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カテゴリ:歴史・社会
こんにちは♪ 梅雨の季節で雨が続きますが、米を中心とした農耕社会であった日本においては「雨乞い」に関連する行事も多いようです。ご存知の通り、日本各地には多くの伝統ある祭りや行事が残っていますが、この程、そういった日本各地の祭りや行事を暦に従って紹介した本が出されました。尊敬する歴史の先生が編集なさった本です。
「祭りの事典」(佐藤和彦/保田博通著、東京堂出版) 事典といっても、一般向けの読みやすい本です。日本各地の主な祭りと行事を1月から12月まで暦別に「表」形式で掲載、歴史的な由来から内容・特徴、問い合わせ先まで参照できます。巻末の章「祭りの基盤」では、桟敷・荘園・宮座・御霊信仰・祭りの道具など、祭りや行事の歴史的および精神的な背景についても解説しています。 先生は、日本の中世史を専門にし、専門分野でのご活躍だけでなく、誠実なお人柄で多くの人々に慕われていましたが、残念ながら本の発売直前に急逝なされました。 私自身、日本各地の祭りや行事を訪ねたことがありますが、時代状況が大きく変わっていく中で、古くからの伝統・しきたりを守りつつ行事を続けていくことは本当に大変なことだと感じました。当たり前のことですが、祭りや伝統行事は一人では出来ません。支えとなる「共同体」の存在が必要です。 ☆ 今の日本に生きる私たちにとって、祭りとは? 自然の脅威、災厄から身を守り生活を安んじる必要があった太古の人々にとって、祭りとは信ずるものへの「祈り」、その意志を「知る」ことだったと云われています。日本の祭りは、農耕社会の色合いが強くなった弥生時代以降、稲が主要な作物となったため、内容も豊作を祈る農耕儀礼・祖先崇拝・供養の行事が仏教伝来と結びつき出来上がった盆行事、そして夏の疫病の流行を防ぐ御霊信仰に基づく夏祭り、収穫を感謝・祈願する祭り等がその大きな流れとなっていきます。 現在では、祭りの意味するものが希薄になり、日時も暦の変化(新暦採用)や人々の都合で本来の日程ではなく土曜・休日に変更になることも多く、観光化も進んでいますが、今もって祭りが行われているのは、祭りが日本の四季―変化に富んだ季節の流れ―に沿って行われる行事であり、四季折々の人々の暮らしと深く関わってきたからでしょう。「正月には帰れなくても祭りには帰って来る」という地方もまだまだ沢山あります。 祭りはただ楽しむだけでも良いのですが(日常の中の「ハレ」の場として意味あることです)、祭りを知ることは祖先の思い、そして自らの生まれ育った場所を知り、家と人々の絆を見詰め直すことにつながると思います。すなわち、無意識であれ自らを振り返る時間ともなります。己を知ることで、将来への展望も抱けるものですね。 私たちの祖先が何を畏れ、何を祈り、何を喜びとし、何を尊んできたか。何を拠り所としてきたのか-。祭り、そして奉納されてきた芸能等は、我々の祖先が伝えてきた祈りの心であり、その目に見える姿だと思います。祭りや芸能を伝えてきた「思いをつなぐ」ことは「命をつなぐ」ことであり、手間・時間をかけて祭りを行うこと即ちこうした思いを込めた「手間」こそ、文化の根幹・厚みなのではないかと考えています。 祭りを通じてつながれてきた思いを知ることで、現在に生きる私たちもまた、新たな命、活力を得られるのではないのでしょうか。 「祭りの事典」の本を通じて、祭りや行事に興味を持って頂けたら嬉しいです ☆ 70万アクセス、ありがとうございます いつの間にか、アクセス数が70万を超えました 皆さま、ありがとうございます これからも地道に続けて行きたいと思います。今後とも宜しくお願いいたします 日本サッカー、頑張って欲しいですね お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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