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(5) ルビー来たれど山河あり私はギョッとした 何が起きているのか掴めないでいた 振り向くと 駐車場の奥で 息子はたくさんの消防と警察の方に囲まれ 様々聞かれていた 息子の側にクラス担任が付いてくれていた 私は説明をほおりだして息子の側に駆け寄った 『違う!違う!悪いのはママよ! ママがばあばを助けられなかったんだから―』 と、息子を抱きしめて叫んだ。 後で分かった事だが 第一発見者である息子に事情を聞きたかったのだそうだ しかし 担任の先生が 『親同伴でないなら 私が同席する それがだめなら応じられない』 私や主人の知らないところで進もうとする息子への事情聴取から 息子をサポートして下さっていたのだ ありがたかった 結果は事件性が無いと言う事で全てがかたずいたが その後 息子は何カ月も母の位牌に向かう事が出来ず クラブ活動で行われるバーベキュー大会にも出なかった 顧問(クラス担任でもある)の先生が誘ってくれたのだが 『僕はまだそんな気になれない』 と、断っていた 学校の授業で必要な2Bの鉛筆一本 『買って欲しい』 と言えなかった お金も大変だと分かっていたからだ わざと鉛筆箱を忘れたふりをして『火事で・・・』と言っていたのだ 教科担任から 『もう 何カ月経つんだ。いつまでそんな事を言ってるんだ』 と 怒鳴られた 教科担任と話すと、『いや~もう6か月も前の話ですよ』との答え 私は絶句した 六か月前と言えば 火災からわずか2ヶ月目の事になる それを何カ月たつ?いつまで? 心底怒りがふつふつとわいてきた 息子は学校のカウンセラーとも話をしようとしなかった そう簡単に誰かに話したい心境になる物ではない そんな息子が 約二年後 突然 『ママ 僕 もう大丈夫だよ』 と伝えてきた 娘も 学校のソーシャルワーカーに話せるようになるまで 二年かかった 話をして思い切り泣けたそうだ 他人に話したのは初めてだった それでも まだ 一人で寝る事は出来なかった そして迎えた 息子の高校の入学式 娘も付いてきた その式場で カトリックの儀式の一つで 丸い珠に香の様なものを炊き 煙が出ている珠をブーンブーンと回しだした あたり一面に煙と香の匂いがたちこめた ビデオを撮っていた私の腕に娘が寄りかかってきて 『ママ 気持ちが悪い』 と言って 息もかなり荒く そのまま気を失ってしまったのだ 救急車で運ばれたが どこにも異常は認められず 原因不明だった それは今でも続いている 今になって 過換気症候群である事が分かった その症状はすさまじい 救急車で運ばれる30%がこの症状だそうだ しかし 命を脅かすものではない 私はというと ある日 何の気なしにTVを見ていた 画面が爆発現場 その内 画面いっぱい煙が立ち込めると急に苦しくなった 体が勝手に反応している これがトラウマなのか 初めての経験だった それまでは何の気なしに知ってはいたトラウマ しかし これほど自分の意思と関係なく体が反応するものとは 思ってもみなかった
ルビーの症状もトラウマと言えるのだろうか 一人ぼっちの時起こる下痢 これが厄介でかなりひどくなる わが家に来てから起こりだした 原因は?やはり一人でのお留守番? しかし フランスに行った時 獣医に預けても起こった ルビーは家族を救ってくれた大事な子だ 家族と居る時は大丈夫だし 早々薬ばかり飲ませたくない
家族で買い物に行った たまたまペットショップがあった 娘は 失った仔の代わりに 又 仔犬から育てたいと常日頃言っていた 獣医に頼んではあったが まだチャンスがこなかった あまりに高くては買えるゆとりは無かったからだ しかし ルビーの体調も考慮しなくてはならない 一匹なのが良くないのかも知れなかった (この頃には ほぼ確信していたが) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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