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カテゴリ:美空ひばり
ひばりちゃんは、中学3年生進学時点で、 44曲の「持ち歌」があった! 「その1」に続く、第2弾です、今回は、ひばりちゃん13歳(中学1年生)から、14歳(中学3年生)の歌を採り上げます。具体的な歌の紹介に入る前に、「前書き」としまして、今回のブログの「ルール」について書いてみます。 <前書き> ★美空ひばりの誕生日は、昭和12年(1937年)5月29日です。「データ」の「年齢」は、この誕生日から起算しています。本ブログでは、ひばりちゃん13歳から14歳の歌を採り上げます。年齢・学年は、録音日ではなく、レコード発売日の日付けと致します。ここで言う「13歳」とは、レコードが昭和25年5月29日~昭和26年5月28日の間に発売された歌ということです。同じく、「14歳」とは、昭和26年5月29日~昭和27年5月28日の間にレコードが発売された歌ということになります。 ★美空ひばりは昭和25年(1950年)3月22日に滝頭小学校を卒業、同年4月1日に「精華学園中学校」に入学しています。本ブログの「中学校1年生」とは、昭和25年4月1日~昭和26年3月31日の間に発売された歌、「中学2年生」とは、昭和26年4月1日~昭和27年3月31日の間に発売された歌、「中学3年生」とは、昭和27年4月1日~昭和28年3月31日の間に発売された歌ということになります。 年齢と学年とは、ズレがあり、ややこしいのですが、以上のようなルールで「データ」を表記して行きます。 ★前回と同様に、採り上げる歌に「曲番」を付けます。この「曲番」は、平成元年8月21日に発売された35枚組・517曲のひばりのオリジナル曲のコンプリートCD「今日の我に明日は勝つ/美空ひばり大全集~さようなら、そしてありがとう・・・~」の曲順に準拠しています。デビュー曲「河童ブギウギ」が「1番」、ラストの「川の流れのように」が「517番」という次第です。 ★美空ひばりは、日本映画データベースによりますと、生涯に166本の映画に出演しています。特に初期の歌の殆どは、映画の主題歌や挿入歌としてリリースされています。また、初期のモノクロ映画の殆どは、無料視聴の出来る全長版がYou-Tubeにアップされています。今回からは、全長版がアップされている映画作品につきましては、なるべく本ブログに貼り付ける予定です。それが煩わしいとお思いになる方は、その部分をスルーしてブログをご覧下さいね。 ★前回のブログと同じように、リュウちゃん独断の「評点」を入れます。 この「評点」は、「S・特A・A・B」の四段階になっています。 「S評点」:このCDアルバムで初めて聴いて、大感激した歌、 「特A評点」:以前から知っていた歌の中で、特に「名曲」だと思った歌。また、このCDアルバムで初めて知った歌で、S評点まではいかないが、「名曲」だと思った歌。 「A評点」:このCDアルバムで初めて聴いた歌と、以前から知っていた歌で、「名曲」とは言えないものの、「いい曲」だと思った歌。 「B評点」:S・A評価以外の歌、 (※)この「評点」は、一般的に認知されている評価ではなく、あくまでもリュウちゃんの独善的な「評価」だということを最初に御断りしておきます。 尚、「カラオケあり」と表示した歌は、現在、第一興商の15万曲レベルの通信カラオケに入っている楽曲です。 因みに、リュウちゃんは、ひばりの十代の「カラオケあり」の歌は、全てレパートリー曲なのです。 またまた「前置き」が長くなってしまいました。 ここから、楽曲に入ります。 (8)<18番>「私は街の子」 ↑ ここをクリック(以下同様) (データ)★発売日:昭和26年2月20日(ひばり13歳、中学1年生)、★作詞:藤浦 洸、作曲:上原げんと、★映画「父恋し」主題歌、★カラオケあり。リュウちゃんの評点:B、 「ひばりのマドロスさん」(104番)や「港町十三番地」(194番)などで、「ひばりのマドロス物」というジャンルを創り出した作曲家「上原げんと」の初めてのひばり作品です。上原げんとがひばりちゃんに提供した歌を数え上げてみましたところ、「44曲」ありました! この歌もリュウちゃんは子供の頃、ラジオを聴いて自然に覚えました。 但し、歌詞の冒頭、「♪~私は街の子 巷の子~♪」の「巷(ちまた)」という言葉が分からず、幼いリュウちゃんは、「♪~私は街の子 田舎の子~♪」と歌ったのでした(苦笑) 以下に、映画「父恋し」の「私は街の子」を歌うシーンのYou-Tubeを貼り付けます。 <映画「父恋し」~「私は街の子」> (9)<19番>「ひばりの花売娘」 (ひばりの花売り娘」復刻盤ジャケット) (データ)★発売日:昭和26年2月20日(ひばり13歳)、★作詞:藤浦 洸、作曲:上原げんと、★映画「父恋し」主題歌(「私は街の子」のB面曲)、★カラオケあり、★評点:A、 「私は街の子」のB面曲として発売、この歌も子供の頃、ラジオで聴いて自然に覚えたのです。リュウちゃんは「私は街の子」よりも断然、この歌が「お気に入り」で、今でもカラオケでよく歌います。 作曲の上原げんとは、岡 晴夫の為に「上海の花売娘」、「広東の花売娘」、そしてリュウちゃんの生まれた昭和21年には「東京の花売娘」を作曲しました。 いわば、「花売娘」というジャンルの専門家なのです。 <岡 晴夫「東京の花売娘」> 岡 晴夫の「花売娘」の歌は、現在のリュウちゃんの耳には、古色蒼然の感がしますが、ひばりちゃんの「花売娘」は、現在でも全然色褪せず、常に新鮮なのです。 この歌も映画「父恋し」の主題歌とオフィシャル・クレジットされていますが、映画を観ました限りでは、どこにもこの歌は出て来ません。 <映画「父恋し」全長版(66分)> 13歳当時のひばりが、「花売娘」を歌っている映像を発見! <ひばりの花売娘> この映像、「映画」の一部の筈ですが、「父恋し」の前後の出演映画を調べても、該当する作品が見当たらない!??? しかも、メロディが2カ所、レコードと違っている!??? これはリュウちゃんにとりましては「謎」です。 上記の映像のタイトルがお判りになる方がいらっしゃいましたら、教えていただければ幸いなのです。 (10)<21番>「泥んこブギ」 (データ)★発売日:昭和26年4月25日(13歳、中学2年生)、作詞:藤浦 洸、作曲:万城目正、★映画「泣きぬれた人形」主題歌、★カラオケあり、評点:A、 ひばりちゃんの4曲目のブギウギ・ソングです。これまでの3曲は長調の軽快なテンポの歌だったのですが、「泥んこブギ」は短調で作曲されていて、ちょっと重量感のある歌になっています。 この歌、リュウちゃんは幼い頃に聴いた記憶はありません。平成元年に購入した35枚組のCDで初めて聴いて、気に入った歌なのです。今ではリュウちゃんがカラオケで「美空ひばり特集」をやる時には、最初にこの歌を歌うことにしています。 ひばりファンでも殆ど知らないこの歌を 最初に歌うことにより、 聞く人のド肝を抜く! これがリュウちゃんの作戦なのです(苦笑) この歌は昭和26年5月に公開された映画「泣きぬれた人形」の主題歌です。以下に、「泥んこブギ」を歌っているシーンのYou-Tubeを貼り付けます。 <映画「泣きぬれた人形」より、「泥んこブギ」> 更に、映画「泣きぬれた人形」の全長版のYou-Tubeを以下に貼り付けます。 <映画「泣きぬれた人形」全長版> 下の写真は、映画「泣きぬれた人形」のスチル写真です。 