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日常のニュースからひも解く自らの視点

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村松克哉

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2024年09月
2024年02月13日
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 新たなデジタルツールの登場や社会環境の変化を受けて、コミュニケーションのトレンドは日々変化してきています。かつてはメールでのやりとりが主流で、ビジネスメールでは、フォーマルな挨拶や締めくくりが慣習とされていました。しかし、今日ではチャットや短いメールなどが広まり、簡潔で直接的なコミュニケーションが一般的になりつつあります。この変化により、従来のメールで期待されていた礼儀正しい言葉遣いや、礼儀正しいやりとりが大幅に省略されています。リモートワークの普及で、オフィスで面と向かってコミュニケーションすることが減少、これに伴い、非公式コミュニケーションスタイルが増え、ビジネスマナーに対する意識が薄れてきていることがあります。
 例えば、依頼のメールに対してお断りのメールを返すと、その後のやりとりが途絶えてしまうことが多い。以前であれば、「承知しました。次回、また何かあればよろしくお願いします」という短い返事が先方から送られてきて、そこで終了となるのが普通であった。しかし、最近はそのような返信がない。「一往復半」のやりとりではなく、「一往復」で終わるのが現代のビジネスパーソンのコミュニケーションとして定着しつつあります。労働時間管理が厳しく言われるようになり、できるだけ効率的に業務をこなすことが求められるようになったことも背景にあると思います。短く効率的に仕事を進めることが最優先なので、余計な作業はできるだけ排除、それは相手にとっても同じなので、相手に不要な時間を使わせないような配慮が必要であると若手社員を中心に考えているようです。このようなことから、最後の返信を省くことは、現代のビジネス環境においては不適切ではなく、タイムパフォーマンスからみても正当化でき、相手にとっても余計な時間を使わせないのが正しい行動であると捉えられているようです。
 ビジネス環境や時代が変われば、正しい行動も変わります。マナーの変化も歴史的にも珍しいことではありません。最後の返信を返さないことについても、それが会社にとって得であるか、または本当にコストパフォーマンスの良い行動かどうかを再考したほうが良いと考えられます。もちろん、今の中高年が完全に引退する頃には、旧来の丁寧なビジネスメールのやりとりのようなコミュニケーションは「不謹慎」「時代遅れ」「非常識」と糾弾されるようにさえなるかもしれません。今は、タイムパフォーマンス、コストパフォーマンスを重視するので、それ以外はなかなか受け入れられないのでしょう。
 しかし、「仕事でも、交友でも、男女のつきあいでも、結局のところ、私たちには対人関係以外の課題はないようにみえる」とアドラーが指摘しているように、人生の課題はすべて「人と人との結びつき」に関するものだと思うのです。ビジネスでいえば、顧客との結びつきがビジネスの課題ということです。アドラーは人と人との結びつきを「共同体感覚」と呼びましたが、そこで必要なのは「人は対等である」ということ。親と子も、教師と生徒も、社会における上司と部下も「対等」でなければならないということです。もちろん、職分の差や役職による上下関係があって当然ですが、概して相手と良好な関係を築くには時間がかかるものです。今のようにタイムパフォーマンスばかりを追求していたら本質を見失うのではないでしょうか。ビジネスは上司と部下以外に顧客との関係もあります。良好な関係を築くためのあるべきコミュニケーションはタイムパフォーマンスやコストパフォーマンスを重視していれば、長期的には逆効果になります。近視眼的な意思決定ばかりしていたり、人間としてどうすべきかを考えて礼節をわきまえないと長期的にはリターンが低くなってしまうことを私たちは認識しておかなければならないと思います。







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最終更新日  2024年02月13日 15時56分38秒
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