ぶろぐ。

ガンマンさんのブログからの転載です。

１か月以上前の記事です。

http://ameblo.jp/wanwan2011/entry-11121642021.html



【以下、転載】


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手が消しゴムになるとき



なぜ　そんなに飲むの・・


なぜ　そんなに泣くの・・


なぜぇ　心を閉ざすの・・


笑顔　見せてよ・・


これは布施明の（なぜ）という歌だが


人は深い悲しみを乗り越え　大きな苦しみも打ち破り生きてきたに違いない


それは　私たちに大きな支えがあり　打ち消すだけの長い時間があり　


突き破る広い空間があったからだ


レオンを見ていると


今のいままで　なんの支えもなかった


穏やかなときが　少しもなかった


あったのは　怖い人間の手と狭いせまい空間しかなかったことがわかる・・




君を叩いたであろう　人間の手・・


君の自由を縛ったであろう　人間の手・・


君を怖がらしたであろう　人間の手・・


４年にも満たない歳月で


４キロにも満たないその小さな身体で


レオンはその凶器と戦うしか自分の身を守るすべがなかったに違いない


そして身動きできないようなキャリーに入れられ


保健所に持ち込んだ人間の手が憎くてたまらない　レオン・・


だからこそ


近づく（その手）を渾身の力で噛み付く犬になってしまったのだ・・


しかし　この人間社会ではそれはあまりにもマイナスであり不幸なこと・・


優しい里親など　みつかることはありえない


彼は人の手を噛むことによって　自分の幸せをも噛み砕いているのだ




諦めることは　レオンの生涯を諦めること・・


４回　５回と噛まれた私の手は晴れ上がってしまったが


諦めるわけにはいかない・・




君が受け入れなくても　いい


ただ我慢を　してくれ


この手は　君をムチ打つ手じゃない


君の　暗い過去を消すただ一つの消しゴムなんだから・・


君の全てのこれからは　この手を少しでも許すことしかない・・




今　君が怖くても


今　君が辛くても


この手を噛まないで触れさせてくれないと　もっともっと辛いことが待っているぞ


そんな思いが


少しでも分かったのか・・


そんな願いが


やっと通じたのか・・


次の瞬間　私の手がレオンの頭にそっと置かれた。。



犬の頭に手が置かれただけにすぎない　この瞬間が


私にとっては　最高の感動となったのは　言うまでもない・・。




　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１１　１２　３０

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ganman