ひばりちゃんの右側の清楚な美人、 誰なのだ!??? その人の名は、、、 桂木洋子(様)です。 桂木洋子は、昭和5年生まれ、美空ひばりよりも7歳年上の清純派女優です。ひばりとの共演は、「泣きぬれた人形」を始め、「陽気な渡り鳥」、「牛若丸」、「青春ロマンスシート・青草に座す」と、4作品があります。 よし、桂木洋子を観るために 「泣きぬれた人形」の全長版を 観て見よう(苦笑) (11)<23番>「角兵衛獅子の唄」 (データ)★発売日:昭和26年5月19日(13歳)、★作詞:西條八十、作曲:万城目正、★映画「鞍馬天狗・角兵衛獅子」主題歌、★カラオケあり、評点:B、 <17番>の「越後獅子の唄」に続く、ひばりちゃんの角兵衛獅子ソングの第2弾です。この歌も「越後獅子の唄」と同じく、作詞:西條八十、作曲:万城目 正のコンビの歌です。 今回は、嵐 寛壽郎(あらし かんじゅうろう)の当たり役、映画「鞍馬天狗」で、鞍馬天狗を慕う角兵衛獅子の少年「杉作」をひばりちゃんが演じ、「杉作の歌」として、この歌が歌われているのです。 <映画「鞍馬天狗・角兵衛獅子」、23分バージョン> 嵐 寛壽郎(アラカン)は、生涯に46本の鞍馬天狗の映画を作りました。渥美清の「寅さんシリーズ」に次ぐ長寿シリーズだったのですね。 アラカンが「鞍馬天狗」を引き受けた理由の一つとして、、杉作という子供のキャラクターを挙げ、「昔から、子供の出る芝居は必ず当たるんですね、、、」と語っています。 「鞍馬天狗」における杉作少年は、それほど重要な役柄なので、46本の「鞍馬天狗」の映画には、必ず杉作少年が登場します。ひばりちゃんは、46本中、3本で杉作少年を演じたのでした。 リュウちゃんがカラオケで、「越後獅子の唄」を歌う時には、必ず「角兵衛獅子の他」と、後述の「旅の角兵衛獅子」の3曲をセットで歌います。「越後獅子の唄」は誰でも知っているのですが、他の2曲は殆ど誰も知らない、 これも「泥んこブギ」と同じように。聞く人のド肝を抜くリュウちゃんの作戦なのです(苦笑) (12)<32番>「父恋し母恋し」 (データ)★発売日:昭和26年8月15日(14歳)、★作詞:藤浦 洸、作曲:万城目正、★映画「ひばりの子守唄」主題歌、カラオケ無し、評点:特A、 この歌は35枚組のCDで初めて聴いた歌です。歌い出しの「♪~夜の荒野に鳴く雉の~♪」のメロディは「ミーミーミードシラ―シ―ラシファミレーファーミー」と、「ヨナ抜き」ならぬ、「ヨナ中心」の奇妙な感じになっていて、最初はあまり馴染めなかったのですが、聴くほどに「いい歌だなぁ~」と思うようになりました。特に歌詞後半の「♪~ああ 父恋し母恋し~♪」の「ミーミーードドシラ―ミ―ラソファミーミー」の「ラソファミーミー(母恋し)」の部分にシビれてしまったのです。 カラオケで唄って見たい! この歌は、映画「ひばりの子守唄」の主題歌です。映画「ひばりの子守唄」はドイツの作家・エーリッヒ・ケストナーの「二人のロッテ」の翻案で、ひばりちゃんは、「すみれ」と「ひばり」の「一人二役」を演じています。 「子守唄」というタイトルから受ける感じと違い、明るい映画になっているのです。 <映画「ひばりの子守唄」、46分バージョン> (13)<35番>「あの丘越えて」 (データ)★発売日:昭和26年9月15日(14歳)、★詞:菊田一夫、曲:万城目正、★映画「あの丘越えて」主題歌、カラオケあり、評点:A、 この歌も少年時代に自然と覚えた歌です。短調で作曲された明るい曲、歌詞の最後「ヤッホー ヤッホー」の部分も、「ラミー ドラ―」と短調になっています。ひばりちゃんの少女期を代表する歌の一つで、後年、「演歌の女王」とよばれるようになってからも、よくコンサートなどで歌っていました。 