前人未踏の29連勝達成、おめでとうございます!
(藤井聡太四段)
2017年6月26日、将棋界に彗星の如く登場した史上最年少のプロ棋士、藤井聡太四段が、遂に前人未踏の29連勝を達成しました。翌、27日の新聞各紙は、このニュースを一面トップ扱いで掲載、日本中が「藤井聡太フィーバー」に沸き立ちました。
地味な将棋の世界の出来事が、こんなに大きな話題になるのは
史上初めてなのだ!
因みに、彼が29連勝の新記録を達成した6月26日の竜王戦挑戦者決定トーナメント第1局の終盤のハイライトの動画を下記に貼り付けます。
この将棋の終盤、
劣勢からあっという間に大逆転した異次元の
終盤なのだ!
<藤井聡太四段 VS 増田康宏四段 デビュー29連勝!ハイライト 竜王戦挑戦者決定トーナメント>
http://video.genyoutube.net/Ugrqmte5Yxc
ここで藤井聡太四段の年譜(プロフィール)を紹介します。
<藤井聡太四段年譜>
★2002年7月19日、愛知県瀬戸市に生まれる。
★2007年(5歳)、祖父母から将棋を教わる。
★2010年3月(7歳)、アマチュア初段で、プロ養成機関の「奨励会」の下部組織である「東海研修会」に入会、ここで後に師匠となる杉本昌隆七段と出会う。
★2011年(8歳)、第10回倉敷王将戦・低学年の部で優勝、同年10月、JT将棋日本シリーズ東海大会低学年の部で優勝。同年、プロ棋士も参加する「第8回詰将棋解答選手権」に初参加、大阪会場の出場者24人中、13位!
★2012年9月(9歳)、6級でプロ棋士養成機関である「奨励会」に入会、その後、順調に昇級、
★2011年(9歳)「将棋世界」に投稿した短編詰将棋(11手詰め、下記)が年間最優秀の谷川賞受賞、詰め将棋回答者としてだけでなく、詰将棋作家としても非凡な才能を発揮、
<藤井聡太作、谷川賞受賞の詰将棋、11手詰めでも、難解です>
★2015年(12歳)奨励会三段に昇段(プロ棋士になる一歩手前)、
★2015年(12歳)、「第12回詰将棋解答選手権」で史上初の「小学生による優勝」を果たす(唯一の100点満点、因みに、この選手権に参加したトップ棋士としては広瀬章人(あきひと)八段が81点で第6位、行方尚史(ひさし)八段が72点で12位でした)、以後、3年連続優勝(3連覇)、
★2016年(13歳)、第59回奨励会三段リーグ戦に参加、13勝5敗の成績で優勝、
★2016年10月1日(14歳)、プロ棋士、藤井聡太四段誕生、
★2016年12月24日(14歳)プロデビュー戦、竜王戦6組トーナメント戦一回戦で加藤一二三九段に快勝、ここから怒涛の連勝街道スタート
★2017年5月25日(14歳)竜王戦6組決勝戦で近藤誠也5段を破り、竜王戦本戦トーナメントに進出(19連勝)、
★2017年6月21日(14歳)、第67期王将戦 1次予選4回戦で澤田真吾 六段を破り、30年ぶりに連勝記録と並ぶ(28連勝)
★2017年6月26日(14歳)、竜王戦 決勝トーナメント1回戦で増田康宏 四段を破り、連勝記録を29とし、単独1位の連勝記録更新、
★2017年7月2日、竜王戦 決勝トーナメント2回戦で佐々木勇気語五段と対戦、30連勝に挑む。
★藤井聡太四段がこのまま連勝を続けたら
、来年3月の期末にはどうなるのか?
