春日大社「萬葉植物園」の「藤園」、
ここは「藤の花の迷宮」なのだ!
ゴールデンウィーク、奈良人は必ず春日大社の藤を観に行きます!?
リュウちゃんも奈良人の端くれの一人としまして、毎年GWには奈良公園に藤見物に行くのですが、毎年、少しづつ不満を残すのです。
その不満とは?
広大な奈良公園の多種多様な藤は、それぞれ「見頃」も違う。
1日だけでは全ての藤の「見頃」を堪能出来ない。
なので今年は、
全ての藤の「見頃」を堪能し、極めるために、
3日に渡り、藤見物に行くぞ!
という訳で、4月30日、5月3日、5月6日の3日間、奈良公園に足を運びました。
散策ルートは以下です(3日間共、ほぼ同じルートを歩きました)
JR奈良駅~興福寺~奈良国立博物館~飛火野~萬葉植物園~春日若宮神社~春日大社~東大寺南大門~JR奈良駅
因みに、
★4月30日:萬葉植物園の「藤園」は、「早咲きの藤が咲き始め」、周辺の「山藤」は、「咲き始め」
★5月3日:萬葉植物園の「藤園」は、「見頃」、周囲の山藤は「一部見頃」、
★5月6日:萬葉植物園の「藤園」は、「見頃」、周囲の山藤は「ほぼ見頃」
でした。
今回、ブログでUPする写真は、以上の3日間の散策で撮ったものをミックスしたものです。
では、散策ルートに沿って、順に奈良公園の藤を観ていきましょう。
<興福寺・南円堂前の藤>
興福寺の入り口、南円堂には2つの藤棚があります。いずれの藤棚も、花房はいつも短いのですが、朱塗りのお堂とのコントラストが美しいですね。
<国立博物館前の藤棚>
ここの藤棚もなかなか見事です。藤棚の下にベンチがあり、憩いの場所なのです。
<飛火野の藤棚>
奈良公園の中には、多くの藤棚がありますが、その中でも、ここの藤棚が一番見応えがあります。藤棚の横に、奈良公園のシンボルツリー「飛火野の大クス」があります。
<飛火野の奥の山藤の自生地>
春日大社の神域、「春日山原始林」には、至る所に巨大な山藤が自生しています。
ここは、春日山原始林の始まる所で、数本の巨大な山藤が自生する「自生山藤の始点」というべき場所です。
リュウちゃん、今回初めてここを訪れたのですが、花付きが少なく、少し残念でした。
ちょっと早かったのかな?
それとも、遅過ぎた?
<春日大社神苑「萬葉植物園」・臥龍のイチイガシ>
奈良公園の藤の名所、「萬葉植物園」に入ります。ここの「藤の園」に入る前に、例に拠りまして、野外の能舞台の背後にある「臥龍のイチイガシに挨拶、
池の周りのツツジが満開でした。この巨木にも巨大な山藤が纏いついているのですが、今年は3回共、殆ど山藤は咲いていませんでした(残念!)
<萬葉植物園の「藤の園」>
いよいよ奈良公園の藤の第一の見所、萬葉植物園の「藤の園」に入ります。
20種類200本の藤が「立ち木造り」と「棚造り」の混交で植えられていています。
ここは「藤の迷路」であり、「藤の楽園」なのだ!
植物園の入場口で貰ったチラシには、以下のように「藤の種類」が書かれていました。
★麝香(じゃこう)藤、★甲比丹(かぴたん)藤、★白甲比丹藤、★昭和紅(べに)藤、★岡山一歳(いっさい)藤、★緋(ひ)ちりめん藤、
★口紅藤、★新紅藤、★長崎一歳藤、★黒龍藤、★八重黒龍藤、★九尺藤、★本紅(べに)藤、★白野田藤、★海老茶藤、★野田長(のだなが)藤、 他 全20種類、
ありゃ?
全20種類と書いておきながら、具体名は16種類しか書いてない、
何でやねん???(ちょっと不親切)
よし、書いてない他の4種類も見つけるぞ!
という訳で、3日間に渡って撮った藤の写真を以下に紹介します。
無事、無事、全20種類をUP出来ますことやら?
