiße Weh!(渇いていたように、この熱い悲しみを!)」という部分だったのですが、リュウちゃんには、このシーンはこれから二郎が辿る飛行機設計家としての惨憺たる運命を暗示しているように感じました。
(3)サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」 http://www.youtube.com/watch?v=ABm7nMVyNh4
二郎達が談笑する軽井沢のホテルのサロンで、BGMとしてこの曲のSPレコードの最後の部分が流されます。この音楽は戦前のSP盤時代のクラシックレコードとしては最もヒットした曲の一つで、夏目漱石門下の小説家・内田百聞が昭和23年に発表した「サラサーテの盤」という小説があり、更にその小説を基に、鈴木清順監督が「ツィゴイネルワイゼン」という幻想的な映画を創りました。 「風立ちぬ」で流れた演奏も、誰の演奏か不明ですが、ここでは、作曲家自身が1904年に録音した伝説的な演奏のYou-Tubeを貼り付けます。
この演奏の3分25~26秒あたりのところで、人の声が入りますが、これが「サラサーテの盤」で語られた「サラサーテ自身の声」なのだと思います。
(4) 草川信の「風」 http://www.youtube.com/watch?v=2wsAa7A2D40
映画の中では、この歌のメロディは出てこないのですが、二郎が軽井沢滞在中に歌詞をつぶやきます。 1番の歌詞は以下です。 誰が風を 見たでしょう 原詩はイギリスの女流詩人クリスティーナ・ロセッティ、それを西條八十が訳詩したものに、「ゆりかごの唄」、「夕焼け小焼け」、「緑のそよ風」などを作曲した草川信が曲を付けました。 前述した映画「ツィゴイネルワイゼン」では、挿入歌として同じ草川信の「春のうた」が印象的に使われていました。 「春のうた」 http://www.youtube.com/watch?v=C1K2c-MmX2s 宮崎駿の心の中では、鈴木清順の「ツィゴイネルワイゼン」の昭和初期の幻想譜が渦巻いていたのだと、リュウちゃんには感じられたのです。 (5)久石譲の映画音楽「旅路~夢中飛行」 http://www.youtube.com/watch?v=FygcIh1VxpQ ジプリ作品では、毎回、久石譲の素敵な音楽を聴けるのが楽しみなのですが、今回も素晴らしいテーマ音楽が出来ました。 この曲の冒頭のメロディは、「ミーレドーソー」で始まりますが、このテーマは、(1)で書いた「ただ一度だけ」の主題「ミミレドーソー」と同じです。 この曲は、「ただ一度だけ」のテーマによる変奏曲です。テーマは自在に変化し、二郎のテーマや菜穂子のテーマにもなる、融通無碍、実に素敵なテーマ音楽だと思いました。
(6) 荒井由美「ひこうき雲」 http://www.youtube.com/watch?v=rJ-AhWAB4VE この映画のエンディング曲です。宮崎駿が荒井由美の作品を挿入歌としたのは、、1989年公開の「魔女の宅急便」で、「ルージュの伝言」、「やさしさに包まれたなら」以来、3曲目の使用です。ユーミンは1976年に結婚して「松任谷由美」になったのですが、宮崎駿のアニメで使われた曲は、いずれも初期の「荒井由美」名義の曲、実はリュウちゃんも荒井由美時代の曲が好きなのです。 リュウちゃん、このブログの(2)を書いた後で、もう一度「風立ちぬ」を観にいきました。最初に観た時は、ラストシーンになって初めて涙が出てきたのですが、2回目に観た時は、軽井沢で菜穂子と再会するあたりから涙ウルウルになりました。 リュウちゃんの「良い映画の規準」は、何度観ても涙ウルウルになる映画なのです。 その意味で「風立ちぬ」は、60代で観た最高の映画となったのです。
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