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カテゴリ:フージャース
こんばんは♪ 既に多くの投資家の方々が書かれ、後ほど動画も配信される3月27日のフージャース(東証一部8907)個人投資家向けIR説明会ですが、記録のために記述しておきます。
昨晩行った駒込の六義園(元禄15年、川越藩主・柳沢吉保が自ら設計した回遊式築山泉水庭園):上手く撮れませんでしたが、桜は勿論、静かな池を囲む庭園は幻想的で美しい風景でした さて・・・ほぼ満員の投資家が待ち受ける中、廣岡哲也社長登場。 まずは先週末に出した「下方修正」の「お詫び」から。下方修正の理由は「計画の見通しの甘さが要因」で、「時間軸のズレ」(=予想より販売に時間がかかってしまった)ということです。 その後は、用意されたマニュアルに沿って話が展開。(以下、実際に話された内容と前後する記述及び記憶違いもあるかもしれません。○は社長コメント、☆は私の感想) 1.2007年3月期業績予想の修正(連結)(金額は単位百万円) 当初計画 修正計画 差異 備考 引渡戸数 1,654戸 1,392戸 ▲262戸 ←来期へ繰越し 売上高 43,500 37,200 ▲6,300 売上総利益 10,400 9,150 ▲1,250 売上総利益率 23.9% 24.6% +0.7% ←高い売上利益率は維持=当初計画を上回る 販管費 3,680 3,800 +120 ←分譲広宣費の増加 当期純利益 3,800 3,030 ▲770 ←特別損益は特に無し ○ 完成在庫262戸は来期の販売戸数となるが、値引きはしないので、利益率は高い。 ○ 販管費増の要因となった分譲広宣費増加は販売長期化に伴うものだが、許容範囲内。 ○ 販売ペースが当初計画通りに進捗せず、販売スピードは落ちたが、(社長自身が)毎週現場を廻り、顧客の「買った理由・買わなかった理由」を分析した感触では(値引き無しの)完売への見通しは問題無いと考えている。 ○ 不動産市況は郊外では混沌となっている面があり(←☆比較的割安な「旧価格」物件と不動産市況の回復を受けた比較的値段の高い「新価格」物件が混在しているということ?)、また(競合)物件が増えた結果、顧客が購入に慎重になっており比較検討に時間を要する状況が販売期間の長期化につながっているが、「苦戦」という認識ではない。 ○ ただ、こうした市況の変化に柔軟に対応できる人材・体制が整えられず、販売ペースの読み方(=時間軸)に課題→人材・組織体制強化の取組を優先 2. 物件について ○ 物件は、日々向上しており、「良いもの」が出来ている。 ○ 仕入れ・仕掛りは順調。 3. 業績推移 ○ 今期も過去最高益更新の予定だが、更新幅は僅かで、「ふがいない」と思っている。 ○ 来期、さ来期はこうした状況(低水準の更新)にはしない、と会社的には決意。 ○ 来期は高収益物件が多い。 4.財務分析・利益配当 ○ 事業用地の仕入れが順調なため、借入は増加、期末自己資本比率が24%~25%となる見込みだが、特に問題のない貸借対照表と認識。 ○ 目標配当性向を10%から来期は15%に引き上げ。 ○ 今までのような急成長は出来ないが、安定的な成長はきちんとしていく方針。 5.ビジネスモデル ○ これまで急成長の源泉となったビジネスモデル=マーケットには無く、顧客の欲する商品(同業他社の見送る案件)を事業化し、成功させる=は継続 ○ 地域の特性を熟知しているフージャースだから可能なビジネスモデル→郊外に他社が出て来ているが、競合可能。 ○ 今後も「郊外・大規模・広さ」のビジネスモデルを中心とするが、進化させる。 ・事業規模の大規模化→300~400戸、500戸規模にも取り組む ← 但し時間軸の取り方を間違えないよう気をつける。 ・複合開発による付加価値向上=商業施設(=衣食)が整うと客付きが良い =電車圏・都心には無い価値観の確立&発信 → 価値観を共有できる顧客に買ってもらう ・事業エリア拡大=16号沿線、東京都下(今年3月八王子150戸がオープン、順調)、神奈川、また余り考えていないが他の政令都市(仙台など)への進出も。 ← 郊外型マンションを好む層を熟知しているノウハウを活かす ・賃貸事業を開始→「学び」が多い=「良い賃貸物件が無い」実態を把握=フージャースのマンションは賃貸市場に受け入れられる(=顧客が喜んでいる) → ビジネスチャンス有り(ファンドへの一棟売りの可能性も) ○ 複合開発1号案件「グランディーナ」(埼玉県北足立郡伊奈町) ・売行き順調&利益率高い。 ・入札案件だが、応札はフージャース1社のみで、最低価格で落札=他社の判断は「マンション不適地」=こうした土地にチャンス ・郊外物件でも、一つの「街」を形成すれば、老夫婦や単身男女向きにもなる。 ○ 複合開発2号案件「さいたま岩槻プロジェクト」 ・第1期300戸=さ来期の案件:旧価格で仕込んでいる(☆利益率が高い!?) 6.中期経営計画 ○ 定量的目標=全く変更無し。 ・年間供給戸数: (来期)2008年3月期2000戸 → 2011年3月期3000戸 ・経常利益成長率:平均年間成長率で20%程度を目安 ・株主資本比率:20~30%程度を目安←物件が増えると借入も増えるため、従来の30%程度から若干変更(財務上は問題ないと認識) ○ 「市況」があるので(目標達成に)困難はあるだろうが、市況に関わらず成長していきたい。 ○ 体制を整える=人材の成長=顧客の欲しい商品を感度良く掴み、商品化に活かす。 ○ 増資は、今は70%は無い。但し、自己資本比率が30%を超えていても(大規模案件など)増資の必要があれば行う可能性はある。