カテゴリ:本
<保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。>
悪人と呼ぶにはあまりに悲しすぎる。 しかし殺人を犯してしまった事実は消すことができない。 殺した男の周りにいる人たち、殺された女の周りにいる人たちの人物像がくっきりと描かれていて、ぐいぐいと胸に迫ってくるものがある。 「今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい。大切な人がおらん人間は、何でも出来ると思い込む。自分には失うもんがなかっち、それで自分が強うなった気になっとる。失うものがなければ、欲しいものもない。だけんやろ、自分を余裕のある人間っち思い込んで、失ったり、欲しがったり一喜一憂する人間を、馬鹿にした目で眺めとる。そうじゃなかとよ。本当はそれじゃ駄目とよ」 殺された娘の父親の言葉が、胸に痛い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 23, 2008 02:43:47 PM
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