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リュウちゃんの懐メロ人生

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2019年06月27日
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カテゴリ:美術鑑賞
​​​​​​​​​​​​​​​​​
初めて観るフェルメールの珠玉の名品、
大感激!



​今年3月、大阪市立美術館で開催された「フェルメール展」を女房殿と2人で観に行ってきました。​
 
今回開催された「フェルメール展」は、過去日本で開催されたフェルメール展の中で最大規模の展覧会であり、東京・上野の森美術館では9点、大阪市立美術館では6点のフェルメール作品が一挙に展示されたのです。

以下、展示された作品を列挙してみます。

​<上野の森美術館>​
​★『牛乳を注ぐ女』、★『マルタとマリアの家のキリスト』、★『手紙を書く婦人と召使』、★『紳士とワインを飲む女』、★『手紙を書く女』、★『赤い帽子の女』、★『リュートを調弦する女』、★『真珠の首飾りの女(青いターバンの少女)』、★『取り持ち女』(以上9作品)
​<大阪市立美術館>​
​★『マルタとマリアの家のキリスト』、★『手紙を書く婦人と召使』、★『手紙を書く女』、★『リュートを調弦する女』、★『取り持ち女』、★『恋文』(大阪会場のみ)(以上6点)​

ありゃ、大阪会場には、お目当ての
「真珠の首飾りの女(青いターバンの少女)」が出品されていない、
残念!

​リュウちゃんが「フェルメール」という画家の名前を知ったのは、多分、平成12年(西暦2000年)です。この年、大阪市立美術館で、「日蘭交流400周年記念特別展覧会 フェルメールとその時代」という、日本で初めてのまとまった「フェルメー展」が開催されました。この時に展示されたのは以下の5点です。​

★『聖プラクセディス』、★『天秤を持つ女』、★『リュートを調弦する女』、★『真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)』、★『地理学者』(以上5点)
この時、リュウちゃんは大坂に勤務していて、奈良から大阪市立美術館のある天王寺を経て、梅田(大阪)にあるオフィスに通勤していたのですが、残念ながら展覧会には行きませんでした(返す返すも残念!)

​ただ、この展覧会のポスターに使われた「青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)」の残像が後々までも強烈に印象に残り、

​いつ
か本物の
「青いターバンの少女」を見たい!

​と思うようになりました。​​
残念ながら今回もその願望は果たせなかったのです。
​​現存するフェルメールの作品は、真作かどうかの疑問のある作品も含めて僅か37点、内、今回の展覧会でリュウちゃんが観ることの出来た作品は僅かに6点、​​

よし、それではブログで、
フェルメールの全作品を極めてみよう!

と思って今回のブログを書いています。

​とは言いましても、ズブの素人の悲しさ、

どのような方法でフェルメールの全作品を紹介すのがベストなのか?
で、以下のような方法で全作品を紹介することにしました。

(1)フェルメールの全作品の画像をネットからお借りしてブログに貼り付ける。
(2)説明文もネットからお借りして貼り付ける。
(3)説明文に出てくる聞き慣れない用語や作品履歴、来日履歴などは別途調べて説明文に適宜追加する。
(4)フェルメールの経歴、時代背景などもブログのどこかに挿入する。

尚、全作品の画像および説明文は以下のサイトから全面的にお借りしました。
 
また、フェルメールの経歴、時代背景などは、主として以下のサイトを借用しました。
<「ヨハネス・フェルメール」のウィキペディア>

​それでは、これから「フェルメール極め」の旅に出ます。

<フェルメール作品一覧>
 
(1)「聖プラクセディス」


制作年代:1655年、(技法::カンヴァス、油彩)、サイズ:101.6×82.6cm、所蔵:個人蔵(日本)

