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カテゴリ:旅・自然・温泉・食
京都では、東福寺もそうですが、紅葉(こうよう)の名所=新緑が素晴らしい、となりますね。紅葉で有名な高雄の神護寺ですが、新緑も本当にキレイでした...
↓(紅葉の時期も勿論、素晴らしいです) http://homepage2.nifty.com/cub/niwa/jingoji.htm 自分の生まれ月というせいもありますが、5月は旅をするには本当に良い季節です。暑くもなく寒くもなく。高雄の山にある神護寺では爽やかな風が実に心地よく、鶯などの鳥の声も気持ちをゆったりさせてくれます。高雄の紅葉は人が沢山いたって関係なくなる程キレイですが、新緑の人が少ない時期もまた良し、です。 今回の目的は新緑の他、「虫干し」でした。平安時代初期に創建された神護寺には、幾度かの戦禍で多くの建物は江戸時代再建ですが、初代住職の空海の書を始め数多くの貴重な宝物が沢山あります(国宝16点・重要文化財2300点超http://www.kyo-takao.com/kankou/jingoji2.html)。毎年5月1~5日に「虫干し」と称して書院で一般公開してくれるのです。 驚いたのは、本当に多くの貴重な宝物が「虫干し」するために無造作に畳の部屋に所狭しと吊るされていたことです。空海、文覚上人、源頼朝、政子、金字一切経などの貴重な古文書はガラスケースに入っていましたが、スゴーク近くで見られます。頼朝の字より奥さんの政子の字の方が大胆な筆致でした(笑)。大半の絵画は、国宝・重要文化財共々、鴨居からたーくさん吊るされていました。有名な伝・源頼朝像、伝・平重盛像も「むき出し」で、手で触れそう...この「似せ絵」は着物の地模様が美しいのですが、よく見ることができました。また沢山の荘園を有していた神護寺には貴重な中世の「荘園絵図」も幾つか残っています。一応「中世史研究会」に所属する私です(笑)。 嬉しくて熱心に見ていたからでしょうか、一人のお坊さんがとても丁寧に色々説明してくれました。私はいつも旅先で人に親切にされるので本当に運が良いです。実物を目にしながら歴史の話を聞くのは本当に楽しい至福の時...神護寺は浮き沈みが激しいお寺なのですが、なぜ久安年間(1145年~1151年)に鳥羽法皇の怒りを買い荒廃してしまったのか質問したら、「宝物コレクション」がお好きな鳥羽上皇の頼み(宝物献上)を断ったことが理由だそうです。後で茶店のご主人に聞いたのですが、風貌から説明してくれた親切なお坊さんは住職の弟さんで副住職。素晴らしい字を書かれるそうです。 「平家物語」の袈裟御前との悲劇(不倫!?)でも有名な文覚上人が再興した後も、応仁の乱などの戦禍、明治の廃仏毀釈など、多くの困難が神護寺を襲いますが、これだけ多くの宝物を今に伝えることができたのも、多くの人々の「守り伝える」という強い思いがあったからだと思います。多くの先達に深く感謝します。 有名な「かわらけ投げ」の谷も、新緑に輝いてました。神護寺を訪れるのは修学旅行以来三度目ですが、また厄払い(!!)にかわらけを投げてきました。いつもながら気持ちの良い場所ですネ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年05月05日 00時38分59秒
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