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テーマ:アニメあれこれ(27216)
カテゴリ:★アニメ・本・映画
進撃の巨人 #72 森の子ら☆前のお話は → 「第60話~第71話 あらすじまとめ」 ★1期 → 「進撃の巨人 第 1話~第25話」 ★2期 → 「進撃の巨人 第26話~第37話」 ★3期 → 「進撃の巨人 第38話~第59話」 「ガス兵器というものだ」 「そのガスは俺の脊髄液を含む」 「そいつをわずかでも吸ったユミルの民は直後に硬直。体の自由が奪われ意識を失う」 「あとは俺が命令するだけで『道』を通じて巨人の力が座標に送り込まれる」 「だからその村の巨人は俺の命令どおりに動くってわけだ」 「その村じゃない、『ラガコ村』だ。お前が皆殺しにした村の名前だろ。覚えておけ。クソ髭」 「ああ。俺だって避けたかったさ。だが、やらなければ俺の真意がエルディア復権にあるとバレてこの島に希望をもたらすことは叶わなかっただろう...って同じ事をこの島に上陸してすぐに話したよなあ。なぜ何度も聞き返す?」 「お前が耳カスほどの罪悪感も覚えちゃいねえってことがよくわかる。本当にエルディアを救うつもりなのか知らねえが当の人命に興味がねえのは確かだ」 「お前モテねえだろう。勝手に人の気持ちをわかった気になるなよ」 「わかるさ...モテたことくらい...ある」 「あーあ、そうかい。それで、俺とエレンが会って実験を開始するのはいつだ?」 「決めるのは俺じゃねぇ。本部の命令を待っている」 「いつまでも時間があると思っているなら間違いだと伝えろ」 「それだけは同じ意見だ」 「リヴァイ兵長...」 「何? それは本当なのか?...」 「どげんしたかミア。けそけそしてから」 (*けそけそ→落ち着きがない) 「えっと、いや...」 「緊張しすぎだよミア」 「まったく、どこの田舎から出て来たんだよ」 「カヤ。本当にこんなところにマーレの捕虜が働いてるの?」 「本当だから堂々としててよ。兵士もよく利用するところなの」 「マーレ人の知り合いができるだけでも心強いよ」 「ブラウスさん。ようこそいらしてくださいました」 「お招きいただき、ありがとうね」 「これはまた...賑やかな人数ですね」 「一緒に暮らす家族と来たよ。せっかくタダなんやし。悪いね」 「いえ。今日はお任せください。さあ、どうぞ」 「あの人がブラウスさんを招いたマーレ人のニコロさん。あの人を頼ってみて」 「ブラウスさんは兵士でもないのに何でここに招待されたの?」 「お姉ちゃんはブラウスさんの娘で兵士だったの。お墓に来てくれたニコロさんがお姉ちゃんに食べてもらうはずだった料理をふるまわせてほしいって」 「私、ふたりは恋人同士だったと思ってるけどね」 「うまい。こんなうまい料理は初めてだ...」 「まだまだ。メインはこんなもんじゃないぞ」 「ニコロ。お前に客だぞ」 「えっ、こんな時に誰が?」 「調査兵団」 「お前らか。どうした急用か? 俺は今、大事なお客さんの相手で忙しいんだ」 「ああ。もちろん仕事に戻ってかまわないよ。ただ後で話をさせてもらいたいだけなんだ」 「話? いったい何だ?」 「なんか、ほら、あるだろう。悩みとかさ...」 「義勇兵が拘束された件だ。聞き取り調査に協力してくれ」 「ああ。わかった」 「とりあえず、ここで待っててくれ」 「どうせ憲兵様御用達だろ」 「これは...兵団内で噂のワインか。何でも上官たちしか飲めねえって話らしいけど...」 「何だと。俺たちも調査兵団では上官だろ?」 「ああ。俺たちだって、おいしい思いしたっていいだろ。ちょっとくらい...」 「勝手にさわるな」 「何だよ、ニコロ。ちょっとふざけただけじゃねえか。大げさだな。おい」 「これは、エルディア人にはもったいない代物なんだよ」 「ニコロ。お前まだそんなこと言ってんのか。何人だとかどうとか関係ねえだろ酒に」 「さわんなエルディア人。なれなれしいんだよ。ちょっと親しくしたぐらいで...」 「そういうてめえは何様なんだよ。お前の立場は?」 「捕虜の分際でってか。これでおあいこだな。エルディア人」 「どうしたんだ。あいつ...」 「クソ。わけわかんねえよ」 「今だ」 「うっ、お腹が痛い」 「大丈夫かい? ベン」 「何かあたったのかもしれんぞ」 「トイレに行けば助かるかもしれない」 「私もお兄ちゃんを助けられるかもしれない」 カヤ (がんばって) 「何だ。