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カテゴリ:クライミング&ボルダリング
東京緑山岳会の寺田甲子男会長が去る11月3日ご逝去なさいました。
緑山岳会の公式ホームページでは、まったく告知されていませんでしたので、これまで書くのを遠慮していたのですが、WEBで検索するとあちこち出ているようですので、もう書いてもいいかな、と思い書くことにしました。 ご遺体は、会長のご意志により献体され、葬儀も行われないようでした。 私は緑山岳会に49期生として入会。 平成3年に福岡へ転居するのに伴い退会するまで、約5年間在籍していました。 短い間でしたが、いろいろ会長の思い出はあります。 中でも一番印象に残っているのは、遭難したときのケガなどの損害保険とは別に、救助隊やヘリをとばしたときにかかる費用を補填する保険に入るためには、東京都山岳連盟(都岳連)に入る必要があり、その加盟の是非を議論しているときのこと。 というのは、緑山岳会は都岳連とは過去に、運営方法や登山に対する姿勢でいろいろ食い違いがあり、寺田会長らが愛想を尽かして、都岳連を脱退していたので。 リーダー会で加盟の是非をアレコレ議論しているときに、それまでまったく興味なさそうに聞いていた会長が突然「ところでサァ、遭難したときっていくらぐらい費用かかるのかい?」と聞いてきたのでした。 「オレはサァ、会員の誰かが遭難したら、全財産なげうってでも救助費用に充てようと思ってんだ。それじゃあ足んないのかな?」 当然、会長のこの言葉には誰も何も言えず、この話しは立ち消えになったのでした。 多くの会員、OB、山岳関係者から「親分」と会長が慕われる理由の一端が、かいま見えた出来事として10年以上経った今でも印象に残っています。 会長のご著書 「山岳サルベージ繁盛記」 「谷川岳大バカ野郎の50年」 「東京したまち山岳会」 昨年夏、緑山岳会の70周年記念パーティでお会いしたのが、私にとっては最後でした。 だいぶ足腰が弱っておいででしたが、それでも最後には見事な口上と、正調「トザイ、トーザイ!」を聞かせていただき感無量でした。 ありがとうございました会長。 そしてご冥福を心からお祈りいたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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