自賠責保険
今年4月から自動車損害賠償責任保険(以下、「自賠責保険」)の保険料が値上げされるのをご存知だろうか。 なんと、1985年4月以来20年ぶりの大幅値上げだという。これによって、自家用車の場合(2年契約)、これまでの2万7,630円から2,150円増え、2万9,780円(沖縄県、離島を除く)となる。 この値上げは、政府が2005年度予算案で国の自賠責保険への交付金を減額したためで、本来であれば、契約者の負担は3890円になるはずであったが、自動車ユーザーや運輸業界に配慮して、今回は引き上げ幅を半分程度圧縮したという。とはいえ、来春以降も段階的な引き上げが予定されているようだ。 ご存知のように自賠責保険は、強制保険で車を所有する人であれば誰もが必ず加入しなければならない。ただし、この保険の補償範囲は最小限レベルで、相手方に対してだけ。つまり対人事故のみが補償対象となっており、運転手自身が死亡またはケガをした場合の補償は一切ない。 保険金額は、常時介護が必要な場合でも最高4,000万円、傷害なら最高120万円。しかしながら、最近の事故等の賠償金が億を超えるケースもあることを考えると、保険としてはこれだけでは不十分といえる。 そして、この自賠責保険では補えないリスクをカバーするため、ユーザーとしては任意の自動車保険に別途加入するというわけだ。自賠責保険の保険料アップには対抗しようがないが、この任意保険を工夫することによってトータルの保険料を抑えることもできる。 現在、日本で発売されている自動車保険はリスク細分型が中心で、年齢や性別、地域、車種、使用目的等の個々のリスクの要素に応じて保険料が異なっている。 その割引率は保険会社によって異なるが、注目したいのは各保険会社独自の割引ポイントだ。 例えば、運転手に関しては、夫婦や個人などに限定する場合の割引や、従来は30歳未満までの区切りだった年齢が35歳以上であればさらに割引が適用される会社もある。その上、ゴールド免許保有者には優良運転手ということで優遇されることも。 また、自動車に関しては、年間走行距離が短いほど事故のリスクが軽減されるという理由での保険料優遇や、新車や盗難防止装置が付いているなど環境に優しい自動車に対する割引もある。 これらのポイントに心当たりがある人は、割安な保険料に加入できる可能性大だ。 また、すでに見直し済みという人も、最近の自動車保険は続々と新商品が登場して目まぐるしく変わる。更新時期が近ければ、これを好機と改めて検討してみてはいかがだろうか?