カテゴリ:恋ごと
「手紙には 愛あふれたりその愛は 消印の時の その時の愛」 少し昔、俵万智が詠んだ歌。 アタシはこの歌がすごく好きだ。 あやちんです。 こう天気がおセンチな日は、こんな歌を思い出すのも悪くない。 今の時代、「手紙」ってツールは年賀状くらいしか残ってないけどね。 昔、凄く好きだった男に手紙を書いた事がある。 自分一人が「彼の女」だと信じていた相手だったけど、実はアタシと付き合う前から「彼の女」は別に存在していたんだ。 しかもアタシより10も上の女。 当時、彼が25、アタシが19。 彼はプロ野球選手という素敵な看板をしょっていた。 どうしてもアタシが欲しくて「女はいない」と嘘をつきアタシを手に入れたその男は、3回目のデートの時に尻尾を出した。 女が貧血で倒れ、入院したという電話がデート中に入ったので。。。 結局その日はアタシを取ったけど。 アタシは若気の至りで、彼に突っ走っていた途中で引き返せない状態だった。 男は女の存在がバレた時、小指を立てて笑った。 それから 「週末は電話掛けんといて。」 と、言ったんだ。 お前は2番手なんだ、だから女と過ごす週末は電話するなという意味で。 結局、アホなアタシはそれから4年程、彼と付き合った。 見た事も無い女に対抗して、アタシは女を磨いた。 去年末、男友達とbarで飲んでる時 「お前は本当に綺麗になったと、あの時思った。」 と、言われるくらいに、あの時のアタシは急激に成長していったんだ。 他に何人の男と付き合ったか覚えていないけど、キープをサクサクこさえて、男に会えない悲しさや、週末の苦しさを乗り切る事に専念した。 もちろん、男と同じチームの野郎にも手を出した。 男も嫉妬に狂えばいいと思った。 でも、男が緑の芝の上で白球を追う姿が、アタシは大好きだった。 その内、男は女に捨てられた。 でも、アタシには来なかった。 そんなモンだ。 もう新鮮味もないしな。 アタシが25の時に友人から、男が結婚した事を聞かされた。 24の時に共通の知人が亡くなったという知らせを、別の友人から聞かされ、夜中妙に怖くなって電話した以来連絡を取らなかったんだけど、 「今、アタシは自分を大好きでいてくれる人と暮らしている」 と言いたくなって電話を掛けた。 「お前より、ぶっさいくな嫁でな。お前と同じ歳や。キャバクラ行ったりすると、すぐ泣くねん。やから、もう遊び出れんのよ。」 そんな事を言っていたが、嫁が妊娠して実家に帰ってるのをいい事にアタシを飲みに誘った。 アタシもより一層「いい女」になったと、認められたくて勝負に出た。 煙草嫌いな男の前で旨そうに吸ってやった。 気分が良かった。 それから、もう会ってない。 去年の秋に、ショッピングモールの中のスタバで偶然見掛けただけ。 そこには、焼きもちやきの嫁と、子供二人がいた。 エスカレーターで降りる時、目が合った。 何秒か見つめた後二人、同時に目を逸らした。。。。。。。。。。 お互い家庭を持った。 背徳心の塊だ。 「消印の時のその時の愛」 まさにコレだ。 アタシの愛は、男にはもう無い。 あるとしたら、感謝なのかもしれない。 嫉妬に狂って、どうしても自分に目を向けて欲しくて女に磨きに磨きをかけた事。 男の口には表と裏があるという事実。 バブリーな食事に、デート。 日本シリーズのチケットや、プロ野球という特殊な世界。 そして優越感。 これが、今のアタシの糧になっている。 当時19だったアタシが、もう今年29を迎えようとしている。 アタシは、あと何ヶ月かであの時の「彼の女」と同じ歳になる。 (これはフィクションではありませんw) 女性の為の検索情報 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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