ひっそりとした佇まいの八大龍王弁財天龍王神社
ここは「山の辺の道」の隠れた桜の名スポットだ!
佐保川土手の桜行脚をした翌日の4月12日、奈良の「日本最古の道」と云われる「山の辺の道」をハイキングして来ました。
「山の辺の道」は、ほぼ毎年のようにハイキングしていますが、「桜の季節のハイキング」は初めてです。奈良では、「山の辺の道」は特に「桜の名所」という訳ではないのですが、、、
「山の辺の道」にも桜の見所はある筈だ。
よし、桜を求めて、「山の辺の道」を散策してみよう!
前日の佐保川土手の桜散策は昼食後に出掛けましたので、弁当、ビールは持参せず、カメラの他は何も持たずに出掛けたのですが、今日のハイキングは1日掛かり、なので、例によりまして女房殿お手製のおにぎり弁当とリュウちゃんお手製(?)の缶ビール(2缶)をリュックに詰め、午前8時に家から出発しました。
午前9時30分、今回のハイキングの起点の「天理駅」に到着、
下の写真は近鉄天理駅の構内に展示されている蒸気機関車(SL)です。
JRの機関車であるSLが何故、近鉄の構内にあるのだ!???
ここで、後に判明した本日の桜ハイキングの道順と距離を書いておきます(
< >はある場所から次の場所までの距離、( )は天理駅からの累計の距離です)
天理駅―<2100m>~石上(いそのかみ)神宮(2100m)―<650m>-内山永久寺跡(2750m)―<1850m>-夜都岐(やつぎ)神社(4600m)-<2900m>-長岳寺・天理トレイルセンター(7500m)―<700m>―崇神天皇陵(8200m)-<700m>-景行天皇陵(8900m)-<1050m>-相撲神社・巻向遺跡(9950m)-―<1450m>-桧原(ひばら)神社(11400m)-<1500m>-大神(おおみわ)神社(12900m)-<500m>-JR三輪駅(13400m)
天理駅から三輪駅までは実測13,4キロ、
途中、寄り道を加えると、15キロの道のりだ!
午前9時30分、天理駅出発、「山の辺の道」の起点である石上神宮に向かいました。途中、天理教本部を通過します。
下の写真は、天理教の「よろず相談所病院」の裏手にある小公園の「散り桜」です。
一週間前に訪れた「3本の巨大しだれ桜」は既に終わっていました(残念!)
<「山の辺の道」のスタート地点:石上(いそのかみ)神宮>
日本最古の神宮である石上神宮の境内には、残念ながら桜は下の写真の一本しか確認出来ませんでした。
石上神宮には約30羽の「神鶏」が放し飼いされています。
この鶏、「東天紅」なのかな?
<内山永久寺跡地>
石上神宮から徒歩20分で「内山永久寺跡地」に着きます。
下の写真は、跡地前の池の辺りに建てられた芭蕉句碑です。
うち山や
とざま知らずの
花ざかり
この句は、まだ松尾芭蕉が「宗房」と号していた20代前半の作品で、句意は、
「今、内山永久寺に参詣してみると、見事なまでに満開の桜でうめつくされている。土地の人はこの桜の花盛りをよく知っているのであろうが、外様(よその土地の人々)は知るよしもないのである」
ということになります。
「内山永久寺跡地」は山の辺の道の最初の桜のスポットだ!
下の写真は「内山永久寺跡」に設置されている「伽藍図」の看板です。
「内山永久寺」は、平安時代の永久2年(1114年)に建立、松尾芭蕉がここを訪れた江戸時代は「大和の日光」と讃えられ、500m四方もの広大な伽藍を誇る大寺院だったのですが、明治維新の「廃仏毀釈」で徹底的に破壊し尽くされ、今では上の写真の「本堂池」だけが僅かに往時の面影を留めているのみなのです。
正に、
夏草や
兵どもが
夢の跡
ですね。
<夜都岐(やつぎ)神社>
春日大社との関係が深いとされる神社です。下の写真は、この神社の鳥居の右後方の池の土手の桜です。
土手の上に上がり、改めてこの桜を鑑賞、
この桜、「山の辺の道」屈指の大きな桜だ!
<龍王山と桜>
夜都岐神社から長岳寺に向かう左手の山並みに、昨年、登山に失敗した「龍王山」が見えてきました。この辺りの道筋にも、あちらこちらに桜が点在しています。
「山の辺の道」は「桜の道」なのだ!
これは「桃の花」?