以下の写真は、映画「あの丘越えて」のポスターとスチルです。 (映画「あの丘越えて」:鶴田浩二と美空ひばり) ひばりちゃんはこの映画で、当時、人気絶頂だった鶴田浩二と初めて共演、以後、鶴田のことを、「お兄ちゃん」と呼んで慕うようになりました。多分、ひばりちゃんの「初恋」だったのかも知れませんね。この時、鶴田浩二は27歳、ひばりちゃんより13歳年上だったのです。映画の学生服姿はちょっと無理があったとリュウちゃんは思っているのです。 <映画「あの丘越えて」(全長版)> (14)<38番>「陽気な渡り鳥」 (データ)★発売日:昭和26年12月25日(14歳)、★作詞:和田隆夫、曲:万城目正、★映画「陽気な渡り鳥」主題歌、カラオケあり、評点:A、 この歌も35枚組のCDで初めて知った歌です。歌い出しの「♪~旅のつばくろ わびしじゃないか~♪」は、松平晃の「サーカスの唄」の「♪~旅のつばくろ 寂しかないか~♪」(詞:西條八十)とほぼ居同じです。で、リュウちゃんはこの歌を「ひばりちゃんのサーカスの唄」だと、ずっと思っていたのですが、「サーカス」ではなく、「女剣劇一座」だったということを、つい最近知りました。 下記は「陽気な渡り鳥」の映画のポスターです。 上掲のポスターで、一番写真は大きいのは、女奇術師を演じた淡島千景です。淡島千景は、宝塚のトップスターであり、この頃は映画女優としてもトップの地位を築きつつあった時代なのです。この映画出演時には芳紀27歳(鶴田浩二と同い年)、美しかったのですね。 ポスターの一番左側は、「泣きぬれた人形」で共演した桂木洋子、今回は保育園の先生の役柄なので、ちょっと地味な役柄でした。 <映画「陽気な渡り鳥」、前編> この映画のラストで、ひばりちゃんは。「アナタハン島」から生還した実の父親と巡り逢い、ハッピーエンドになります。 「アナタハン島」、 変な名前の島ですが、マリアナ諸島にある実在する火山島です。昭和25年頃、「アナタハン島女王事件」という猟奇的な事件が世間を賑わせましたが、この映画も、事件を反映しているのかも知れませんね。 (15)<40番>「ピアノとヴァイオリン」 (データ)★発売日:昭和27年2月15日(14歳)、作詞:米山正夫、作曲:米山正夫、★カラオケ無し、評点:特B、(米山正夫作詞作曲第1作)、 スイング・ジャズのモダンな曲です。途中、「もしもし亀よ~」や「お手手つないで~」や、「ひばりの花売り娘」のメロディが伴奏される遊び心タップリな曲です。 ひばりちゃんのリズム感も素晴らしい! この歌は、後にひばりちゃんの最重要作曲家の一人になる米山正夫の「ひばりデビュー曲」です。彼はひばりちゃんに、「リンゴ追分」、「津軽のふるさと」、「日和下駄」、「長崎の蝶々さん」、「花笠道中」、「大川ながし」、「車屋さん」、「関東春雨傘」など、計83曲の楽曲を提供しました。この曲数は、万城目 正に次いで 「第2位」なのです。その多くは「作詞・作曲:米山正夫」なのです。 <米山正夫について> 米山正夫(1912年~1985年)は、太平洋戦争中の昭和17年に、高峰秀子の歌唱で「森の水車」を発売しましたが、アメリカ的な「敵性音楽」であるとして、発売僅か4日で、発売禁止になってしまいました。 <高峰秀子「森の水車」> この歌、今でも少しも色褪せない永遠の愛唱曲ですね。リュウちゃんが地元で指導している「歌声クラブ」でも、人気曲の一つとして、よく歌っているのです(昭和26年に並木路子がリリースしたレコードは大ヒットしました) <並木路子「森の水車」> 戦後には、ひばりちゃんに提供した楽曲の他に、近江俊郎の「山小屋の灯」、「南の薔薇」、美樹克彦の「花はおそかった」、水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」、美川憲一の「おんなの朝」など、モダンな歌を数多く残したのです。 (16)<42番>「いで湯の灯」 (データ)★発売日:昭和27年3月10日(14歳)、★作詞:西條八十、作曲:上原げんと、★カラオケ無し、評点:A、 詞のニュアンスが、近江俊郎の大ヒット曲「湯の町エレジー」に似た歌です。三味線の伴奏による、細い単純な旋律線の歌で、ひばりちゃんはその旋律を普通になぞっているだけなのですが、聴けば聴くほど、哀感が胸に迫って来る稀有な歌だとリュウちゃんは思っているのです。 (17)<43番>「旅の角兵衛獅子」 (データ)★発売日:昭和27年3月20日(14歳)、★作詞:西條八十、作曲:万城目正、★映画「鞍馬天狗・天狗廻状」主題歌、カラオケあり、評点:B、 この歌は「越後獅子の唄」、「角兵衛獅子の唄」と併せ、「角兵衛獅子3部作」の最後の歌です。3部作の中では一番地味な歌で、殆どカラオケで歌う人はいないのですが、リュウちゃんは3部作を纏めて歌うことにしています。 (18)<45番>「牛若丸」 ★発売日:昭和27年4月20日(14歳、中学3年)、★作詞:西條八十、作曲:上原げんと、★映画「牛若丸」主題歌、★カラオケ無し、評点:B、 映画「牛若丸」の主題歌です。この映画でひばりちゃんは「牛若丸」と、牛若丸を慕う娘・「桔梗」の1人2役を演じました。 牛若丸の物語は、唱歌「牛若丸」の歌詞、「♪~京の五條の橋の上 大の男の弁慶は~♪」とある武蔵坊弁慶の存在も含め、殆どが実証されない伝説に過ぎないのですが、この映画に登場する「桔梗」は、どうやらこの映画のために新しく創られたキャラクターのようです。 (19)<46番>「涙の白桔梗」 ★発売日:昭和27年4月20日(14歳、中学3年)、★作詞:西條八十、作曲:上原げんと、★映画「牛若丸」主題歌(<45番>「牛若丸」のB面曲)、★カラオケ無し、評点:S、 初めての「評点:S」の歌です! この歌も、前述の「父恋し母恋し」と同じように、35枚組のCDで初めて聴いた当初は、「ちょっと奇妙な歌」だと思ったのですが、聴けば聴くほど、「素晴らしい歌だ!」と思うようになりました。 以下にこの歌の歌詞を書いてみます(詞:西條八十) ♪~1、小袖かざせば都が見える 青い賀茂川 青柳 葵祭の笛の音きけば 一度行きたや牛若様と 私は鞍馬の白桔梗 2、幼馴染の牛若様は なんでお泣きゃる日の暮れに 母が恋しとあなたが泣けば もらい泣きするみ山の雨よ 私も淋しい白桔梗 3、好きなあなたの身代わりならば なんで惜しもうこの命 山の小鳥よおさらばさらば にっこり笑って散り行く花の 私は乙女の白桔梗~♪ この歌でリュウちゃんが特に「涙ウルウル」になるのは、2番の最初に部分です。 「♪~幼馴染の牛若様は~♪」、ここの「牛若様は~」のひばりちゃんのフレージングとアーティキュレーション、正に牛若丸を恋い慕う「桔梗」その人になり切っているように感じられます。 ひばりちゃんの歌唱は、 完全に詞と歌そのものの世界に同化している。 歌と歌唱の間に隙間が無い! 正に、天才のみが為し得る絶唱なのだ! (美空ひばりの「桔梗」) 以下はこの映画のトレーラーです。 ありゃ? 何故かこの映画の牛若丸は 白いマスクをしている?? (20)<49番>「リンゴ追分」 ★発売日:昭和27年5月1日(14歳)、★作詞:小沢不二夫、作曲:米山正夫、 ★映画「リンゴ園の少女」主題歌、★カラオケあり、評点:特A、 美空ひばりファンなら誰でも知っている初期の代表曲の一つです。勿論、リュウちゃんも子供の頃に自然と覚えた歌なのです。 但し、カラオケで歌ったのは、ひばりが亡くなった前日の平成元年5月23日の夜が初めてだったのです。