今日読んだ本
ミラージュの罠
「きみはいったい何なんだ?」慣れているように見えた。
銃の扱いも、暴力も、あの異様な状況にも。
少年はダグラスを見つめて微笑した。
「賭けをしようか。
この連中の仲間がまたダグラスを誘拐しにやって来る」
心底ぞっとした。
悪夢がやっと終わったのに、
すかさず次の悪夢を強引に見せられている。
そんな気分がする。
「だったらなおさら警察に...!」
「保護を求める?却下。
それだと、また狙われるっていう賭けが成立しなくなる」
開いた口がふさがらない。
それが仮にも誘拐されそうになった被害者に言う台詞か。
リィのことを「モンドリアン」と呼ぶ少年は何者かに狙われていた。
しかもその奇妙な事件はまだ終わっていない。
むしろここからが始まりだった。