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幸せな投資家の徒然記

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2006年03月10日
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こんばんは♪ 遅くなりましたが、2月24日(金)パシフィック・マネジメント(東証一部8902、以下パシフィックM)の株主総会の報告です♪

下記の社長による説明のポイント、質疑応答等から、個人的結論は、パシフィックMは安定成長銘柄として保有継続する予定です♪
(以下の報告には株主としての「贔屓」が入っている面もあると思いますのでご留意下さいませ。)

場所はホテルオークラ別館。My PF旧友銘柄の新日鉱HG本社ビルの横を歩いていきました♪

↓新日鉱HG本社        ↓株主総会会場のホテルオークラ
06年2月24日新日鉱HD本社パシ株主総会会場ホテルオークラ

パシフィックMはIRが充実、既に同社HPには株主総会の内容資料が掲載済みです。残念ながら高塚社長の肉声(関西弁♪)ではありませんが、総会でもスライドショーでした。内容的には2005年11月期決算短信2005年11月期決算の概況及び中期経営計画について(動画)、ビジネスサマリーに沿ったものですが、業績動向は以下の通りです:

パシフィックM業績


☆ 社長説明ポイント

・ パシフィックMは国民の資産を預り運用する会社として、不動産投資ファンド運用会社のNo.1を目指す

・ 外部環境:景気の継続的な回復・金利の緩やかな上昇を予想→投資家の選別基準厳格化→運用力が問われる時代。

・ 中期経営計画

  - 不動産投資ファンドの配当利益極大化(運用体制の効率化・顧客満足度向上による賃貸料収入の極大化)・運用力並びに資金調達力の向上(格付けBBB-の取得・今期中に社債発行→資金調達手段の多様化とコスト低減<格付け取得により0.5%程度調達金利低下>)による内部成長力の強化

  - ストック型収益による安定収益基盤の更なる磐石化

  - 新たな事業機会獲得によるフロー型利益の追求

  - J-REIT市場におけるプレゼンスの獲得(住居系特化型に加え、オフィス・商業施設などを投資対象とする新規J-REIT上場)

  - 預り資産残高合計2兆円の達成(2006年11月期は8800億円、2008年11月期までにJ-REITの預り資産を1兆円まで拡大=預り資産残高合計の半分・2006年1月末現在5198.46億円うち自社組成不動産ファンド4081.75億円)

・株主還元:今後も株式分割による流動性の向上、増配により株主還元を図る。


☆ 総会雑感

今回、高塚社長から直接説明を聞いて改めて思ったことは:

・ パシフィックMは、国内市場(日本)を主な投資運用対象とした、国内投資家(日本)の資金による、国内投資家(日本人)のための、リターン(還元)を目指す国内(日本)企業である。

・ つまりパシフィックMは様々な意味で「日本的」企業であり、その点では同じ不動産投資・運用会社でも、「黒い目のハゲタカ」と云われた、海外も投資運用対象とし、海外投資家の資金も受け、海外投資家のためにもリターン(還元)を行うダヴィンチ(ヘラクレス4314)とは、かなり毛色が違う模様

(ダヴィンチおよびパシフィックMは共に私の主要投資銘柄であり、上記はどちらが良い・悪いという話ではありません。会社の成り立ち・経営者の経営姿勢の違いから来る、企業としての「個性の相違」を述べているもので、相違がある故に両社に投資する意味があるとも考えています)

「日の丸」企業としての意識は、「国民の皆さんの資金で日本の不動産を支えることで収益を上げる企業を目指す」経営姿勢、総会での高塚社長の「勿論、収益性を考えた上ではありますが、過去、バブル崩壊後の最も不動産が安かった時期に外資に買われた日本の大事な資産(不動産)を日本人のものとして取り戻すことも当社の重要な役割と認識」との発言にも現れていました。

また、いつも言っていることですが、優秀な企業経営者は、間違えることはあるでしょうが、個人投資家の考えることなど既に想定済みですね。パシフィックMも、投資家のより厳しい選択眼を意識、経済環境についても「量的緩和解除」および緩やかな金利上昇を予想、金利上昇以上にリターンが得られるようにする能力=運用能力が問われる時代と認識。


☆ 質疑応答タイム

株主総会はあっけなく終了、「経営近況報告会」も直ぐ終了、あっという間に質疑応答時間となりました。質問者は株主仲間のKさん、DAIBOUCHOUさん、私と、質問者の約半数が仲間内の質疑応答タイムでした(笑)。

・ 来期の売上高減少:ファンドの組成方法による;ファンドが物件を直接購入すると物件を売却する必要が無くなる為、売上高の数字は減る(手数料収入となる);今後はファンドが物件を直接購入する方向だが、来期は過渡期に相当。

・ 金利:上昇すると想定して経営計画を立てている;長期金利は中期計画の最期(2008年)には2.5%~3%までの上昇を想定。

・ インフレ:インフレになれば、業績は上振れする可能性あり。

・ 不動産価格の上昇:収益増大に寄与(過去の仕入れが生きる)。

・ リスク:不動産が買えないこと・仕入れ競争激化は否定できないが、資本コスト抑制(良質な投資先との取組を増やすなど)など工夫する。

・ REITの物件:コア物件(パシフィックの名前をつけて長期保有予定)とサブコア物件(順次より良い物件に入替(売却)予定);企業体の規模に合わせた資産構成を目指す(小さくてボロイ物件を売却して大きくて良質な物件に入れ替えていく)。

