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村松克哉

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2024年09月
2024年06月24日
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カテゴリ:環境問題



 中国でマグロが大人気となり、新興国でもシーフードが人気となってきています。これと同時に問題となっている違法・無報告・無規制な漁業が世界各地で問題になっています。日本の法的水域で外国船が無断で立ち入り漁獲を行い、実際の漁獲量よりも少ない量、もしくは全く獲れなかったと国や団体へ虚偽の申告を行い、定められた旗国を持たない船による漁獲が横行するようになりました。
 日本に輸入されている水産物の約3割は違法・無報告による漁業だと言われています。種類別でみると特にウナギやイカ類が多くそのほかでも2割はくだらないと言われています。加えて乱獲による影響も深刻です。乱獲は成長が不十分な稚魚までも捕えてしまうため、新しい水産資源を増やすことができません。長期的に見ると私たち人間が食べるのに必要な生体数が減ってしまいます。このような実態は日本だけでなく世界中に起きています。一部の漁業に従事する人たちがルールを守らないために乱獲・漁業などによる生態系の減少やバランス崩壊につながり、私たちの魚に対する安心安全を脅かしているのです。
 違法・無報告・無規制な漁業がまん延したため、世界ではこの数十年間で急激に水産資源が減少しています。国連食糧農業機関による世界の水産資源の推移を1974年から2019年についてまとめた報告書では、過剰な漁獲量は2019年までに10%から35%と3倍以上に増加しました。その種に影響を与えることなく漁獲が可能な水産資源の量は1974年に39%の水産資源が安全な状態にありましたが、2019年には9%にまで減少してしまいました。グローバル規模で過剰な漁獲を続けた結果、確実に海の生態系へネガティブな影響を及ぼし私たちが食べてもよい水産資源の量は近いうちに底を尽きようとしています。
 乱獲以外にも温暖化や養殖による海洋の生態系への影響は深刻です。世界中で水産資源に関する様々な問題を抱えています。そこで生態系の崩壊や食糧危機の観点からサステナブル・シーフードの重要性が叫ばれるようになりました。現在流通している水産資源の中には違法・無報告・無規制な漁業を経由しているもの、適切な管理がされずに育てられたものが含まれています。これらの水産資源を消費することはやめるべきです。私たち消費者が厳格な審査をクリアした認証付きのアイテムやそれらを使ったアイテムで料理しているレストランを選ぶことは違法・無報告・無規制な漁業を排除できることに加え、海の生態系に配慮しつつ安心安全な魚介類を楽しむことができるのです。
 MSCやASCといった認証制度の審査基準は非常に厳しく、一度取得した後も5年ごとに更新が求められます。加工や流通・販売に関わる事業者も別途でCoC認証の取得が必要です。認証を取得しようとしても漁業者によっては改善に何年もかかる場合があり、ハードルが高いのが現状です。そのため、まだ認証ラベル付きの商品を見る機会は少ないかもしれません。そのような状況でも既にサステナブル・シーフードに取り組む企業や飲食店が増えています。
 日本のトップリーダーはG7サミットやG20ではこのような議題を率先して話し合うべきです。日本が率先して議題に上げるのはAIのルールではなく、持続可能な漁獲ルールを定め、適切な方法と漁獲量を遵守するよう世界のトップと話し合うことです。持続可能な方法によって漁業を行えば、魚介類の個体数を減らすことなく魚を獲り続けることができ、私たちの大切なたんぱく源としてこれからも長く関係を保つことができます。
 国民1人あたりの魚介類の消費量が多い日本で暮らす私たちこそ、そして、世界に誇るべき「寿司」という食文化を有している日本人こそが科学的な根拠に基づいた管理計画を策定し、みんなが守っていく必要があります。決して漁業に関わる人たちだけでなく最後に口にする消費者も含まれます。購入の際はMSC・ASCのような認証ラベルのある商品があればできるだけ優先して選ぶようにするよう日本から世界に向けて率先して発信していきましょう。





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最終更新日  2024年06月24日 08時02分43秒
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