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テーマ:アニメあれこれ(27211)
カテゴリ:★アニメ・本・映画
進撃の巨人 #74 唯一の救い☆前のお話は → 「第60話~第73話 あらすじまとめ」 ★1期 → 「進撃の巨人 第 1話~第25話」 ★2期 → 「進撃の巨人 第26話~第37話」 ★3期 → 「進撃の巨人 第38話~第59話」 「よく見ておけジーク。これが私たちの住むレベリオ区だ」 「世界と比べれば鳥かごみたいに小さい。私たちはここからどこにも行けずに死ぬまでここで暮らさなきゃいけない。ジーク、お前はここから出たいと思わないか?」 「うん...でたい」 清掃員は一家がエルディア人とわかると態度を急変させ水をかける。 「な、何を!? 私たちは外出許可を取っているのですよ」 「俺はこの塔の清掃員で汚れを落とすのが仕事だ。俺の職場を汚しやがったな。悪魔め!! 殺戮の限りを尽くした悪魔の末裔が! またガキ作って繁殖しやがって!! 」 「よく覚えておけよジーク...これが外の世界だ...この世界が嫌なら変えなければならない」 「ジーク...お前がみんなを救うんだ」 「この子供たちの中から私の後継者を?」 「ええ。ひとり選ばれます」 「ひとり遅れている子がいるが...あの子は?」 「あぁ...またイェーガーか...他の子はみんな幼くも必死に名誉マーレ人の称号を得ようと務めているのに奴にはその気概が...どうも見受けられない。まったく何をしにここにいるのやら」 「訓練はどうだ? ジーク」 「...すごく大変」 「そうか...でもお前なら、きっと戦士になれる」 「あなたには特別な力があるんだからね」 「何よりお父さんとお母さんの子なんだからな」 「うん」 両親は社交ダンスに行くと言って祖父母にジークを預けてエルディア復権派の集会へ。 「社交ダンスクラブなんて、ジークが寂しがっているぞ」 「でも僕はレベリオの健康を守りたいんだ」 「いつかきっと私たちのやってきたことをジークはわかってくれますよ」 「これが1200年前に起きた『ラーゴの惨劇』大都市ラーゴはこの日のうちに消滅し進攻を続けた巨人によって『モンテの惨害』と『ヴァレの惨禍』が繰り広げられ何十万ものマーレ人がエルディア帝国に殺された。さらにラーゴから何とか逃れた難民は道なき荒野を彷徨った。しかしエルディア帝国はその退路に巨人を仕掛け、夜明けと共に起き上がった巨人によってマーレ人は...」 「うん、わかった。人がいっぱい死んだんでしょ」 「お父さんは...ちゃんと正しい歴史を教えているか?」 「エルディア人はマーレ人にひどいことをしたから僕たちはここで償わなくちゃいけないって」 「ジークは...戦士になってマーレのために戦いたいのか?」 「うん...僕は...戦士になりたい...」 (>_<) 学校の帰りにボールで遊んでいる親子を見かけたジーク。 「お父さん! 今日は早く終わったんだ。だから...」 「おお、そうか。じゃあ、たくさん勉強できるな」 「...うん」 「つまり『ラーゴの惨劇』は存在しなかったんだ。『モンテの惨害』も『ヴァレの惨禍』もすべてマーレに都合のいい作り話に過ぎない。古代よりエルディア人にそのような残虐な文化や風習はなく何より...」 「始祖ユミル様がそのようなことを望まないので、ありえない」 「その通りだ。わかってきたなジーク」 「うん」 「やる気のない者は去れ。マーレは祖国にすべてを捧げる覚悟のある者を求めているのだ。お前のようなエルディア人に我が国の巨人を委ねられるわけがないだろう」 「オーイ、そこの君。そのボール、投げてくれないか?」 「ハハッ。まだ小さいのにやるじゃないか」 「...ナイスキャッチ。壁相手も飽きたところだ。ちょっとおじさんに付き合ってくれないか?」 「赤い腕章!? あなたは...!?」 「君たちが目指す『マーレの戦士』だ。もっとも私の『獣の巨人』は、あまり戦争の役に立たないから、ここで球遊びなんかしてるんだけど」 「トム・クサヴァーだ。本業は巨人学の研究者だ。ほら、君の名前は?」 「ジーク・イェーガーです」 「...ジーク。どうも君は筋がいいな。きっとピッチャーに向いてるぞ」 「ただいま! お父さん今日ね...」 「どうなってるんだ、グライス。ジークを戦士にできなければ計画は失敗だぞ」 「だが、フクロウが言うには巨人の継承者選びに介入するにはジーク自身が好成績を残さないと...」 「わかっている...