​(来日履歴):日本所蔵、平成27年より国立西洋美術館で常設展示​

「フェルメールの真作であるかどうかについては意見が分かれる。真作とすればもっとも初期の作。聖プラクセディスは2世紀頃の人物で、処刑されたキリスト教信者の遺体を清めることに努めたという。彼女は殉教者(絵の背景に見える)の血を含ませたスポンジを絞っている。本作品は、フェリーチェ・フィケレッリ(1605年 - 1669年?)というイタリアの画家が10年ほど前に描いた『聖プラクセディス』の写しと思われる」
​「著名なフェルメール研究者である美術史家アーサー・ウィーロックが、『聖プラクセディス』はフェルメールの真作であると主張し始めたのは1986年からである。2014年7月8日に、ロンドンで大手オークションのクリスティーズで競売にかけられた。落札価格予想は600万ポンドから800万ポンドだったが、結局624万2500ポンド(10億8600万円)で落札され、売上の一部がバーバラの出身地ポーランドの自閉症研究施設の支援にあてられた。新たな所有者からこの作品の寄託を受けた日本の国立西洋美術館は、2015年3月17日よりこの作品を常設展示している」
​​(2)「マリアとマルタの家のキリスト」​​


制作年代:1654年 - 1655年頃(、技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:58.5×141.5cm、所蔵:スコットランド国立美術館(スコットランド、エディンバラ)

​​(来日履歴):2回(平成20年、「フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち-」 東京都美術館)(平成30年-31年、「フェルメール展 」上野の森美術館、大阪市立美術館)​

​「現存するフェルメール作品のうち、サイズの点では最大のもの。画題は『ルカによる福音書』10章のエピソードに基づく。キリストはマルタとマリアという姉妹の家に招待された。マルタはキリストをもてなすため忙しく働いている。一方で、マリアは座り込んだままキリストの言葉に耳を傾け、働こうとしない。マリアをなじるマルタに対してキリストはこう言った「マルタ、マルタ。あなたは多くのことに心を配り、思いわずらっている。しかし、大切なことは1つしかない。そしてマリアは良い方の選択をしたのだ」。マリアの頬に手を当てるポーズは図像学的にはメランコリーを意味し、マリアが裸足であるのはキリストへの謙譲を意味する」​

​(3)「ディアナとニンフたち」​​


制作年代:1655年 - 1656年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:97.8×104.6cm、所蔵:マウリッツハイス美術館(オランダ、デン・ハーグ)

​​(来日履歴):4回(昭和43~44年、国立西洋美術館、京都市美術館 )、(昭和59年、、国立西洋美術館、愛知県美術館)(平成20年、「フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち-」 東京都美術館)(平成24-25年、 「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」 東京都美術館、神戸市立博物館)​​

​「現存するフェルメール作品のうち、神話の登場人物を題材にした唯一のもの。多くの研究者がフェルメールの真作とするが、小林頼子のように疑問を呈する研究者もある。一番手前の人物がディアナ(頭上の三日月の飾りとウエストに巻いた動物の皮からそれと分かる)。ニンフの一人がディアナの足を洗っているのは、キリストが弟子の足を洗ったエピソードを思わせる。他にも前景の水盤(純潔の象徴)、アザミ(受難の象徴)などのキリスト教的シンボルが目につく。ディアナの隣のニンフが自分の足をつかんでいるのも、十字架に足を釘付けされたキリストの受難を暗示する。画面左端の犬(スプリンガー・スパニエル)は、現存するフェルメール作品に登場する唯一の犬である」​
★この作品は、昭和43~44年、フェルメールの作品として初めて日本の展覧会に登場しました。

​​(4)「取り持ち女」​​


制作年代:1656年、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:140×130cm、所蔵:アルテ・マイスター絵画館(ドイツ、ドレスデン)

​​(来日履歴):1回(平成30年-31年、「フェルメール展」上野の森美術館、大阪市立美術館)​​

​​「フェルメールが描いた最初期の風俗画、売春宿の情景が描かれた作品である。描かれている女性二人のうち、左側が取り持ち女と呼ばれる娼婦と客との仲介をする女性で、男性二人のうち左側の人物はフェルメールの自画像だと考える研究者もいる。『天文学者』、『地理学者』とともに、フェルメール自身の署名と制作年が記されているわずか3点の絵画の一つである」​

​​(5)「眠る女」​​


制作年代:1657年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:87.6×76.5cm、所蔵:メトロポリタン美術館(アメリカ合衆国、ニューヨーク)