<長岳寺・天理トレイルセンター>
石上神社から大神神社に至る「山の辺の道」のほぼ中間点に、空海(弘法大師)が店長元年(824年)に創建したとされる古刹「長岳寺」があります。
「長岳寺」は、「関西花の寺25霊場第19番札所」で、初夏には「ヒラドツツジ」、秋には紅葉の名勝地として有名ですが、桜は名勝地とはされていません。
「長岳寺」に桜はあるのかな?
と思って境内に入りました。
うん、「長岳寺」の桜も中々風情があるな。
「長岳寺」の隣に、山の辺の道ハイキングをする人のいための「憩いの場」である「天理トレイルセンター」があります。ここにはピンクのしだれ桜が3本ほど植えられています。ここから、第10代・崇神天皇陵(行燈山古墳、前方後円墳、全長242m)が間近に迫ってきました。
「長岳寺」、「天理トレイルセンター」エリアは、
「山の辺の道」の第2の桜のスポットだ!
<崇神天皇陵>
「天理トレイルセンター」から国道169号線を1キロ程迂回して、前方部から「崇神天皇陵」に迫りました。
下の写真は、陵の側面から見た山の辺の道の桜です。桜の後方に見える山は「龍王山」です。
そろそろお昼時、よし、この桜の下で昼食を摂ろう、
プファ~、ビールが旨い!
天皇陵と桜の対比が雄大だ!
ここは「山の辺の道の第3の桜のスポットだ!
<景行天皇陵>
「崇神天皇陵」を通過しますと、すぐ前方に第12代・景行天皇陵(渋谷向山古墳、前方後円墳、全長300m)が見えてきます。
下の写真は景行天皇陵の近くで撮りました。後方の山は大神神社のご神体、「三輪山」です。
下の写真は、「景行天皇陵とピンクの桜」です(いや、「桃の花」なのかな?)
<巻向遺跡・相撲神社>
「景行天皇陵」を通り過ぎ、「山の辺の道」を少し外れて「相撲神社」に立ち寄りました。途上に邪馬台国の女王・卑弥呼の都と推定される「巻向遺跡」の標識が立てられていました。
「巻向遺跡」ここだったのだ!
女王卑弥呼もこの光景を見たのかな?
下の写真は「相撲発祥の地」とされる「相撲神社」です。
伝説によれば、約2000年ほど前(垂仁天皇の頃)、この地で「野見宿禰(のみのすくね)」と「当麻蹴早速(たいまのけはや)」が、日本最初の勅名天覧相撲を行い、これが国技である相撲の始まりとされているのだそうです。
この辺りの桜も中々良いな。
ここは「山の辺の道」の第4の桜のスポットだ!
<桧原(ひばら)神社>
下の写真は、大神神社に近い場所にある「桧原神社」の杜の周辺の桜です。右手の山は「三輪山」、
「桧原神社」は、皇居に祭っていた天照大神の神霊を、崇神天皇が豊鍬入姫命に託して祭ったと言われる、いわゆる「元伊勢伝承地」の一つです。「桧原神社」の境内には桜はありませんでした。
<八大龍王弁財天>
終着点の「大神(おおみわ)神社」に向かう道の途上に、以下の標識が立てられていました。
「八大龍王弁財天」、聞いたことのない神社だ、
どんな神社なのだろう?
と思って、「山の辺の道」の左手の坂を上りました。
桜並木の咲く池の土手の向こうに、建物が見えました。
神社らしくない建物だが、はて?
と思って、この建物に行ってみました。この建物は。どうやら「八大龍王弁財天・龍神神社の拝殿」のようです。
「拝殿」の向こう側にも、もう一つ池があり、池の向こう側の正面に、ブログ冒頭で紹介した「龍神神社」の本殿がありました。
静寂に包まれた龍神神社、
ここは隠れた桜のスポット、
「山の辺の道」の第4にして最終の桜のスポットだ!
<大神(おおみわ)神社>
「龍神神社」から程なくして本日のゴールである「大神神社」に午後3時過ぎに到着、残念ながら、「大神神社」の境内には桜はありませんでした。
午前9時半から5時間半かけての「山の辺の道」の桜行脚、
当てのない桜行脚だったが、
いい桜がいっぱい観られて良かった!
午後3時40分、帰路の「JR三輪駅」に到着、
あちゃ~、
電車は出たばかり、次の電車まで50分待ちだ!
仕方がないので、駅の近くのレストラン(といいますか、昔ながらの食堂)に入り、おでんをツマミにして、瓶ビール(中瓶)を2本も飲んでしまいました。
プファ~、ビールが旨い、
ハイキングの疲れが流れ落ちる(苦笑)