安息日は携帯やパソコンをオフに ユダヤ教団体が提唱
ニューヨーク(CNN) ユダヤ教の安息日(シャバット)は、週に1度、一切の労働を休むよう定められた日。これを現代の生活に当てはめ、携帯電話やパソコンの電源を切って過ごそうと、ユダヤ系の非営利組織(NPO)が呼び掛けている。
ニューヨークに本部を置くNPO「リブート」は2003年、IT起業家やテレビプロデューサーら、最先端の業界で活躍するユダヤ教徒を中心に結成された。メンバーの1人、ダン・ロールマン氏がこのほど、伝統的な安息日の戒律を現代風にアレンジした「安息日宣言」を考案。10項目の最初に掲げられたのが、「テクノロジー(の利用)を避ける」というルールだった。
リブートはこれに合わせ、毎年1度、通信機器の電源を一斉に切る安息日を設定。その第1回目が、19日から20日にかけて実施された。
「人間同士が直接会って話す機会が減り、デジタルな接触が増えている。テクノロジーに追い回され、携帯電話が手放せない生活は息が詰まってしまう。呼吸を整えて、心の栄養補給をする機会が必要だ」と、ロールマン氏は説明する。安息日宣言の発想はユダヤ教徒だけでなく、現代社会に生きるすべての人々を念頭に置いているという。
しかし、携帯電話やパソコンはすでに、現代人の生活に不可欠といえるほど深く根付いている。ニューヨーク・マンハッタンで携帯電話を手にしたビジネスマンらに尋ねると、「上司からの連絡を逃すわけにはいかない」「友人や恋人と会う約束ができなくては困る」といった声が返ってきた。
リブート自体にも「携帯中毒」を自認するメンバーは多い。電源を切る日の呼び掛けも、まずはフェイスブックなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を通して伝達されたほどだ。マンハッタンの街角でインタビューしたある女性は、「電話やパソコンがなくても1日くらい平気。前もってフェイスブックに、24時間連絡できなくなります、と予告しておけばね」と笑った。ロールマン氏らの運動への賛同者を増やすのは、容易なことではなさそうだ。
ユダヤ教・キリスト教・イスラームは共存できるか楽天ブックス
イエスはユダヤ教より仏教に近い楽天ブックス
ユダヤ教とはなにか楽天ブックス
ユダヤ教思想における悪楽天ブックス