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カテゴリ:旅・自然・温泉・食
おはようございます。昨日は任天堂が42000円に迫る勢い・・・現物株は死守ですが(笑)、上昇の早さには株主もビックリです。先のことは分かりませんが・・・DS、Wiiのハードおよびソフトの販売動向を考えると、今の株価でも割安かもしれません。配当利回り1.7%ですから、ただ保有していてもOKという感じですね。個人的には海運株にも注目しています。
さて・・連日遊びに出かけてしまうので・・・自業自得ですが、何かとせわしく・・ただ京都・奈良の旅は最高でした。飛鳥の酒船石・キトラ古墳壁画、奈良国立博物館「神仏習合展」、京都国立博物館「藤原道長展」、六波羅蜜寺、京野菜のイタリアン(☆5つデス)・・・でもやはり相国寺の「若冲展」が素晴らしかったです。 余りに良かったので・・・若冲好きの戯言ですが・・・あるところに書いた文章を以下、掲載させて頂きます。 ***** 「祈り」 「え、薔薇?」 「郡魚図」、「菊花流水図」、「池辺郡虫図」。蛸が中央に陣取る水中の魚群は、彼の店もあった錦小路の店先に並んでいる魚のよう。菊の花は持ち味の緻密な描写が生々しい存在感を醸し出す。池辺郡虫図では行儀よく並ぶ蛙が可愛い。蛇や虫までも愛らしく見える彼らしい不思議な世界。やはり若冲は面白い。そして続いて掛けてあったのが「薔薇小禽図」。薔薇というと、バラ戦争・バラの紋章等、「西洋のもの」というイメージが強かったため、江戸時代の画家である伊藤若冲が代表作「動植綵絵」三〇幅に含めたことは意外だった。 画面いっぱいに流れるように広がり、交差する、赤と白の薔薇の花々。百を超える薔薇の花々は、蕾から満開まで、全てが緻密に描かれている。画面中央左の枝には、一羽の鶯らしき鳥(小禽)が止まり、一本足で立っているが、楽しそう。一つ一つの花の流れが醸し出すリズムは心地よく、花という生物が持つ華やかさが魅力的な絵である。後で調べたら、薔薇=西洋というのは無知な自分の勝手な思い込みであり、薔薇は、日本自生の種類もあり、万葉集にも詠われた古来から日本人に馴染みの深い花だという。 紅葉(もみじ)の新緑が美しい五月の京都、御所の北にある室町時代創建の名刹・相国寺まで、伊藤若冲の絵を見に行った。若冲に私が出会ったのは、昭和六〇年。昭和天皇即位六〇周年を記念して日本に残る美術の名品を集めて開かれた「日本国宝展」だった。日本美術の底力を再認識させる素晴らしい展覧会で、ひときわ輝いていたのが若冲だったのである。今、描かれたばかりのように色鮮やかな鶏たち。ただただ魚の群れを描いた絵。花弁一本まで執拗に描かれる花々。執念をも感じさせる緻密な描写、そして生き生きとした動植物の姿に圧倒された。「何、コレ!?」「若冲って誰?」。その日から若冲に執り付かれた私は、若冲の絵が展示されると聞けば出来る限り駆けつけるようになった。 若冲は、京都・錦小路の旦那衆だったが、商売に興味が無く若くして隠居、弟に家督を譲り、富裕な環境で高価な画材を惜しむことなく用い、自由に絵を描くことが出来た希有な画家である。相国寺の大典禅師に深く帰依、早世した弟と両親および自らの永代供養を祈念して、「釈迦三尊像」三幅と仏を取り巻く様々な動植物を極彩色で表現した「動植綵絵」三〇幅を相国寺に寄進。相国寺側も年一回の重要な行事の時のみに掛けて供養するなど、若冲の絵を大切に扱ってきた。しかし、明治に至り、廃仏毀釈に荒廃した相国寺は明治二十二年、皇室に献上という形で「動植綵絵」を売却、宮内庁から現在の価値で数百億の下賜金をもらうことで寺を維持した。若冲の絵が寺を救ったのである。そして平成十九年、宮内庁と相国寺に離れていた「釈迦三尊像」三幅と「動植綵絵」三〇幅は、一一八年振りに僅か二十日間であるが、若冲の寄進の意図通り三十三幅が共に掛けられることになった。 改めて「釈迦三尊像」三幅を中央に、左右十五幅づつ掛けられた「動植綵絵」を見ると、若冲の心がわかるような気がする。全てのものには命が宿りことごとく成仏するという仏の教えである「山川(さんせん)草木(そうもく)悉皆(しっかい)成仏(じょうぶつ)」に基づいた「祈り」の心。描かれた動植物は、釈迦の教えを聞くために集ったもの。仏の慈悲の下、虫も、魚も、鳥も、花も、全ての生き物は美しい。その美しさ、ありがたさを若冲は表現したのである。何より自分に代わって家督を継いでくれた弟のおかげで、絵に専念できるようになった。恩ある弟の供養を祈る心。 若冲の美しい生の世界は、感謝と祈りの表現だったのである。 ***** 「若冲展」は非常に混んでいますが、閉館1時間位前ならゆっくり見られるようです。 京都・奈良の旅については、また後日まとめて書きますネ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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