(1)「麝香藤」
「麝香」に似た強い香りの白藤です。
(2)「甲比丹藤」
「カピタン」とは、ポルトガル語で「船長」、英語では「キャプテン」です。
花房が短く美しいところから「花美短」、転じて「甲比丹」と命名されたようです。
(3)「白甲比丹藤」
(4)「昭和紅藤」
アケボノフジの改良種で、フジ属中最も紅色の濃い品種
(5)「岡山一歳藤」
カピタンの色変わり品種、「一歳藤」とは、「野田藤」の系統の藤で、植えたその年から花をつける藤のようです。鉢植えに最適な品種だそうです。
(6)「緋ちりめん藤」
ヤマフジ系統のピンクの藤、かなり珍しい品種のようです。
(7)「口紅藤」
ノダフジ系統の藤、白い花に薄紅色の覆輪が入っています。
(8)「新紅藤」
美しいピンク色の藤、「本紅藤」・「新紅藤」・「海老茶藤」の3種は「アカバナフジ」と総称されています。
(9)「長崎一歳藤」
最も花付きが良く、育てやすい品種なのだそうです。
(10)「黒龍藤」
野田一歳系の藤、濃い紫色の藤です。丈夫で育てやすい藤のようです。
(11)「八重黒龍藤」
濃い紫色の藤、珍しい八重の藤です。蕾の時は葡萄に似た花房でした。
(12)「九尺藤」
九尺藤の名称は、花房が長く九尺(2メートル70センチ強)にも伸びるところから来ているようです。房の長い藤は、この品種が多いようです。春日大社の「砂ずりの藤」もこの系統なのかな?
(13)「本紅藤」
アカバナフジの園芸種です。蕾の時は紅色で、開花に伴い、淡紅色になります。
(14)「白野田藤」
ノダフジ系統の純白な藤です。
(15)「海老茶藤」
アカバナフジ系統、色は薄赤紫、やや房の長い品種です。
(16)「野田長藤」
ノダフジ系統、房の長さが1メートル近くなるところから、この名が付けられたようです。
以上、16種が今年のチラシに掲載されていました。以下は掲載されていない藤です。
(17)「白花支那藤」
支那藤はその名の通り、中国東北部原産の藤です。昭和10年頃、日本に渡来した藤です。この藤は支那藤の変種の一つです。
(18)「山の神の藤」
この藤は恐らく「名所藤」で、富士吉田市の「山神社」の境内にある国指定の天然記念物「山の神の藤」を株分けしたもののようです。種類としましては自生する野田藤のようです。
(19)「春日大社・砂ずりの藤」
春日大社の境内にある樹齢800年の「砂ずりの藤」を株分けした「名所藤」です。本家の「砂ずりの藤」は近年、衰えが見えてきましたが、こちらの「分家」は元気溌剌のようです。
(20)「山藤」
「山藤」は春日大社の周辺にいっぱい自生しています。リュウちゃんが奈良公園の藤に魅せられる理由の一つが、奈良公園の春日山原始林が「山藤の迷宮」だからなのです。「萬葉植物園」の「藤の園」の外側に「山藤の標本木」を発見!
以下は「藤の園」の周囲にある自生の「山藤」です。
「藤の園」の山藤、実は一番の「見所」なのだ!
<金龍神社の山藤>
「萬葉植物園」を後にして、春日大社に向かいました。春日大社に入る前に、いつものようにちょっと寄り道、春日若宮神社の隣にある「金龍神社」の鳥居の上に「山藤」を発見!
この山藤もなかなか素晴らしい!
<春日若宮神社の「八房藤」>
「金龍神社」の隣に、「春日若宮おん祭」で奈良市民には親しい春日大社の摂社の雄、「春日若宮神社」があります。この神社の本殿前の左横に山藤の銘木「八房藤」があります。
「八房藤」の前に、以下のような説明文が書かれた「立て札」が立てられていました。
「八房藤」も花が少ない、残念!
いよいよ「南門」から「春日大社」に入ります。
<春日大社本殿手前の山藤>
この山藤、現在のところ、リュウちゃんイチオシの山藤です!
<砂ずりの藤>
以前、この藤の花房は2メートル近くに伸び、地上の砂に達する程の勢いがあったところから、この名が付けられたようです。樹齢800年超となり、近年は花房の長さも最長1メートルくらいになってしまっています。現在では萬葉植物園の「藤の園」にある上記(19)の株分け藤のほうが勢いがありますね。
下の写真は「砂ずりの藤」の裏手にある「慶賀門」です。
朱色の門と「砂ずりの藤」のコントラストが美しい!
<「慶賀門」下の参道上を横切る山藤>
この山藤もリュウちゃんお薦めの古木です。
<南大門近くの藤棚>
ここはリュウちゃんの「藤紀行」の終着点です。背後に見える若草山が素敵ですね。
3日間に渡る奈良公園・春日大社の藤行脚で「奈良公園の藤を極めよう」と思ったのですが、今回も到底、「極め」には至りませんでした。
奈良公園の藤は奥が深い!
リュウちゃんいとっては、いつまでも「迷宮」なのだ!
今回は3日共、午後から出掛けましたので、ビールは家に帰ってから飲みました。
従いまして、
プファ~、ビールが旨い!
は今回は「お預け」です(苦笑)