​(来日履歴):なし、​

​「室内の女性を描いた作品のうちもっとも初期のもの。画中にあるライオンの頭部の飾りのついた椅子、東洋風の絨毯、白いワイン入れなどは、以後のフェルメールの作品にしばしば登場する。テーブルの上の2つのワイングラス(1つは倒れている)は、女が酒に酔って眠り、家庭の主婦としての勤めをおろそかにしていることを暗示している。テーブルの上の果物の鉢も性的な堕落を示唆するものである。女の背後の壁に掛けられた絵は、暗くてよく見えないが、キューピッドが仮面(虚偽の愛)を踏み付けている様子がわずかに見える。女の背後の開けっぱなしのドアの向こうには隣の部屋が見える。X線写真によると、絵のこの部分には犬(やはり性的なものを示唆する)と、一人の男が描かれていたが、後に画家によって塗りつぶされたことが明らかになっている」​

​(6)「窓辺で手紙を読む女」


制作年代:1657年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:83×64.5cm、所蔵:アルテ・マイスター絵画館

​​来日履歴):2回(昭和49年、国立西洋美術館、京都国立博物館)(平成17年、兵庫県立美術館、国立西洋美術館)​​

​「左方から光の入る室内にたたずむ女性というフェルメールの典型的作品のうち、もっとも早い時期のものとされる。女性の手前にはリンゴ、桃などが盛られた果物鉢が見える。傾いた鉢からこぼれるこれらの果物は堕罪や許されざる愛を暗示し、開かれた窓は外界への憧れを暗示する。X線写真によって、背景の壁には当初キューピッドの絵が掛けられ、画面右手前にはワイングラスが描かれていたが、後に塗りつぶされたことがわかっている。キューピッドやワイングラスは、画中の女性が読む手紙が不倫相手からのものであることをさらに強く暗示する」​

​(7)「小路」


制作年代:1657 - 1658年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:53.5×43.5cm、所蔵:アムステルダム国立美術館(オランダ、アムステルダム)

​​(来日履歴):1回(平成20年、「フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち-」 東京都美術館)
​​
​​「フェルメールの2点しか現存しない風景画のうちの1つ(もう1点は『デルフトの眺望』)。デルフト市内のどこで描かれたかについては諸説あり、特定の場所を描いたものではないとする説も有力である」
​​
​​(8)「士官と笑う娘」​​


制作年代:1658年 - 1660年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:50.5×46cm、所蔵:フリック・コレクション(アメリカ合衆国、ニューヨーク)

​(来日履歴):なし、​

​「ワインを飲む女性と男性というテーマの作品は他に2点ある(『紳士とワインを飲む女』、『ワイングラスを持つ娘』)。女性の服は『窓辺で手紙を読む女』の女性の服と似ている。女性に比べ、手前の男性が不釣合いに大きく描かれているのは、作画にカメラ・オブスクラ(※)を利用したためと言われている。背景の地図はウィレム・ヤンスゾーン・ブラウが1620年に出版したホラント州と西フリースラントの地図で、『青衣の女』にも描かれている」​

​​(※)カメラ・オブスクラ→「暗い部屋」の意味。写真の原理による投影像を得る装置で、実用的な用途としてはもっぱら素描などのために使われた。写真術の歴史においても重要で、写真機を「カメラ」と呼ぶのはカメラ・オブスクラに由来する。最初に「カメラ・オブスクラ」という言葉を用いたのはヨハネス・ケプラーとされる。
​​
(カメラ・オブスクラの原理)




​​(9)「牛乳を注ぐ女」​​


制作年代:1658年 - 1660年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:45.4×40.6cm、所蔵:アムステルダム国立美術館(オランダ、アムステルダム)