・ 海外投資:実験的な投資可能性はあるがファンド組成する予定は現時点では無し。

・ 今の市場環境:欧米に比べて日本の不動産の方が「割安」と捉えられている;外人は法律リスク・為替リスクを犯してまで日本市場に入っている状態(3月9日付日経新聞のモルガン・スタンレー3兆円不動産ファンド、2月27日のJ.P.モルガン運用者インタビュー記事にも現れていますね-後述参照)。

・ パシフィックMの強み:主要市場としている日本のREIT市場では4%の利回りで十分(桁外れの成長は無いかもしれないが、安定的な成長は期待できそう);外資は上記のような様々なリスクがあるため利回り20%を要求される(つまり、海外の資金をかなり集めているダヴィンチは高いリターンを返す必要がある。勿論、賢明な金子社長のことですから当然勝算あっての1兆円ファンド組成だと思いますが。)

・ 2007年問題(オフィス過剰?):全く関係ない;2007年に130ヘクタール供給懸念ということだが、多少の需給ギャップはあっても現在でも100万ヘクタール/年のオフィス需要があり、問題ない。

・ ライブドアに見られる投資事業組合(SPC)の問題:パシフィックMにおいては、顧客は国内の機関とREITで、海外の複雑な仕組みは一切ない;投資ファンド以外の事業もないので問題ない。

・ 業績:昨年より今年の方が市場が成熟、業績予想は基本的な数字で慎重な予想という訳ではない(昨年のような大幅上方修正は無い可能性?)。

・ 金利が3%以上になった場合:インフレ状態と認識;家賃を上げる・運用力の向上(付加価値・コスト削減・空室率低下)で対応;如何なる企業よりもきちっと不動産を管理していく会社という信用の創造が大事だと考えている。


☆ 普通社債200億円の発行

株主総会での予告通り、3月7日に普通社債発行による計200億円の資金調達を発表しましたね(3月16日払込、利率は2.37%と2.8%)。金利状況を勘案しつつ必要な資金調達を適宜行うことは成長企業にとっては欠かせない要件だと思っています。株式の希薄化もなく、プラス材料と捉えています。

参考記事***************(引用開始)

2006年3月9日付日本経済新聞記事
米モルガン・スタンレー、不動産投資に3兆円

米モルガン・スタンレーが新たに不動産投資ファンドを組成し、最終的な投資総額が3兆円弱に上ることが8日、明らかになった。不動産だけに投資するファンドとしては過去最大規模とみられる。投資額のうち半分程度は日本を中心とするアジア地域での物件購入に充てる考えだ。
 同ファンドはほぼ1年前から内外の機関投資家を中心に出資を募り、合計42億ドル(約4900億円)を集めた。その資金を担保にして借入金も調達するため、最終的な投資総額は2兆9000億円程度に膨らむ見通し。国内の上場不動産投信(REIT)30銘柄の時価総額の合計(3兆1000億円強)に匹敵する規模だ。 (07:00)

ブルームバーグ記事:2006年2月27日(月)14時09分
不動産有望、埋もれる1000社へ照準-JPアセット古賀氏の日本株観

J.P.モルガン・フレミング・アセットマネジメント・ジャパンのポートフォリオマネジャー、古賀寛久氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、当面の日本株市場に対する見方、投資手法などについて次のように話した。この中で古賀氏は、現在の日本株市場においても割安な銘柄は散見され、値上がり益は期待できるとの見解を示唆。投資対象としては、需給関係のひっ迫を背景にした収益好転への期待で、不動産セクターが有望との認識を示した。
  また古賀氏は、現在日本の株式市場には約3800社が上場しているものの、その中で1000社あまりがアナリストなどの調査から漏れており、こうした企業群に成長性の高い有望銘柄を探す余地があると見ている。発言の詳細は以下の通り。
――現状の日本株相場をどう見るか。
  「個別で割高になってしまったものも多いが、割安なものもまだあり、銘柄選択でアップサイドを得ることは十分可能。予想PER(株価収益率)も20倍台と、国際市場と比較して同じぐらいで、それほど割高感はない」
――注目している業種は何か。
  「不動産セクターだ。東京のオフィス需給はタイトで、不動産会社に昨年会った際に聞いた話では、既存テナントから増床要請を受け、その不動産会社自身が顧客のために移転を考慮中だった。今後も、オフィス賃料上昇の確率は高い
  「需給が弱いと言われてきたレジデンシャル(住居)でも、個人の経験だが、現状よりも10%値上げするという話があった。引っ越しの時間もなく、交渉で7%程度の増加に抑えたが、割高と思って現在マンションを探しているところだ」
  「試算では、賃料が1%上昇すると、上場しているREIT(不動産投資信託)は2.5%ネット利益が増え、すべて分配金に回る。今のREIT市場は分配金利回りに基づいて価格形成されており、1%の上昇は2.5%の保有不動産価値の増大と等しい。これは、REITを顧客とする不動産ディベロッパー、私募ファンド運営会社などにとって一番追い風になる
――今後の投資戦略、どういった投資手法を取るか。
  「安定的に高い利益成長を達成できる企業かどうかが重要。われわれは昨年3470回の企業訪問をし、個人では600社超、1日2、3社のペースで会社に会った。会社には、競争環境、マネジメントの理念があるかなどを聞く」 (後略)
***************(引用終わり)





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最終更新日  2006年03月12日 16時46分37秒
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