あくまで仮定の話ですが、ちょっと興味津々なので、この「仮定の話」を以下に書いてみます。
将棋界には現在、「8大タイトル」があります。
「8大タイトル」とは、「名人」、「竜王」、「王将」、「王位」、「王座」、「棋聖」、「棋王」それと今年から新設された「叡王(えいおう)」、のことです。
以上の「8大タイトル」の内、「名人」は下から「C級2組」(四段格)→「C級1組」(五段格)→「B級2組」(六段格)→「B級1組」(七段格)→「A級」(八段格)という「順位戦トーナメント」を争い、年1回昇級を重ね、「A級」の優勝者が名人戦の挑戦者になれるというシステムになっています。
ですから、藤井四段が「名人」になるためには、毎年昇級したとしても、最短で5年後の2022年ということになります(因みに、「順位戦」は棋士の段位、対局料を決めるベースとなる棋戦なのです)
藤井四段は今年中には名人になれない!
藤井名人誕生は最短で2022年、18歳の時なのだ!
「名人」以外の「7大タイトル」は、全勝を続ければ、今年中か来年3月までには、全部獲得出来ます。
一例として、賞金額」がダントツに大きい「竜王戦」のシステムを紹介します。
(「竜王戦」のシステムの詳細につきましては、下記のサイトを参照して下さい)
https://www.shogi.or.jp/match/ryuuou/rules.html
下記の図は、現在進行中の「竜王戦決勝トーナメント」の組み合わせ図です(図で写真で掲載されている「増田康宏四段VS藤井聡太四段」の対戦は6月26日、藤井四段が29連勝を達成した対戦なのです。下図で藤井四段は「6組優勝者」として、この決勝トーナメントに参加していますが、6組で優勝するまでに、6回、予選トーナメントを勝ち抜いているのです!)
藤井四段が竜王位を獲得するためには、今後、
「(1)4組優勝者・佐々木勇気五段(7月2日対戦)→(2)1組5位の阿久津主税(ちから)八段(トップ棋士)→(3)1組4位の久保利明八段(トップ棋士)→(4)1組優勝の松尾歩(あゆむ)八段→(5)図の右側から勝ち上がった棋士との挑戦者決定3番勝負で先に2勝する→(6)竜王戦7番勝負で先に4勝する」必要がありうます。
挑戦者決定戦に辿り着くまで、何と、11連勝が必要だ!
全国高校野球で大阪地区から勝ち上がり、甲子園で優勝するような確率だ!
これまでと違い、トップ棋士との対戦が相次ぐ、ここを抜けるのは超難関なのだ!
「名人戦」を除く他のタイトル戦も、トーナメント制とリーグ戦を組み合わせ、来年3月までに、棋士であれば誰でもタイトルを取れる可能性があります。
若し藤井四段がこのまま全勝街道を突っ走れば、来年3月(15歳)、中学卒業までに
★「名人」を除く7大タイトルを取れる。
★日本将棋連盟の昇段規定(下記)により、四段から九段に一挙に昇段する。
<日本将棋連盟の昇段規定>
https://www.shogi.or.jp/match/dan_provisions/
★対局料・優勝賞金の総額が1億円を軽く上回る。
ということになります。
まあ、いきなり「七冠」は非現実的であるにしても、「2冠」、「3冠」の獲得はかなり実現する可能性がありそうですね。
年収1億円のスーパー中学生、
是非実現して欲しいとヘボアマチュア二段のリュウちゃんは思っているのです。
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<特報>
将棋界初の女性棋士誕生か!?
西山朋佳(ともか)奨励会三段(22歳)、現在、三段リーグでトップ、
藤井四段に続き、将棋界の超新星誕生成るか?
