「止められるか、俺たちを」
不景気に変わりはないが、日本は平和だとつくづく感じる。たとえば粋がった若者達がコンビニ周りでたむろしてようが喧嘩になることはまず無い。俺らの時代は違った。やるか、やられるかだった。目立ちたいが、目立ったら因縁をつけられる。そのあたりのバランスがサバイバルに必要不可欠だった。当時の不良は流行りに敏感でいつも「VAN」や「JUN」といったブランドのファッションをチェックし化粧品もアラミスなど一流品を使っていた。音楽はソウルミュージックを聞いていた。美学があった。もちろんナンパな部分もありそれは今もそうなのかも知れないが硬派な匂いがしない。危険な匂いがしない。バイクをウィリーして信号から信号まで走りぬけたとか四つ輪(クルマ)で高速スピンターンを決めたとか今考えると馬鹿馬鹿しい気もするが少なくとも携帯ゲームを昼夜やりこんで高得点出したこととは根本が違う。時間は、怖ろしいほどのスピードで流れてゆく。「止められるか、俺たちを」を本にまとめてから、すでに十三年が経ってしまった。俺たちのこととやかく言う前に、テメエのこと、どうにかしたら?テメエのことゴマ化してる野郎の言うことなんか、まともに聞けるかよ!十三年経っても、少年たちは同じ台詞を叫んでいる。ただ、齢と共に人が入れ替るだけで、問題は何も解決していないし、解決に向かっているとも思えない。だから、どんなに力で封じ込めようとしても、「族」は次から次へと生まれてくる。 ↑楽しめた方はクリック!↑