もうこんなチャンス100年待ったって来ないってことは...」 「でも...まだジークにも可能性は残っているんでしょ?」 「あぁ...そうだとも。ジークなら...」 「あ...ごめんなさい...」 「ジーク。お前ならできる!! 父さんと母さんの子供なんだからな!!」 「お前はマーレに必要ないと言ったはずだが...? なぜここにいる?」 「マーレへの忠誠を示しエルディアの罪を償うためです。公開訓練に参加させてください...!!」 両親が見に来ている公開訓練でも、ひとり皆からかなり遅れてしまうジーク。 「何をしているイェーガー!! 走れ!! 走らんか!!」 「クソッこんなはずじゃ...!!」 「そんなこと言わないで!! あの子は一生懸命がんばったでしょ!!」 「...だがあれじゃ...!! 到底戦士にはなれない!!」 「ハハハ。この間は散々だったな」 「笑いごとじゃないよ。あれからずっと雑用係をやらされて...もう僕はおしまいだ...」 「そんなに戦士になりたいようには見えなかったがなぁ」 「...ならなきゃいけないんだ。なのに...全然ダメだった...」 「無理もない。君は戦士なんて馬鹿らしかったんだ。マーレのために寿命を縮め他国を侵略するなんて馬鹿らしくてやってられないよな」 「...クサヴァーさんは...何で戦士に?」 「巨人の謎を知りたかったからさ。私は研究者だからね。すべては始祖ユミルが『何か』と接触したことから始まるらしいが私はその時に起きたことを知りたいんだ。寿命を縮めてでも巨人の記憶を探ろうと思うほどにね。そんなことだから戦争じゃからっきしの役立たずだ。だが巨人の神秘の前に憎しみや争いもくだらないよ」 「だから、この戦争ごっこに付き合ってられない私たちは似た者同士で、この世界じゃ珍しいまともな者なのさ。フフフ...」 (これでよかったんだ...ずっと収容区から出られなくたって生きてさえいれば...) 「ついに尻尾を掴んだぞ。エルディア復権派とか名乗っていやがるらしい」 「今回はかなりの規模だぞ。フクロウとかいう内通者が組織している」 「すでにいくつか目星は付いている」 「あとは証拠を揃えていけば...」 「...時間の問題だ」 「お父さん...お母さん...もう...危ない事はしないで...見つかったら、みんな楽園送りなんだよ? 悪魔の島に送られて...みんな巨人に...」 「お前は今まで父さんから何を学んだんだ? 誰かが立ち上がらない限り、みんなずっとこの狭い壁の中で惨めに死んでいくんだぞ?」 「そうよ。これはあなたやエルディア人みんなの未来のための戦いだって言ったでしょ?」 「そのためなら...僕はフェイおばさんみたいになってもいいの?」 「ジーク!! そもそも...フェイが殺されたのは!!...この世界が狂っているからだ!! もう誰もフェイのような目に遭わせないためには戦わなくてはいけない!! 強いエルディアをマーレから取り返し!! 当たり前の権利を勝ち取るんだ!!」 「何てことだ!! 親が復権派だったなんて...このままじゃ...親族全員『楽園送り』に...」 「クサヴァーさん...キャッチボールしてくれてありがとう...巨人になっても時々思い出すからね」 「告発なさい!! もう...これしかない。自らマーレ当局に告発することでマーレに忠誠を示せば君と祖父母は助かるはずだ」 「そんな...!! できないよ...!!」 「ジーク...君は両親からひどいことをされた。勝手に見放し、ちっとも君のことを気にかけなかった...」 「君を...愛さなかった...ジーク...君は悪くない」 「君は賢くて...」 「...いい子だ」 「...もう少し手加減してくれよ、ジーク」 「あーもう年寄りにはきついかー」 まだそんな歳じゃと言いながら咳き込むクサヴァー。 「もうすぐ...継承の任期を終える頃だ」 「...そうだね」 「年寄りにもなれなかったが、研究に打ち込めたことに後悔はない。最後に集大成を発表できそうだ」 「へーどんなことがわかったの?」 「『始祖の巨人』が『ユミルの民』にもたらした様々な影響について」 「あぁ、記憶を操作するとかいうあれ?」 「記憶どころじゃない。体の構造も変えてしまうことができるんだ」 「600年ほど前、世界の人口が激減するほどの疫病が猛威をふるった時代があった。しかし、ある日を境にエルディア帝国からその病は消滅した。当時の王が『始祖の巨人』の力で『ユミルの民』の体の設計図を書き換えたんだよ」 「まさに私たち『ユミルの民』は、どこにいようと『始祖の巨人』の一部のようなものなんだ。