この歌の中間部に出てくる台詞を上手く語ることが出来ず、これまで歌うことを敬遠していたのですが、ひばりの死ぬ前日に歌って見ようと思ったのは「虫が知らせた」のかも知れませんね(でも、あの台詞は、いつになっても上手く語れないのです) 美空ひばりは、カラーテレビの時代になった「晩年」にも、この歌をよく歌っていましたね。多くのひばりファンは、この「晩年」の歌唱のほうが印象に残っているのではないでしょうか。 <美空ひばり48歳の時の「リンゴ追分」> でも、「晩年」のひばりの「リンゴ追分」は、オリジナルに比べ、5度くらい音程が下がっています。カラオケのキー・コントロールでいえば「5つ下げて」歌っているのです。で、リュウちゃんは断然「5つ上げた」オリジナルの歌唱が好きなのです。 <「追分」とは?> ところで、「リンゴ追分」の「追分」とは、何のことなのでしょうか? 「追分」のウィキペディアには、 <「道が二つに分かれる場所」のことで、甲州街道と青梅街道の分岐である新宿追分や、中山道と北国街道の分岐である信濃追分など、各地に地名として残っている。また、そこから派生して、こうした地名を冠した日本の民謡の一種(追分節)の略称として用いられることもある> とあります。 また、「追分節」のウィキペディアには、以下のように書かれています。 <日本の民謡には、「○○追分」(○○は地名)という曲が各地にあり、その多くは朗々と声を響かせてうたう歌である。著名なものに「江差追分」などがある。もともとは信濃追分(現在の長野県北佐久郡軽井沢町)付近で歌われていた馬子唄(小諸馬子唄)が、関東以北の各地を中心に広がったとされている。 追分の音楽的特徴として、 • はっきりした・明確な拍節を持っていない(調子よくパンパンと手拍子を打てない) • 音域が広い(高い声から低い声まで出さなければいけない歌が多い) • 母音を伸ばす(一音多声型。歌詞等の一文字を長く伸ばす場合が多い。西洋音楽のメリスマ参照) などが挙げられる。この為、難しい方に入る。 小泉文夫は日本音楽のこのような形式に注目し「追分形式」と呼んだ。追分形式と対照的なのが拍節感のはっきりした「八木節形式」(一音一声型、シラブル型)である> 以上、ややこしい記述になってしまいましたが、 「リンゴ追分」の「追分」は、 ♪~月夜に~月夜に~そっと~えええええええ~ええええええええ~えええ~え~え~え~えええええ~♪ と、「え~」の一音をメロディを代えながら長く伸ばして歌う部分を指す言葉なのですね。 ひばりちゃんの「追分」の歌は他に、「かもめ白波」<180番>、「おかる道ゆき」<227番>、「大川ながし」<250番>、「ギター追分」<308番>、「ひばりの佐渡情話」<314番>などがあります。 (21)<50番>「リンゴ園の少女」 ★発売日:昭和27年5月1日(14歳)、★作詞:藤浦 洸、作曲:米山正夫、★映画「リンゴ園の少女」主題歌、「リンゴ追分」のB面曲、★カラオケ無し、評点:B、 映画「リンゴ園の少女」の主題歌です。挿入歌の「リンゴ追分」が追分節を使った日本調の歌だったのですが、こちらは軽く爽やかなポップスソングですね。 ひばりちゃん14歳の時には、映画<「鞍馬天狗 角兵衛獅子」、「母を慕いて」、「ひばりの子守唄」「鞍馬天狗 鞍馬の火祭り」、「あの丘越えて」、「陽気な渡り鳥」、「鞍馬天狗 天狗廻状」>の7本が公開、歌は、<23番>の「角兵衛獅子の唄」から<50番>の「リンゴ園の少女」まで、計28曲をリリースしました。 14歳時の1年間で、 映画7本、歌28曲! 美空ひばりは僅か14歳で、 トップスターに躍り出たのだ! (以下、<「美空ひばりの517曲」その3>に続きます)
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