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思い出に抱かれて(1)テデイ- & ボビー2一か月しか一緒にいる事が出来なかったテデイとボビー2 私が救急車で運ばれている時 救急救命師の方に必至に頼んだ もし2匹が見つかったら娘に渡して欲しいと 二匹は部屋の一番奥で抱き合うように一緒にいたそうだ 最後まで忍び寄る恐怖にお互いをかばい合いながら耐えていたのだろう 姿はとてもきれいで 煙に巻かれて逝ってしまった事が分かった 本当に助けてやれなくてごめんなさい いつまでもその思いは消えない
運ばれた病院であふれる涙を拭きたくてティッシュを探した そして茫然とした ティッシュ一枚・ボールペン一本私にはなかったのだ 着替えたくても服も下着もない 病院に頼んで手術前に着る服を借りた 髪も洗いたかった 体中にこびりついた焼け焦げた匂いを消したかったのだ でも入浴は許されなかった 勿論水も飲ませてもらえない 喉を火傷していない事がはっきりするまで駄目だった 家族は喉を火傷していたら最悪の事態も心していてくれと言われていた 髪は洗面器で洗った 手足は軽く拭いた それだけでも少し気が楽になった 退院の予定が一日延びた 一日でも一時間でも早く家族の元に帰りたかった 酸素をたくさん吸入され 喉は火傷をしていない事が分かり 全身の検査とカウンセラーに掛り退院した 退院する寸前 友人が真新しい服と下着を届けてくれた その服を抱きしめて最後の涙を流した 私は大丈夫 しっかりしなきゃ 子供たちが待ってる 父と主人・子供達は 火事の当日 事情徴収を受けていた 終わったのが夜中の12時を回っていたそうだ 娘は熱があったはず 父は混乱していて自宅の間取りも画けず 当時10歳だった娘が画いた 家族は近所の方のお宅に分かれて避難していた 退院して 鎮火した家を見て廻った 酷いものだった 全てが灰だった かろうじて何があったのか分かるだけだ そこへ母の友人が訪ねてきた 悲鳴のような声で私を呼んだ 『どうして どうしてよー 私はこれからどうすればいいのー』 『ごめんなさい 本当にごめんなさい 助けたかったけど助けられなかったの』 私が強く抱き締めると腕の中で泣き崩れた 母の無二の親友の一人で すでに御主人を病気で亡くされていた それは 葬儀の時も同じだった 『どうして助けられなかったの-』 その度に 全ての説明をしなくてはならなかった 退院した日の夜 市の役員の方に連れられ避難所に移った それからが試練の始まりだった 前日のブログに続く そのまま下にスクロールして下さい
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