カテゴリ:本
<朝、川のほとりで蛇に咬まれた隣家の娘をすくう場面からはじまるこの物語、舞台は藤沢読者になじみ深い海坂藩である。清流と木立に囲まれた城下組屋敷。淡い恋、友情、そして悲運と忍苦。ひとりの少年藩士が成長してゆく姿をゆたかな光のなかで描いたこの作品は、名状しがたい愛惜をさそわずにはおかない。解説・秋山 駿>
やはり藤沢作品は良いですね~ しみじみとノスタルジーの世界にひたることが出来ました。 もちろんそれだけではなく、過酷な現実に真摯に向き合う牧文四郎・ふくの姿は、自分自身の姿勢を改めて振り返らせてくれます。 特に、夏の暑い昼日中、派閥抗争の犠牲となり切腹させられた父の遺体を、重い台車で坂道を汗みずくになって運ぶ文四郎に、思わず寄り添って梶棒を引くふくの姿は、胸がいっぱいになりました。 現実の厳しい世界では結ばれることはありませんでしたが、ふたりの思いの深さはひたひたと伝わります。 ああ、日本人の美意識って素晴らしいなぁ~ 同時に、以前放映されたNHKの「蝉しぐれ」をDVDで観ましたが、評判通りの良いドラマで楽しめました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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