どうだ? 怖いだろ」 「...じゃあさ...『始祖の巨人』なら『ユミルの民』が子供を産めなくすることもできるのかな...もしこれ以上『ユミルの民』が生まれてこなければ...100年後にはこの世から巨人は消滅している。もう世界は巨人の脅威に怯えたり苦しめられたりせずに済む」 「...何より...そもそも僕らは生まれてこなければ苦しまなくてよかったんだ」 「話してなかったけど私には家族がいたんだ。若く愚かだった私は腕章を外しエルディア人であることを隠したまま妻と暮らし子を作った。妻はマーレ人だった。しかし...いつまでも騙し通せるわけもなく私がエルディア人だと知った妻は自分と息子の喉を裂いて死んだ。私が戦士になった理由は贅沢な自殺の方法に飛びついたに過ぎない」 「だが、この13年間は...巨人の研究に没頭し...君と出会い...キャッチボールをして...楽しかった」 「無き息子を君に求め...巨人の力で自分の罪から逃れようとした...私なんてこの世に生まれてこなければ...」 「『獣の巨人』は俺が継承する。マーレのためじゃない。始祖奪還計画を成功させ世界を救ってみせるよ」 「世界の人々を巨人の恐怖から解き放ち、エルディア人を苦しみから解放するんだ!!」 「これはマーレに伝えていない情報なんだが...『不戦の契り』を打ち破る方法だ。図らずともジーク...それは君だからこそ可能になる。『王家の血を引く巨人』であれば『始祖の巨人』の継承者と接触することにより、その能力を引き出すことができるはずだ...しかし、力を使えるのは君じゃない。決定権は始祖の保有者に委ねられる。言わば君の役割は鍵だ」 「誰か信頼できる者に始祖を託すんだ。私たちの『安楽死計画』を理解してくれる誰かに」 「君ならきっと見つけられる...私はいつでも見守っているからな...ジーク」 「見つけてみせるよ...父さん」 「エレン...イェーガーだと?」 「はい...エレンは『始祖の巨人』の保有者です。そしてエレンの生まれ育ったシガンシナ区の家の地下室には...何か重大な情報があるとのことでした」 「その...エレンから父親の話を...何か聞いたか?」 「たしか...今は行方不明で医者をやってたと聞きました」 「何てことだ...あの父親は生きていた。エレン...俺たちは被害者だ...お前はあの父親に洗脳されている」 「いつか必ず救い出してやるからな」 「...少し父親と似てきたようだ...まずはエレン、俺の話に応じてここまで来てくれてありがとう。俺の考えはイェレナから聞いた通り...エルディア人安楽死計画に賛同してくれるのか?』」 「4年前...あることをきっかけに親父の記憶が開いた。親父が壁の王家一家を皆殺しにしたときの記憶だ。まだ小さな子供たちを虫みたいに潰して回った...感触も残ってる...その子たちが生きていれば『始祖の巨人』は王家の手に渡り『不戦の契り』に縛られたまま俺たち壁内人類は心中を迫られただろう。子供たちの死が俺たちを生かした」 「...そうか。父親は正しかった...そう思ったのか?」 「いいや...親父は間違ってる。そして...その親父に育てられた俺も間違いだった。エルディア人が生まれてこなければ、この街の住民も、これから俺たちの計画に巻き込まれて死ぬことはなかった。この世に生まれないこと...これ以上の救済はない」 「俺はやる。俺の手で巨人が支配した二千年の歴史にケリをつける。その日を迎えるまで進み続ける。そうだろ? 兄さん」 「あぁ...その通りだ。やろう。固い握手でも交わしたいところだが、まあ...今、俺たちが接触するのはマズいよな...」 「代わりにこれを受け取ってくれ。エレン。必ずみんなを救ってあげよう」 「唯一の救い...エルディアの...安楽死」 「何つった? 安楽死? お前はこれから臭ぇ巨人の口の中で自分の体が咀嚼される音を聞きながら死ぬわけだが...お前にしちゃあ随分と安らかな死に方だろ? 奪った仲間たちの命に比べてみれば」 「奪ってない...救ってやったんだ。そいつらから生まれてくる命を...この残酷な世界から...そうだろ?」 「...また足が延びて来たみてぇだな...」 「クサヴァーさん!! 見ててくれよ!!」 ★次回 「天地」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2021.03.27 15:48:08
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