東映映画「番格ロック」
今回ご紹介のおすすめ映画は、「不良番長」シリーズの内藤誠監督の知る人ぞ知る隠れた名作映画「番格ロック」だ!冒頭からしてすでにカッコ良い。東映オープニングタイトルに重なるは、キャロルのジョニー大倉の甘い歌声で「I’m just a lonely girl」、すなわち「番格ロックのテーマ」だ。そして街を練り歩く不良少女のグループ・・・そこにテロップ。「ここに番格と呼ばれる少女たちがいる。番格とは番長以上の実力をもちながら一匹狼の用心棒としてケンカに明けくれる番長グループである。」シビレル言葉だね。ジョニーの”いつまで一人きりで~愛を探してる~”の歌にあわせて真っ赤な文字でタイトル「番格ロック」がバーン!”格”の口の中が星型になっているのがロックしてる。ストーリーは赤羽百人会と池袋騎兵隊という不良グループの抗争がベースだ。溜まり場で副番長が「赤羽百人会、なんでもつ?」と問いかけると全員で「総番長でもつ。」「総番長なんでもつ?」「番格でもつ。」と答える。「番格と番長は同格。総番長を助けて番を張る。腕と度胸の一匹狼だよ。」何と重々しく、厳格な掟であるか。現代の不良達にも聞かせてやりたい。細かいストーリーはネタばれになるので詳しくは書かないが、百人会の番格、由紀子(山内えみ子)と対立する騎兵隊の番格、アラブの鷹との女子少年院での出会いから一対一の決闘(双方の武器が研ぎ澄まされた裁断バサミをふたつに分けたモノ!)、お互いの友情以上の結びつきがからみあい物語を深くしている。そこにやっぱりからんでくるヤクザ者(大人達)の汚い手回し、裏切り、そして大人になっていく事への喪失感が淡々と描かれる。単なる暴力アクション映画とは異なる、傑作映画だと私は思う。そして残念ながら本作もまたビデオもDVDも未発売。東映チャンネルをチェックしていれば見られるかもしれない。★映画「番格ロック」予告篇★RED HOTS昭和映画史ノート昭和残唱/大西ユカリと新世界[CD]↑楽しめた方はクリック!↑