トイレはこっちじゃないよ」 「トイレに用はありません。ニコロさん」 「私たちはマーレから来ました。戦士候補生です」 「この島にはもうじき世界中の軍隊からなる大攻勢が仕掛けられると思われます」 「それまで、どうか耐えてください。そしてこのことを仲間のマーレ人に伝えてください」 「ちょっと...待ってくれ。どうして戦士候補生がここにいるんだ?」 「レベリオ区が島の悪魔どもに奇襲を受けたんです。私たちは退却する敵の飛行船に飛び乗ったまま、この島に上陸しました」 「はっ...誰か、殺したか?...女の兵士を...」 「はい。仕留めました。ですがまだ数匹駆除した程度。私たちの故郷を蹂躙した報復はこれからです...」 「ガビ、待て」 「私たちは卑怯な悪魔どもには絶対に負けません」 「おい、ガビ、よせ」 「何よ」 「お前が殺したのか...」 「お前がサシャを殺したのか」 ニコロがワインを振り上げガビを庇ったファルコが負傷。 ニコロはガビを一発殴りブラウスさんらのところへ。 「ニコロ君。ベンとミアに何を?」 「サシャを殺したのはこいつです。あなたの娘さんの命を奪いました。まだガキですが厳しく訓練されたマーレの兵士です。マーレから退却する飛行船の中でこいつがあなたの娘を、サシャを撃ったんです」 「娘...」 「ブラウスさん。どうぞ。あなたが殺さないなら俺が殺しますが、かまいませんね」 「大変だ。来てくれ、みんな」 「サシャを撃ったガキ...どういうことだ。ニコロ。そいつは逃亡中と聞いていたが...お前、何しようとしてんだよ。おい」 「寄るな。下がれ。ただサシャの仇をうつだけだ。そこを動くな」 「やめて。ファルコは違うの」 「このボウズはお前の何だ。お前を庇ってこうなったよな。お前の大事な人か...俺にも大事な人がいた。エルディア人だ。悪魔の末裔だ。だが彼女は誰よりも俺の料理をうまそうに食った。このクソみてぇな戦争から俺を救ってくれたんだ...人を喜ばせる料理を作るのが本当の俺なんだと教えてくれた...それがサシャ・ブラウス。お前に奪われた彼女の名前だ」 「私だって大事な人たちを殺された。そのサシャ・ブラウスに撃ち殺された。だから報復してやった。先に殺したのはそっちだ」 「知るかよ。どっちが先とか...」 「目を覚まして。あなたはマーレの兵士でしょ。きっと、その悪魔の女に惑わされてる。悪魔なんかに負けないで」 「ニコロ君。包丁を渡しなさい...さあ」 「そこまでです。ブラウスさん。刃物を置いてください」 「サシャは狩人やった」 「はい?」 「こめぇ頃から弓を教えて森ん獣を射て殺して食うてきた。それが俺らの生き方やったからや。けど同じ生き方が続けられん時代が来ることはわかっとったからサシャを森から外に行かした。んで...世界は繋がり兵士になったサシャは...よそん土地に攻め入り人を撃ち人に撃たれた」 「結局...森を出たつもりが、世界は命ん奪い合いを続ける巨大な森ん中やったんや...サシャが殺されたんは...森を彷徨うたからやと思っとる。せめて子供たちは、この森から出してやらんといかん。そうやないと、また同じところをぐるぐる回るだけやろう...」 「だから、過去の罪や憎しみを背負うのは我々大人の責任や」 「ニコロさん。ベンを放しなさい」 「よし、リサ。ゆっくり動かすんじゃ」 「はい」 「ミア。大丈夫か?」 「本当に私が憎くないの?」 「カヤ...」 「よくも、お姉ちゃんを...人殺し。友だちだと思ってたのに...」 「すっかりメインがさめちまったな...ハンジさん。そのガキの口をゆすいでやってくれ。あのワインが入っちまった...もう手遅れだと思うけど...」 「あのワインには何が入っていたの?」 「たぶん、ジークの脊髄液だ」 「ザックレーが殺された?」 「はい。今、壁内は実質的にイェーガー派によって支配されています。すべてはジークがエレンやイェレナを介して実行した一連の工作ではないかと考えられています」 「それで?」 「近く、イェーガー派の要求通りエレンをジークの元まで案内する手はずとなっております」 「ピクシスがおとなしく従うって?」 「お察しの通り、あくまでも司令は堅実な構えです...」 「エレンを他のやつに食わせるつもりなんだな。俺たちの手で」 「...そうです」 「エレンの命を何度も救った。