(←☆増資はなさそう) ○ TX(つくばエクスプレス)沿線での開発を強化(開発余地、多し) ○ 事業用地仕入れの前倒し 7.質疑応答 《質問1》 今回の下方修正の予定引渡し戸数1394戸は、2月までの販売戸数1396戸を2戸下回ることになってしまうが?また、住友不動産などが販売戸数目標を引き上げているが、マンションデベロッパーNo.1の展望に変更はあるか。(私の質問) 《社長回答》 実際の引渡し(鍵)には販売から1ヶ月程度かかるので、2月の販売戸数とほぼ変わらない数字を想定した。また、マンションデベロッパーNo.1は容易では無いが、他社の目標数値は意識していない。「顧客満足度=戸数」(戸数が多い=顧客満足度が高い)とも認識しているので、販売戸数を増やすことに注力、結果的にNo.1になれればいいと考えている。 《質問2》 駅から遠くて売れるのか? 実際の交通手段は? 《社長回答》 きちんとしたマーケティングを行えば売れる。交通手段はバス、もしくは自家用車(地元企業に通勤の場合)。物件によってはシャトルバス(有料)を走らせている。 《質問3》 資金回収の意識が低いのでは? 販売予想は甘くないか? 販管費は増えないか? 《社長回答》 ○資金回収の意識の低さについては貴重な意見として留めたい。 ○販売予想については、旧価格(今期物件)については心配していない。むしろ新価格(来期物件)について、緊張感を持って販売に取り組みたい。 ○賃貸物件によって資金が滞留するのは確かだが、顧客のニーズを良く把握できると考えている。また一棟で購入してもらうチャンスもあり、つくばTX沿線も同じ感触。。 《質問4》 時間軸が伸びた原因について。目標販売戸数に対して人が足りないと思うが。本当に来期2260戸(今期在庫260+来期予定2000戸)も販売できるのか? 《社長回答》 ○(販売ペースが遅れた要因は)競合物件が増えたので、顧客の決定に時間がかかるようになった。但し、顧客は最後は(フージャースの物件に)戻ってきてくれている。 ○確かに人は足りていないが、新人は順調に雇用できており、来期物件の販売にはほとんど支障は無い。今後も中途採用も増やし、人員の強化を図って行きたいが、「質」も大事にしたい。 ○来期の販売計画は正式には本決算時に出すが、慎重にはしたい(☆ 変更される可能性もあり??) 《質問5》 「完成在庫ゼロ」という方針はどうなったのか? 《社長回答》 (社員が油断してはいけないので?)会社の基本方針としては「完成在庫は残したくない」と引き続きする。但し、「完成在庫ゼロ」はデフレ下かつ財務が弱い時代のフージャースにおける「美徳」であり、現在および今後のインフレ下では、一定の在庫が多少あってもいい時代と認識している。(☆ 来期もある程度の完成在庫があることを見込んでいる??) 《質問6》 株価が下落しているが、月次営業概況に数字だけでなく、状況がわかるコメントが欲しい。下方修正を出すのが遅いのでは? 《社長回答》 ○コメントをつけるのは受け取り方が千差万別となる傾向があるので難しいが、検討課題とはさせて頂く。 ○下方修正のタイミングについては、大規模な土地を売却する可能性もあったので、確実な見通しを把握してから修正を出したかった。(← ☆ 結果的に土地を売却することは無かったことは将来的にはプラス) ***** ☆ 全体的な印象としては、個人株主側が株価下落・計画未達を憂慮しているのに対し、会社側は随分と楽観的な気がしました。株主の切迫感と会社側の意識(株価の動向は余り気にしていないような・・実際の会社成長の方が大事?)の乖離を感じました。 ☆ 他社と競合しにくく得意な分野である「郊外・大規模・広い物件」のビジネスモデルを進化させる点は競争力の点から引き続き高い利益率を期待できそう。 ☆ 但し来期以降の「新価格」物件を「想定通りの時間軸=販売ペース」で販売完了させるかがポイント。 ☆ 中期経営計画に全く変更が無かったことは、会社側の自信の現れ? 高成長ではなく、「安定」ペースとはなるものの、引き続き20%程度の伸びを続ける「成長企業」を指向しているよう。 ☆ 会社側の販売予想を信じるかどうかは、「社長及びフージャースという会社の実力を信じられるか否か」という問題になってくると思うので、評価が分かれるところでしょう。ただ廣岡社長は、初めての下方修正後のIR説明会ということでしょうか、さすがに少々お疲れの感じがしました。 ☆ 正直、私自身も来期2260戸も販売可能か、分からないです(苦笑)。実際、初めてとはいえ、今期は1400戸程度しか販売できずに下方修正を出しましたから・・。ただ実際に現場を毎週廻って顧客の反応・販売動向を分析した上での社長の実感および会社予想でしょうし、人手不足とはいえ来期物件の販売にほとんど支障は無いということ・下方修正及び今期の業績については「ふがいない」「来期、さ来期は今期のようなことにはしない」と明言していたのでより一層の奮起を期待したいところですが・・・・ん~・・。 ☆ いずれにしても、現在の株価水準では今更ジタバタしても仕方ないですし(苦笑)、利益率も引き続き高く、低PER&高ROE。自分の場合は株式ポートフォーリオをある程度分散してあるので、引き続き3月の営業概況(販売状況)、本決算および来期予想の発表、来期の業績動向を注視して行きたいと思います お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年03月30日 04時18分41秒
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