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ある日の朝と夜(1)朝早く、母に頼まれ車を出した。 目的地に送っていくと いつもなら後ろも振り向かず真っすぐ歩いて行ってしまう母が 珍しく私に手を振っている。 何をやってるんだろう。 不思議に思いながらも私の用事を済ませるために あちこち廻って家路を急いだ。 娘が風邪で熱を出し寝込んでいたからだ。 帰宅し、食事を食べさせると 珍しく主人も早めに帰って来た。 母はもう帰宅し お昼寝モードに入っていた。 遅れた掃除を済ませ少し休憩。主人と2階の寝室でテレビを見ていると娘がやってきた。 当時 生後2か月と10カ月のオスのヨーキーがいた。 『テデイ-とボビー2は? 連れて来なくていいの?』 二匹は娘の部屋で生活していた。 小さい方がテデイー。大きい方がボビー2だ。 三人で横になってテレビを見ていたら1階で何やら音がする。 『あ~もうそんな時間か~』 息子が帰宅してきたのだ。 足音がバタバタ大きくなり、戸を開け閉めする音がかなり響いている。 『何をやってるんだろう』 神経を1階に集中すると 何やら物が焦げる臭いが漂ってきた。 『なに これ!』 娘も共に飛び起きた。 慌てて子供部屋を確認する。ベランダからも外を覗いてみた。 異常なし。母は喘息持ちだった。母の部屋の戸を開けるのは控えた。 何故なら 煙が2階の階段に漂っていたからだ。 『下だ! 』 娘と駆け下りた。半分駆け下りて息をのんだ。 台所の戸は透明ガラスだったので中が良く見えた。 その部屋の中が真っ黒なのだ。 煙が渦巻き 竜の様になって戸のガラスの向こうで唸っていた。 『外に逃げて! 絶対戻ってきては駄目よ』 と言って娘を逃がした。 『火元は? 息子は? とにかく消さなきゃ』 まだ私の意識では消せるつもりでいた。 はだしで外に出て外から中の様子を見たが 窓が開かない 仕方が無いので 家の中に戻りキッチンの戸から中に入る 息が出来ない 中も見えない 手探りで息子を探した 息を止めて ゆっくりだが走り回っているつもりだった 下に続く
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