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カテゴリ:日々色々(その他)
六本木、赤坂、虎ノ門、神谷町、それら四方に囲まれた丘の上に佇む老舗高級ホテル、オークラ本館。けして華美な佇まいとは言えないのに、内外問わず多くのハイセンスなゲストたちに愛されて来た。その理由はメインロビーに入ればすぐに分かる。直感的に日常の憂さが緩み、非日常の魔力へと誘われるからだ。 非日常の魔力とは、オークラ本館のメインロビーとオーキッド・ルームの空間デザインを手がけた建築家・谷口吉郎氏の意匠力にある。彼が故郷の金沢で養ってきた日本の伝統文化を脇役に据え、現在(いま)を生きるゲストたちを主役に設定。デザインは強調させず、居心地の良い空間を生み出すための装置として控える。しかしながら、そこには目には見えない安らぎまでも与えられる究極の美が隠し味として効いているのだ。その「魔力の秘密」にボクが気づいたのは近年になってのこと。数十年前、社会人になったばかりの頃は居心地の良さしか分からなかった。 間もなくココの本館は閉館(2015年8月末)され、2019年に高層ホテルとしてリニューアルされる。新たな発見をさせてくれ去ろうとしている昭和モダニズムの「巨匠」に感謝の思いを託し訪れた盆休みだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 17, 2015 05:32:59 AM
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