​​(来日履歴):2回(平成19年、国立新美術館)(平成30年-31年、「フェルメール展」上野の森美術館)​​

​「『デルフトの眺望』『真珠の耳飾の少女(青いターバンの少女』とともに、フェルメールのもっとも著名な作品の一つ、この作品には、簡素な部屋の中でメイドが、牛乳をテーブル上のずんぐりとした陶製の容器に丁寧に注ぎ入れている情景が描かれている。さらにテーブルの上にはさまざまなパンが描かれている。メイドは若くがっしりとした身体つきの女性として表現され、ぱりっとしたリンネルのキャップ、青いエプロン、しっかりした肘まで捲りあげた分厚い作業着を着用している。背景の壁の床との接地面にはデルフト陶器のタイルが嵌めこまれている。左のタイルにはキューピッドの、右のタイルには長い棒を持った人物の装飾画があり、さらにタイルの前面の床には四角い足温器が置かれている。画面左側に描かれた窓からは日光が射し込んでいる[[壁、パン、籠、陶器などの質感描写が高く評価されている。画面右下の箱状のものは足温器。フェルメールの作品には女性像が多いが、働く女中を単独で表したものはこれ1点のみである」
​(10)「紳士とワインを飲む女」​​


制作年代:1658年 - 1660年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:65×77cm、所蔵:絵画館(ドイツ、ベルリン)

​​(来日履歴):1回(平成30年-31年、「フェルメール展 」 上野の森美術館)​​​

​「邦題は『ぶどう酒のグラス』とも。室内の男女、ワインを飲む女性というテーマは明らかに男性から女性への誘惑を意味している。椅子に置かれた楽器(シターン)も恋愛と関わり深いモチーフである。男性の手はテーブルの上のデカンタの取っ手をつかみ、女性にもっとワインを飲ませようとするかに見える。窓の色ガラスには片手に直角定規、片手に馬の手綱とくつわ(欲望の統制を寓意する)を持つ「節制」の寓意像が表され、女性の行為に警告を発している」​

​(11)「ワイングラスを持つ娘」​​


制作年代:1659年 - 1660年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:77.5×66.7cm、所蔵:ヘルツォーク・アントン・ウルリッヒ美術館(ドイツ)

​​(来日履歴):1回(平成20年、「フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち-」 東京都美術館)​
​「邦題は『2人の紳士と女』とも。室内の男女とワインという道具立ては『紳士とワインを飲む女』と似ているが、もう一人の男性が加わることと、女性の仕草にワインを飲むべきかためらっている様子の見えることが異なっている。男性2人の関係はあいまいで、女性に飲酒を勧めている男性は、後方に腰掛ける男性と女性との間を取り持っているとも見られている。窓ガラスの「節制」の寓意像は『ぶどう酒のグラス』と同じ。背景の画中画に描かれた男性の視線はワイングラスを持つ女性の方に向けられ、この場のなりゆきを見守るかのようである」​

​(12)「中断された音楽の稽古」​​


制作年代:1660年 - 1661年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:39.3×44.4cm、所蔵:フリック・コレクション

(来日履歴):なし、
​「音楽は恋愛と関連の深いモチーフである。左上の壁に掛けられた鳥篭は、家庭の主婦に期待される貞節を暗示する。背景の画中画は黒ずんでよく見えないが、片手にカードを持つキューピッドの像で、「真実の愛はただ一人の人のためにある」という寓意を表すとされる。全体に画面の損傷が大きい」​

​(13)「デルフトの眺望」


制作年代:1660〜1661年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:96.5×115.7cm、所蔵:マウリッツハイス美術館

​(来日履歴):なし、​

​「運河と市壁に囲まれた都市デルフトを市の南端にあるスヒー川の対岸から眺めた図。中央にスヒーダム門、右にロッテルダム門が描かれ、スヒーダム門の時計から、時間が朝の7時過ぎであることがわかる。2つの門の間からは新教会の塔がひときわ明るく照らされているのが見える。マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』に言及されていることで著名な作品である。『失われた時を求めて』で重要なモチーフになっている「黄色い壁」はロッテルダム門の左に見えるが、実際は「壁」ではなく屋根であると思われる」​

​(14)「音楽の稽古」​​


制作年代:1662年 - 1664年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:74×64.5cm、所蔵:ロイヤル・コレクション(イギリス、バッキンガム宮殿)

