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村松克哉

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2024年07月13日
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 インフレ税とは物価上昇(インフレーション)によってお金の価値が下がり、政府の借金の返済負担が実質的に軽くなることを指します。債務額にインフレ率を上乗せした値で割り、減った分がインフレ税にあたります。例えば100億円の債務があって10%のインフレが起きた場合、実質債務は約90.9億円、差分の9億円強がインフレ税となります。
 インフレ税は税金ではありませんが実態として税金支払いのように資産が目減りすることからこう呼ばれています。政府には1270兆円もの借金があり借金なしではやっていけない状況と言われていますが資産も豊富です。金利が上がると莫大な借金に対する金利も挙がってしまうので大変なことになると財務省は大騒ぎするので金利上昇は何としてでも避けたいはずです。
 一方でインフレになれば物価上昇に伴って自然に税収がアップするので借金の負担は目減りします。つまり、国が莫大な借金を返済するためにはインフレが続く中で金利を低いままにしておくのが得策だということになります。しかし、預金金利がまったく上がらずモノやサービスの値段が上がるということは私たちにとっては非常に不利な話です。このような状況を「金融抑圧」と言いますが誰が抑圧されているのかというと私たち国民が抑圧されているのです。
 インフレでお金の価値が下落して国の借金負担が減ることは「インフレ税」と呼ばれます。インフレが起きても私たちはさほど騒ぎません。フランスなどでは暴動が起きたりしていますが、そもそも日本ではデモが起こる気配もありません。これがもし消費税の話なら1%でも上がれば大騒ぎになるはずですから政府にとって「インフレ税」は恩恵が非常に大きいと言えます。物価上昇に賃金も金利も追いつかないというのは私たち国民にとって非常に過酷な状況なのです。官僚に搾取されていると言っても過言ではありません。
 2023年度の国の一般会計税収が72.1兆円になる見込みです。過去最高だった2022年度の71.1兆円を上回り4年連続で過去最高を更新します。企業の好業績を背景に所得税収や法人税収が好調だったことに加え、歴史的な物価高を反映して消費税収も増えたとみられます。2023年度の税収は想定を2.5兆円程度上回ることになります。70兆円弱と見込んでいる2024年度も上振れる可能性があります。2024年度も引き続き高水準の税収を確保するには賃上げや企業の好業績を維持できるかどうかが焦点となります。
 過去最高の税収の背景には消費税収の増加と国民全体の負担の増加があります。物価高と円安によって企業や消費者などの支出が増えたことで消費税収が増加したことが主な要因です。企業業績も良いとされていますが、物価高を上回る賃金の伸び率とはなっていません。政府は今年度から法人税・所得税・たばこ税などを段階的に増税することを決めており、安全保障や少子高齢化から国民負担がさらに増える可能性があります。税収が増えたことで政治家や官僚の懐に入れるのではなく国の借金を減らす財政健全化に回していただきたいです。ましてや資産の処分もかなりあるのですから。
 現在のように「高債務」「低金利」「円安」の状態が続くと世界最悪と言われる1200兆円超の日本の政府債務残高は少しずつ減少していくでしょう。財政再建する手法としては、1.歳出を減らす、2.歳入を増やす、3.インフレが進むがあり、それぞれの組み合わせもあり得ます。直近5月の消費者物価指数は前年同月比2.8%上昇、日銀が物価安定目標とする2%を上回り、今後さらに円安の影響による物価上昇・インフレ率の高止まりが想定される現在、3のインフレによる政府債務残高の圧縮に注目が集まるのは当然と言えます。しかし、財務省が煽る財政赤字対策増税は逆側にある膨大な資産について触れない天下り資産について何もしないための方便としか思えないのですが。





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最終更新日  2024年07月13日 07時12分59秒
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