幸せな投資家の徒然記

2002年から2003年、日本の株式市場が底を這っていた頃に自分が試していた投資法の一つに「さわかみファンド・コバンザメ」があります（笑）。ご存知の通り、「さわかみファンド」は投資している全ての銘柄の買値と保有株数を月２回にわたって情報開示していますが、当時は買値より時価が下回っている銘柄が結構ありました。そうした「さわかみファンドが選んだ割安株の中でも更に割安銘柄」を拾っていったのですが（さわかみファンド・コバンザメ投資法については機会があったら書きますね）、その中の一つに自動車産業向けに溶接設備を得意にする「進和（7607）」がありました。

2003年初め頃、日経会社情報で進和をチェックしていると．．隣のページに凄く調子が良さそうな企業が．．．。「エスケイジャパン(7608)」という大阪を本社とする見たことも聞いたこともない会社（笑）。進和と一番違いのコード番号。しかし、「隣の芝生」は本当に青かったのです！！

コメントも「業績、絶好調．．」と評価が高かったので、少し気になってホームページや財務状況をごくごく簡単に調べてみました：

業態：ゲームセンター向け景品の企画・製造販売を主力に、キャラクター商品の開発・販売を手がけているらしい．．
財務：無借金・自己資本比率80%超と優良．．．
業績：典型的な新興・伸び盛り企業の様相．．
IR：熱心．．

1989年に久保敏志社長が資本金100万円で設立した新興企業でしたが、100株単位・5万円以下から買えたので、試しに少し買ってみることにしました。2003年3月5日に初めて購入した時は470円。その後、買い増しながら7月に700円台まで上昇したので一部利食い（+47％）。9月には900円台に乗せまた一部利食い．．．とキャピタルゲインを享受する一方、阪神グッズを扱っていた同社は阪神優勝の恩恵も受け、業績向上・成長に伴い分割・増配を繰り返し、昨年には公言していた念願の東証一部上場も果たしました：

【資本異動】
年月　　　　　　　　　　　　　株数（万株）
99. 8　　公55万株（600円）　336
02. 5　　分1→1.3　　　　　　　444
03.11　　分1→1.2　　　　　　　551
04. 5　　分1→1.3 　　　　　　725
04.11　　分1→1.1 　　　　　　807

しかし．．ゲームセンターの不振、頼りにしていた「クマのプーさん」人気の陰りなどで、前期（05年3月期）に初めて下方修正を発表、軟調に転じていた株価は更に下落しますhttp://quote.yahoo.co.jp/q?s=7608.t&d=c&k=c3&z=m&h=on。

大半の保有株は利益確定して売却済みでしたが、なんとなく全て売る気にはなれませんでした。それは、エスケイジャパンが「株主の方を向いている会社」だったからです。前に私個人が「バリュー投資」の考え方を学んだ基本資料として「朝日Nvestグローバルバリュー株オープン」について書きましたが、同ファンドを運営するハリス・アソシエイツ社の一貫した「バリューの哲学」の一つに「株主を重視しない経営者には投資しない」ことがあり、その哲学に習ったわけです。

私にとって、エスケイジャパンは、偶然発見した会社でしたが、株主宛に「暑中見舞い」や「年賀状」をもらった初めての企業であり、成長に伴い分割・配当で株主に報い、情報開示などIRにも熱心、何よりも社長に「ガッツ」がある会社です。

キャラクター企画販売という不安定さが残る事業、買収した「ナカヌキヤ」での小売展開などが今後も焦点となるでしょうが、先日読んだ久保社長のインタビュー記事からは同社の頑張りぶりが感じられます。また先日大枚を叩いて聴講した某有名ファンドマネージャーの講演会で「推奨銘柄」に取り上げられていたのには本当に驚きました（笑）。僅かな保有株数ですがしばらくは同社の趨勢を見守って行きたいと思います♪

会社四季報（日経会社情報）で保有株の「隣のページ（もしくは下の欄）」に有望な企業を発見することって結構あるようですヨ♪

☆ 本日の五天王（+アセットI）：アーバン（真骨頂である再生事業が高評価）、パシM（着々と事業展開の布石を打つ！）、強し♪