(西山朋佳・奨励会三段)
囲碁界と違って、将棋界には、これまで正式な女性棋士はまだ一人も生まれていません。「女流プロ」はいっぱいいるのですが、彼女達は正式には「棋士」ではなく、あくまでも「女流プロ」なのです。
正式に「棋士」になるためには、プロ棋士養成機関である「奨励会」に入会し、ここで難関の「三段リーグ」で上位2人に入り、四段になって初めて「棋士」になれるという訳なのです。
※ここでアマチュア段位、女流プロ段位、正式な棋士の段位の「差」について少し説明します。
★アマチュア四段は、大体「奨励会6級」レベルである。
リュウちゃんのような素人の将棋好きが目指すのは、「アマチュア四段」になることです。アマチュア四段と云えば、「町一番の実力者」、住んでいる近辺には、負ける相手がいない、という棋力、普通のアマチュアにとりましては、「究極の目標」です。しかし、並みのアマチュア四段では「奨励会6級」にも届かないのではないかと思われます。藤井四段のように、幼くしてアマチュア初段の実力を持っていれば、認定されてから日進月歩で棋力が伸びますので、6級で入会出来ることになったのだと思われます。
★アマチュア五段は「奨励会2~5級」レベルである。
アマチュア五段は、全国的なアマチュア将棋大会で「県名人」に認定されるレベルです。アマチュア四段との実力差は歴然です。奨励会に入会する子供たちの大半がこのレベルにあるようです。
★アマチュアの最高峰、六段は奨励会1級~三段レベルである。
全国的なアマチュア将棋大会で優勝すると、初めて「アマチュア六段」に認定されます。いわば、アマチュアの最高峰が「六段」なのです。以前はアマ六段=奨励会1級といわれていましたが、最近ではアマ名人になる人は元・奨励会三段の人が多いので、「三段レベル」と云えそうですね。
★「アマチュア段位」<「女流プロ段位」<「プロ棋士段位」
現在の「女流プロ」の第一人者は、
里見香奈(女流五段、現在女流五冠、奨励会三段)です。
(里見香奈女流五段・奨励会三段)
里見香奈さんの棋力だけで「アマチュア段位」、「女流プロ段位」、「プロ棋士段位」の棋力を推し量ってみますと、「アマ名人=アマ六段=奨励会三段=女流プロ五段」ということになり、冒頭に掲げたように、同じ段位であってもアマチュアと女流プロ、プロ棋士の棋力には差があり<「アマチュア段位」<「女流プロ段位」<「プロ棋士段位」>という「棋力の不等式」が成り立つと考えられます。
(再び西山朋佳・奨励会三段)
西山朋佳さんは他の女流プロと違って、「女流プロ」には初めから所属せず、藤井聡太四段のように「正規のプロ棋士」を目指し、2010年、14歳の時、6級で奨励会に入りました。
<西山朋佳・年譜>
生年月日:1995年6月27日生(22歳)
出身地:大阪府大阪狭山市
奨励会入会:2010年3月7日(14歳)
初段昇段:2014年1月25日(18歳)
二段昇段:2014年9月21日(19歳)
三段昇段:2915年12月5日(20歳5か月)
大学:慶應義塾大学 環境情報学部
以下は現在進行中の「第61回奨励会三段リーグ」の星取表です。
https://www.shogi.or.jp/match/shoreikai/sandan/61/index.html
西山さんは今季は下から4番目の28位ですが、8回戦が終わった時点で6勝2敗、トップタイの成績です。ここから9月9日の最終戦まで18回のリーグ戦を戦い、上位2人だけが「四段」に昇段し、晴れて「プロ棋士」になれるのです。
因みに、藤井聡太四段がプロ棋士になった昨年の「第59回奨励会三段リーグ」の星取表を掲げます、
https://www.shogi.or.jp/match/shoreikai/sandan/59/index.html
この時、藤井聡太君の成績は13勝5敗!
正規のプロよりも奨励会三段リーグのほうが厳しいのだ!?
藤井聡太君は最終戦で西山朋佳さんと対戦して13勝目を挙げている!
この一戦に負けたら、藤井四段は誕生しなかった!
西山朋佳さんは藤井聡太四段の生みの親だったのだ!
西山朋佳さん、
藤井聡太四段に続いて「棋士」になり、
将棋界に新しいレジェンドを創って下さいね!