​(来日履歴):なし、
​「女性が弾く楽器はヴァージナル(※)で、その蓋には「音楽は喜びの伴侶、悲しみの薬」というラテン語の銘がある。ヴァージナルの上に掛かる鏡は女性の姿を正しく写しておらず、鏡の中の女性の顔は音楽教師の男性の方へ向けられている。鏡の中には画家のイーゼルの一部も写りこんでいる。エックス線写真によると、当初は男女の距離はもっと近く、女性の頭部は男性の方に向いていた」
(※)ヴァ―ジナル→チェンバロ属の小型撥弦(はつげん)鍵盤楽器、ルネサンス、バロック期に家庭用鍵盤楽器として広く愛用された。​


​(フランドルのハンス・ルッカースのスピネット型ヴァージナル(1583年)​
<現代製ヴァ―ジナルによるバッハの演奏>
 
​​(15)「青衣の女」


制作年代:1663年 - 1664年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:46.6×39.1cm、所蔵:アムステルダム国立美術館

​​(来日履歴):1回(平成23年、京都市美術館、宮城県美術館、Bunkamuraザ・ミュージアム)​​

​「フェルメールの画業の最盛期である1660年代半ばに何点か描かれた、室内の女性単独像の1つである。画面向かって左から光が差す点は他の作品と共通しているが、他の作品と異なり、窓そのものは画面に描かれていない。女性は妊娠しているように見えるが、この当時の女性のファッションはふくよかなシルエットが好まれ、厚手の綿の入ったスカートをはいているために妊娠しているように見えるのだという説もある。この点は、『天秤を持つ女』『真珠の首飾りの女』にも共通する」​

​(16)「天秤を持つ女」​​


制作年代:1664年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:39.7×35.5cm、所蔵:ナショナル・ギャラリー(アメリカ合衆国、ワシントンD.C.)

​​(来日履歴):1回(平成12年、「日蘭交流400周年記念特別展覧会 フェルメールとその時代」 大阪市立美術館)​​

​「左から光が差す室内に立つ女性というテーマはおなじみのものだが、本作品では閉じられたカーテンを通してわずかに光が差すのみである点が他の作品と異なる。テーブルの上には宝石箱と真珠のネックレスが見え、光を反映している。女性が右手に持つ天秤は真珠か金貨を量っているように見えるが、実際には天秤の皿の上には何も乗っていない。女性の背後の絵は「最後の審判」、つまり、人間の魂が秤にかけられ、天国と地獄に振り分けられる様を表している」​

​(17)「水差しを持つ女」​​


制作年代:1664年 - 1665年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:45.7×40.6cm、所蔵:メトロポリタン美術館

​(来日履歴):1回(平成28年、福島県立美術館、京都市美術館)​

​「左から光が差す室内に立つ女性という、おなじみのテーマである。女性は右手を窓枠にかけ、左手でテーブルの上の水差し(純潔や節制の象徴とされる)の取っ手をつかむ。窓の外に水差しの水を捨てようとしているかに見える。テーブルの上の宝石箱は虚栄を表すモチーフである。女性は「節制」を捨て、「虚栄」に走るべきかどうかの岐路に立っているのであろうか」​

​​(18)[リュートを調弦する女」​​


制作年代:1664年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:51.4×45.7cm、所蔵:メトロポリタン美術館

​​(来日履歴):3回(平成12年、「日蘭交流400周年記念特別展覧会 フェルメールとその時代」 大阪市立美術館)(平成20年、「フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち-」 東京都美術館)(平成30年-31年、「フェルメール展 」上野の森美術館、大阪市立美術館)​​

​「題名は『窓辺でリュートを弾く女』とされることもあるが、画中の女性はリュート(※1)を弾いているのではなく、調弦していている手をふと休めたところである。このことは右手の構え方や、右手が触れている弦と左手が触れているペグ(糸巻)が異なっていることから判断できる。女性は窓の外を見つめ、誰か(おそらくは恋人)のやって来るのを心待ちにしている風情である。本作品は保存状態が悪いために傷みが激しく、また画面の暗さのため分かりづらいが、画中にはもう1つの楽器<ビオラ・ダ・ガンバ(米2)>があり、向かって右には空席の椅子があることも、やがてやって来る来訪者のあることを暗示している」​