その度に何人もの仲間が死んだ。それが人類が生き残る希望だと信じて...」 「そう。信じた結果がこのザマだ。まるでひでえ冗談だ。俺たちが見てた希望てのはいったい何だったんだ...あの死闘の結果がこの茶番だと?...ふざけるな。冗談じゃねえ。巨人に食わせるべきクソ野郎は他にいる」 「どういうことだ。ワインにジークの脊髄液が入ったって?」 「確証はない。ただ、このワインは第1回調査船から大量に積まれていた」 「短期の調査船には不要な酒と量だった。そして俺がここで料理人としての立場が安定してきた頃になって、このワインを兵団組織高官らに優先してふるまうよう言われたんだ」 「誰からだ?」 「...イェレナだ。俺の知る限りじゃ、あいつだけが、そう働きかけてた。他の義勇兵はわからないが...」 「ぼ、僕は何のことだか...初耳です」 「でもおかしいだろ。ジークの脊髄液を飲んだエルディア人は硬直するんだろ」 「ジークがそう言っただけだ。誰もその現場を見たわけじゃないから確かめようがない。だけど、たった一言で済むその嘘の効果は絶大だ。『硬直』という前兆が見られなければ脊髄液を盛られたという発想すらしない」 「いや、でも、それは、お前がそう思っただけなんだろ?」 「ああ。確証はない。でもマーレ兵なら知っている。ジークの脊髄液が今までどんな使われ方をしたのか...10年ほど前、マーレは敵国の首都を一晩で落とした。何百もの巨人が街中に湧いて出たからだ...そんなことでも企んでなきゃ、何であの怪しいワインを兵団のお偉方に飲ませなきゃいけないのか俺にはわかんねぇけどな」 「お前...さっき俺からあのワインを取り上げたのは俺たちを守るためか?」 「さあ...何をやってんだろな俺は。 悪魔の島を調査して世界を救うつもりが...こんなことバラしちまったら長生きなんてできないだろうに...」 「でもブラウスさん。 あなたみたいには、 まだ俺はなれないけど、 これがせめてもの償いになれば...」 「子供を殺すなんて...どうかしてました」 「ニコロ君...」 「何で私を守ったの?」 「別に理由があったわけじゃない」 「あんたたちの大切な仲間を殺したのは私。 看守を石でめった打ちにしたのも私。 ファルコは違うから殺すのは私だけでいいでしょう」 「殺さないよ」 「私を殺したくて仕方ないんでしょ」 「殺したくないよ。 もう、 殺す殺すって君はそればっかりだね。 誰かとそっくりだ」 「ハンジ団長」 「フロック」 「会えてよかった。 あなたはジークの居場所を知っているはずです。 そこまで道案内をしてもらいます」 「いや。 我々は君たちと争うつもりはないんだが」 「その申し出は断りました。 我々は兵団と交渉しない」 「それは何でかな」 「エレンの判断です。 ピクシス司令は我々に島の命運を委ねるような賭けはしない」 「我々を道案内する道中でエレンから始祖を奪う算段を立てるのに今ごろ大忙しでしょう」 「妄想が過ぎるよ。 それとも駐屯兵団内にいるお仲間がそう告げ口してきたのかな」 「聞けば何でも答えてくれるほどの親切な部下に見えますか? それか、 あなたの部下ではないと示すべきでしょうか。 そうなる前にご同行を」 「クソ。 何で俺たちがここにいることが...」 「...グリーズ。 まさかお前が。 イェレナの差し金か?」 「ニコロ。 お前はエルディア人に入れ込み過ぎだ。 いつかこうなる日が来る気がしてな。 彼らとの連絡手段を教えなくて正解だった」 「フロック。 聞くんだ。 私たちは仲間同士で争い合ってる場合じゃない。 ジークの脊髄液が混入したワインが兵団内でふるまわれた。 我々はジークの計画に踊らされているんだよ」 「だとしても、 バカな憲兵どもがデカいバカになるだけでしょう。もういいですか」 「...憲兵団が飲まされたとは言ってないぞ。 まさか、 あんたたち、 ワインのことを知ってたの?」 「店内ではお静かにお願いいたします」 「先に行くぞ」 「ああ」 「今の声...フロックたちと来たの?」 「ああ...お前らと話がしたくてな」 ★次回 「暴悪」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.03.11 01:46:56
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