(※1)リュート→左手で抱えて右手で弦を弾く撥弦楽器(はつげんがっき)の一種、ルネサンス期からバロック期にかけて広くヨーロッパで愛用された「リュート属」の楽器の一つ(ギターもリュート属の楽器です)​


​(ルネサンスリュート)​

<バッハ:リュート組曲第3番~リュートによる演奏>

 

<レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲より「シチリア―ナ」~つのだたかしのリュート演奏>
 
(※2)ビオラ・ダ・ガンバ→「ビオラ」はヴァイオリンなどの擦弦(さつげん)楽器の総称、「ビオラ・ダ・ガンバ」とは「脚のビオラ」の意味で、楽器を脚で支えることに由来する(これに対して「ビオラ・ダ・ブラッチョ(=腕のヴィオラ)」と呼ばれたのがヴァイオリン属)。ヴァイオリン属のチェロに似ているが、全く別系統の楽器である。​


​(ビオラ・ダ・ガンバ)​

<小池香織さんのビオラ・ダ・ガンバ演奏>
 
​(19)「真珠の首飾りの女」


制作年代:1664年頃m、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:51.2×45.1cm、所蔵:絵画館(ドイツ、ベルリン)

​​(来日履歴):1回(平成24年、 「ベルリン国立美術館展」国立西洋美術館、九州国立博物館)​​

​「左から光が差す室内に立つ女性という、おなじみのテーマである。髪にリボン、耳に真珠のイヤリングを付けた女性は、真珠のネックレスに付けたリボンを持ち上げ、左の壁に掛かった鏡を見つめている。鏡、宝石などのモチーフは伝統的に虚栄を表すものである。背景は白い壁のみだが、エックス線写真により、当初は壁にネーデルラントの地図が掛けられていたのを後に塗りつぶしたことがわかっている。女性の着ている毛皮の縁のついた黄色の上着は『手紙を書く女』『婦人と召使』など、他のいくつかの作品にも登場するもので、フェルメールの死後に作成された財産目録にはこの上着に該当すると思われる「白の縁取りのついた黄色のサテンのコート」が記されている」​

​(20)「手紙を書く女」​​


制作年代:1665年頃、(技法:カンヴァス、油彩)、サイズ:45×39.9cm、所蔵:ナショナル・ギャラリー

​​(来日履歴):4回(昭和62年)、(平成11年、国立西洋美術館 )(平成23年、京都市美術館、宮城県美術館、Bunkamuraザ・ミュージアム)(平成30年-31年、「フェルメール展 上野の森美術館、大阪市立美術館」​

​「画中の若い女性は、羽ペンを持って手紙を書く手を止めて鑑賞者の方へ視線を向けている。手紙を書いていた女性が何かに気を取られ、優雅に振り向く情景が描かれている。女性が身につけている首飾りには10個の、イヤリングには2個の真珠が、それぞれあしらわれている。白い毛皮の縁のついた黄色い上着、テーブルの上の宝石箱とリボンのついた真珠のネックレスなどのモチーフは他の作品にも使われているものである。フェルメールの作品の多くは、自身が住んでいた父祖伝来の屋敷の屋内を背景として描かれている。女性の上着、テーブルクロス、真珠の首飾りなど、この作品に描かれているものが、他のフェルメールの作品にも繰返し描かれている。これらはフェルメール本人かその家族が実際に所持していたもので、描かれている人物像もフェルメールの近親者だった可能性が指摘されている。フェルメール自身はモデルを雇いたかったが、財政が逼迫しており妻子に平穏で豊かな生活を与えるだけの金銭的余裕もなかったということが、その作品に暗示されているとする説もある」​

以上、やっと20作品を紹介することが出来ました。残るはあと17作品、この17作品は次回のブログ「初めてのフェルメール展(大阪市立美術館)(下)」で一挙に紹介する予定です。

今回の「フェルメール極め」のブログ、
無事に完結出来ますことやら?

​<以下、「初めてのフェルメール展(大阪市立美術館)(下)」に続きます>​
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最終更新日  2019年06月28日 05時06分24秒
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